26年にわたって飲食系フランチャイズを経験
「オープン当初に高額のバッグをお持ちいただいた時なんか緊張で手が震えてしまって……。」(滝口オーナー)
オープン後の苦悩を赤裸々に語ってくれたのは、「買取専門店おたからや」を神奈川県内で3店舗運営する滝口オーナー。「おたからや」に加盟する以前は、ふたつの飲食系フランチャイズで計26年にもわたって加盟店オーナーを務めあげました。
「2009年に大手ファストフードのフランチャイズに共同経営者とともに加盟しました。16年ぐらい運営していましたが、その後辞めてつけ麺専門店のフランチャイズに加盟したんです。一時は2店舗に増やすなど順調に運営していたんですが、10年やってたら小麦アレルギーでアナフィラキシーショックを発症してしまって……。2019年11月につけ麺専門店のフランチャイズを解約しました」(滝口オーナー)
55歳にして新たな道を歩みはじめることとなった滝口オーナー。そこで出会ったのが「買取専門店おたからや」です。
26年の飲食経験を活かして再度、飲食系のフランチャイズチェーンに加盟するのが普通のように思えますが、いかにして異業種である買取専門店に目をつけ、数あるフランチャイズのなかからなぜ「おたからや」に加盟したのでしょうか。
「収益面でも夢がある」と感じて買取専門店を選択
「選択肢は3つほどありました。まずはデリバリー業態の飲食事業。でも、小麦アレルギーが心配なのと、1人で完結できる業態がいいなと思い、次に選択肢に挙がったのが、1人でも開業できるハウスクリーニング、リペア系、買取専門店のフランチャイズでした」(滝口オーナー)
高齢化や女性の社会進出などにより、シェアを拡大しているハウスクリーニング。そして、一度使われたものも中古品として売買したり直したりするエコが一般的になり、リペアや買取も右肩上がりで伸びている業界です。
「どれも希望どおり1人で開業できる業界なんですが、3つのなかでは買取専門店の収益性が大きいと感じたんです。収益面も含めて夢があるというか、なんとなく魅力的なビジネスだなって」(滝口オーナー)
ハウスクリーニングとリペアは、案件を多く請け負えばそれに応じた収益が見込めますが、「1人で」となると収益に限界があるのも事実……。一方、買取専門店の場合、労働量ではなく買い取った商品の金額に応じて収益が増減します。なかには、1回の買い取りで数百万円〜1千万円近い利益が出るケースもあることから、収益性に魅力を感じて買取専門店のフランチャイズに加盟することに決めたと言います。
そうして買取専門店に的を絞った滝口オーナーですが、「おたからや」を選んだ理由はなんだったのでしょうか。
「一番はサポート体制です。フランチャイズは未経験でも加盟できて、スピーディに軌道に乗せられるのがメリットの1つ。以前、フランチャイズ加盟していた飲食も経験のないところからのスタートでしたが、それでも長い期間運営できていたのは本部にしっかりとサポートしていただいたおかげだと思っています。今回の買取店も未経験からスタートするので、本部のサポート体制ははずせない条件でした」(滝口オーナー)
「買取専門店おたからや」では、開業前研修はもちろん、開業後も査定や真贋(しんがん)に不安があるオーナーに向けてWEBカメラを利用したオンラインサポートを実施。さらに、貴金属やダイヤモンド、切手、古銭メダルなど、各ジャンルに分けた査定技術研修はもちろん、集客や運営に関する研修を定期的に実施しているのが特徴です。
本部の厳しいサポートが滝口オーナーの窮地をしのぐ
そうして、2019年5月に「買取専門店おたからや」のフランチャイズに加盟。本部が主催する開業前研修を経て、2020年1月に「買取専門店おたからや二宮店」をオープンさせました。
期待と夢を膨らませ、55歳にして新たな人生を歩みはじめた滝口オーナーでしたが、オープン早々、彼の前にあまりにも大きすぎる壁が立ちはだかります。
「研修を受けて分かっているつもりでも、実際にやってみると全然できないんですよね。長いこと飲食の経験があったので接客などにも自信があったんですが、多少なりともストレスを感じていたみたいで、全身にじんましんが出ちゃいました」(滝口オーナー)
