会社の“もうひとつの柱”としてBBQ太郎に加盟
「もう20年以上も前から日常的にバーベキューをやっているので、BBQ太郎のフランチャイズのことを知って即決で加盟しました。本当、好きなことを仕事にさせてもらっている感じですね」(押川オーナー)
そう明るく話すのは、「BBQ太郎 愛知店」の押川オーナー。BBQ太郎は“手ぶらバーベキュー”をコンセプトに、食材はもちろん、コンロやタープなどバーベキューに必要なものをすべてお届けするビジネス。いわゆる“BBQ配達屋さん”として需要を独占し、テレビなどのメディアにとりあげられるほど注目されています。
そしてサービス利用者だけでなく、ビジネスとしての注目度が高いのも「BBQ太郎」のフランチャイズの特徴のひとつ。店舗を構える必要はなく、器材を置く場所と車さえあれば事業をスタートできることが魅力で、脱サラしたい個人はもちろん、事業多角化を狙う法人も関心を寄せているビジネスなのです。
押川オーナーも事業多角化を狙って加盟した法人のひとり。メインの事業とは別で収益の柱をつくるため、2018年12月にBBQ太郎のフランチャイズに加盟。翌2019年の3月に「BBQ太郎 愛知店」をオープンさせました。
「10年くらい前に建設業を事業とする会社を立ち上げました。今も建設業がメインで、BBQ太郎はサブという立ち位置です」(押川オーナー)
そんな押川オーナーがBBQ太郎のフランチャイズに加盟したのは、あることがきっかけでした。
場所もスタッフも、最初はミニマムでスタート
「昔からずっと空手をやっていて。会社の代表をやりながら、地域の子どもや一般の方を対象に空手を教えていたんです。仕事が終わってから、遅いと22時ごろまで教えることもあるなど、それなりにハードな生活を送っていて。当時は仕事と空手のこと以外は考える暇もなかったのですが、空手の指導を辞めて時間が空いたタイミングで、『こんなビジネスがある』と教えてもらって。それが『BBQ太郎』でした」(押川オーナー)
バーベキューを日常的に楽しんでいた押川オーナーは、即決で「BBQ太郎」のフランチャイズに加盟を決意。かくして、建設業と「BBQ太郎」のふたつの事業で会社を走らせていくことになります。
「最初はリスクを最小限に抑えるためにも、ミニマムでスタートをしたいなって。バーベキューの器材などは建設業の資材を置いていた土場に一緒に置いてました。スタッフも新たに雇用せず、僕と妻のふたりではじめました」(押川オーナー)
そんな押川オーナーの思いはいい意味で裏切られ、ふたりでは立ち行かなくなるくらい多くの予約を獲得。オープン早々に軌道修正を図ることになるのです。
「2019年3月にオープンしたのですが、すぐに4月やGWの予約が入りました。予想よりも1.2~1.3倍くらいの予約に達して、手ぶらバーベキューの需要を実感しました。こんなに必要とされているんだって。でも確かに、自分でバーベキューをやるとなったら準備や片付けが面倒なんですよね。アルコールを飲んでたりすると余計にそうで、ゴミまで片付けてくれるならそりゃ利用したいと思いますよ。結果的に予約が殺到して妻とふたりでは捌ききれず、建設業のほうの従業員にも手伝ってもらってました」(押川オーナー)
ほぼ本部のWeb集客だけで、予想以上の予約を獲得
その勢いは止まることなく、BBQの繁忙期である夏も多くの予約を獲得。「BBQ太郎」のビジネスの将来性を感じずにはいられない結果が待ち受けていました。
「1日に2件や3件など、複数の予約が入ることも多かったですね。オープン当初こそ、知り合いに声をかけて利用してもらうこともありましたが、その後はWeb集客中心に予約が入りました。それ以外にはポスティングや飛び込みでの営業をやってましたね」(押川オーナー)
押川オーナーが言うように、BBQ太郎利用者の集客はWebからがほとんどです。Web集客とひと口に言っても手法はさまざまで、それゆえかなりの専門知識を必要とします。しかし、「BBQ太郎」ではフランチャイズ本部がWeb集客を担ってくれるので、加盟店オーナーは空いた時間にポスティングや飛び込みをするだけで、押川オーナーのようにオープン初年度から十分な集客ができるのです。
「チラシは本部で作ってもらったり、本部からデータをもらって店名などを書き換えたり。そのチラシを常に車に置いてあるので、たとえば建設業のほうで行った現場の近くで飛び込み営業をしたり、現場にいるお客さんにチラシを配ったりもしていましたね。実際、飛び込みで営業したお客さんから受注もありますが、やっぱりメインはWebでの集客で、それをすべて本部がやってくれるので業務に集中できて助かりますね」(押川オーナー)
もちろん、売上アップを狙うなら自身で更にWeb戦略を行なう手もあります。バーベキューに関するブログを書いてWebでの上位表示を図ったり、より魅力的なメニュー写真を撮影して受注率アップを図ったり。企業努力次第で売上をアップし、規模を拡大することも可能です。
コロナの状況を救うのはリピーターの存在
オープン初年度から順調に集客を重ねていた押川オーナーですが、2020年は本業の建設業が多忙になってBBQ太郎の事業はひと休み。しかし、本業が落ち着いたタイミングで心機一転、BBQ太郎の事業を再開しようと思った矢先、新型コロナウイルスによって出鼻をくじかれることに……。
「2020年2月以降の予約も結構入っていたのですが、緊急事態宣言が発令されてかなりのキャンセルがありました。その後、密を防げる屋外でのレジャー需要が増えたのですが、バーベキュー施設での感染が相次いでしまって。結果的に周辺の公園などバーベキューをできる施設が閉鎖されました。この辺の海岸はバーベキュー禁止なので、できる場所がほとんどない状況です。お客さんも公園などが閉鎖されていることを知らずにお問い合わせいただくので、その場合は空いている別の施設をご紹介する感じです」(押川オーナー)
しかし、バーベキューをするのはなにも屋外の公共施設だけではありません。土地をもっている企業など、自身の敷地内でバーベキューをする人も少なからずいます。
「会社の敷地内でバーベキューをする法人様もいらっしゃいますね。コロナで社員の息が詰まっているから、息抜きにバーベキューをやりたいとご利用いただく感じです」(押川オーナー)
コロナによる苦戦が続いている押川オーナーですが、そんな状況を救うのがリピーターの存在です。「BBQ太郎 愛知店」ではリピーターが3割ほどを占め、コロナ下でも利用する人は少なくありません。
「この間、スタッフに配達に行ってもらったら、仲良くなって『ずっとここにいなよ』って言われたみたいで(笑)。結局、帰してくれなくて一緒にバーベキューを楽しんだんですが、仲良くなってその後も2回リピートしてもらったり。僕も『一緒に二次会いきましょうよ』『片付けが終わるまで待ってますね』などと誘われることもありました。こういったコミュニケーションが次につながるので、楽しみながらできる人に向いているビジネスのような気がしますね」(押川オーナー)
まだコロナ収束の兆しは見えない状況ですが、だからこそポスティングのエリアを広げるなど、「今できる目の前のことを地道に続けることが重要」と語る押川オーナー。今後はスタッフを増員するなど、より「BBQ太郎」の事業を拡大していく予定です。
※掲載情報は取材当時のものです。