知らず知らずのうちに精神的にも追い詰められていた滝口オーナー。そんなときに頼りになるのが「おたからや」本部の手厚いサポートです。
「本部の厳しくもあり、優しくもあるご指導に救われました。分からないことがあったらすぐに電話などで聞いて解決する。フランチャイズ本部にとって、加盟店オーナーは資金を払っているのでお客さんのような立ち位置ではあるんですが、おたからやはそのような扱いをせず、フラットな立ち位置で指導してくれるんです。そのおかげで、短期間でスキルが身に付きましたし、支えられたおかげで折れそうになる心も持ちこたえました」(滝口オーナー)
本部の指導に必死に食らいついていった滝口オーナー。その甲斐もあり、オープンから2カ月ほど経つと、少しずつ成果が出はじめるようになるのです。
「最初は高額の商品をお持ちいただくと緊張で手が震えていましたが、2カ月ほど経つとそんなこともなくなりました。昔の貨幣を300枚以上もお持ちいただいた方がいらっしゃって、トータルで何百万円という査定金額だったんです。長い商談になりましたが、無事に買い取らせていただくことができましたね」(滝口オーナー)
しかし、軌道に乗りはじめると同時にコロナ禍に突入……。またしても出鼻をくじかれる事態に見舞われます。
「2020年の4月は新型コロナの影響で一瞬だけ客足は鈍りましたが、すぐに戻りました。都心の店舗や、公共交通機関を使わざるを得ない駅近の店舗はコロナの影響を受けていると聞きますが、ここは駅からも離れているのでほとんどが車で来るお客さま。都心でもないですし、出張買取も行なっているので、コロナの影響はほとんど感じていませんよ」(滝口オーナー)
買取専門店といえば景気の変動はもちろん、新型コロナなどの外的な要因に左右されない不況知らずのビジネスと言われています。景気が悪くなると、将来に向けて不用品を売って現金化するニーズが増えることが理由の1つです。
コロナ禍にもかかわらず10カ月で3店舗をオープン
コロナで影響を受けるどころか、金の価格高騰などとも相まって右肩上がりで売上を伸ばしていった滝口オーナー。1号店のオープンから4カ月後にあたる2020年5月には、2号店の「買取専門店おたからや茅ヶ崎店」をオープンさせます。
「おたからや本部から『2号店をオープンしませんか?』とお声がけいただいたんです。直前の2020年3月には本部をはじめ、まわりの方々のおかげで600万円近い粗利を達成したこともありますし、世間的にはコロナで逆風ですが、こういうときこそ攻めの姿勢が重要かと思い、2店舗目を展開することにしました」(滝口オーナー)
すると、滝口オーナーの読みが大当たり(!)。緊急事態宣言中にオープンした2号店が、再度訪れるピンチを救ったのです。
「2号店はオープンから売上も良かったんですが、一方で1号店の2020年6月の売上が想定よりも低くて……。なんとか2号店のおかげで、全体的にはまぁまぁな数字に落ち着きました。やっぱり収益の柱は1つよりも2つ。2つよりも3つなんだと実感しましたね」(滝口オーナー)
さらに滝口オーナーの勢いは衰えるどころか、2020年10月には3号店となる「買取専門店おたからやグルメシティ大根店」をオープンさせるのです。
「多店舗展開していってる理由は、やはりリスクヘッジですね。出店するのもリスクですが、出店しないのも同じくリスクなんですよ。どっちのリスクを取るかっていう話だと思います。ある程度はドミナント的に店舗数を増やし、エリアを固めるのも戦略の1つだと考え、早いタイミングで3号店をオープンさせました」(滝口オーナー)
10カ月間で3店舗をオープンさせた滝口オーナー。しかし、彼の奮闘はまだまだスタートしたばかりです。不況知らずのビジネスとはいえ、月によって売上に波があるのは彼自身、痛感しています。いかなる変化にも対応できるよう、今後は新規オープンはもちろん、既存店の売上強化に取り組んでいくようです。
※掲載情報は取材当時のものです。