不動産に特化した学校を創るため、5年制の工業高等専門学校を3年で終了退学
社会人になるまでの山浦は、自他共に認めるおとなしい性格でした。
ゲームや携帯電話など、機械好きが高じて5年制の工業高等専門学校に入学。高専時代にはじめたファストフード店でのアルバイトでは、裏方としてキッチン業務を担当していました。しかし、ひと通り仕事に慣れてきて、レジ業務の研修がスタートするタイミングになると、「接客をしたくない」という理由で退職するなど、人と接することが何よりも苦手でした。
「当時は、ITが急速に普及をはじめた頃だったので、将来は技術者として自分が作ったものでたくさんの人に喜んでもらえるような仕事をしたいと考えていました」(山浦)
そんな山浦少年が高専2年生のとき、父親が不動産やリフォームを扱う事業で起業すると、その姿に感化されて、将来の夢が180度方向転換する事態に発展します。
技術者として影ながら人に影響を与えるのではなく、父親のように直接お客さまが喜んでいる姿を見られる不動産業界で働きたい。おとなしい性格ながらも、内に秘めた強い思いをおさえられず、両親に高専退学を直訴。しかし、説得もあって、高校卒業程度の資格を有する3年を経過した時点で終了退学するという約束で落ち着きます。
その後は、プロとして活躍する前に大学や専門学校などで不動産について学ぶ道を選択するものの、看護師や保育士などとは違い、不動産について勉強できる教育機関がほぼ皆無であることが発覚……(!)。
そこで彼は一計を案じます。不動産のプロを育成する大学や専門学校がないのであれば、自分で創ってしまおう——。そのためにもまずは、自分自身がプロとしての道を歩むため、父親が営む不動産会社で新しい一歩を踏み出したのです。
即戦力に程遠い営業が数々の賞を受賞するグループトップまで大躍進
入社後は、不動産の学校を創る日を夢見て無我夢中で働く日々……。契約書を作成したり、父親の営業に同行したり、山浦にとって経験したことのない新鮮な毎日が続きます。そして、入社から1年が経った平成22年の夏頃、父親が独立する前に勤めていた不動産会社からある誘いを受けます。
「うちで働かないか?」
山浦の父親が働いていたのは、地元、熊本県を代表するハウスメーカー。事業を拡大して、不動産のワンストップサービスを展開する法人を新たに立ち上げるタイミングで、1人目の営業として入社することになったのです。
とはいえ、入社当初の山浦は即戦力には程遠い存在でした。父親の会社で不動産の基礎からはじめたものの、いち営業として商品の説明をするスキルもなければ、お客さん相手に営業トークすらしたこともないレベル……。その上、営業でありながら、お客さんと会うことの恐怖心を払拭することができず、極力、外に出ることを避けて資料作りなどのデスクワークに没頭します。
しかし、ひょんなことがきっかけで山浦に大きな転機が訪れました。
「入社2ヶ月目に新築を建てたいというお客さんから土地の契約が取れたことで、営業の楽しさを味わうことができたんです」(山浦)
待ちに待った念願の初契約。その後、人と接することの恐怖心を払拭できた山浦は、2件目、3件目と次々に契約を獲得します。その結果、入社3ヶ月未満の営業社員70人で競う九州の新人大会において、「売買の仲介手数料部門1位」を獲得するまでに急成長を遂げることになるのです。
「契約が取れなかった1ヶ月目とその後では、意識が違っただけだと思います。最初は会社の外に出ることも怖かったんですけど、契約が取れたことで次第に充実感ややりがいにつながっていきました。しまいには、お客さんに喜んでもらわないと、という使命感にも似た感覚がありましたね」(山浦)
入社した当初は、山浦と上司1人の少数精鋭だった部署ですが、彼の活躍のおかげもあって5人10人と組織が拡大していきました。その間も常にトップの営業成績をキープしたことで、主任を飛び越えて係長に就任。2015年には、数百人もいる九州の営業の中で、2位の成績を残すなど、入社当初からは想像もつかない大躍進を遂げることになったのです。
より多くの人が喜ぶ姿を見るために独立を決意
2016年にはこれらの成績が認められ、弱冠26歳にして副店長に就任した山浦。このまま評価を重ねれば店長や部長などの幹部クラスはもちろん、役員クラスの昇級もほぼ確実です。
「グループ全体の社長からは『30歳になったら(グループ全体ではなく)今いる会社の社長として頑張ってみないか?』と言っていただきました。18歳のときに不動産業界の門を叩いたときから独立を考えていたので、とてもうれしかったですね」(山浦)
しかし、不動産の営業として活躍をする一方で、ふとしたときに感じた違和感が次第に膨らんでいったのです。
「住宅を購入する際に無理な借り入れをしていたり、借り入れ自体は問題なくても、生命保険や損害保険などの保険に加入していなかったり。せっかく一世一代の買い物で手に入れた住宅をネガティブな理由で売却するケースが非常に多かったんです。購入する時点でなぜここまで考えられなかったのか……と、とても悲しい気持ちになりました」(山浦)
人が喜んでいる姿を見たくて、技術者から不動産業界にシフトした山浦にとって、ネガティブな売却で悲しんでいる姿を見るのがとてもショッキングでした。そこで、住宅を購入したお客さんがその後にネガティブな理由で売却することのないよう、多くの勉強をはじめることにしたのです。
「ファイナンシャルプランナーの資格は父親の会社で働いていたときに取得しましたが、実務には生かせていませんでした。そこで、実務でも生かせるお金や保険の知識、老後の資産運用についても勉強しました。また、本来は営業の範ちゅうではないインテリアコーディネーターの資格も取得するなど、住宅の購入を通して、無理のない予算の中で充実した生活を送って欲しいという思いでいろいろな勉強をしました」(山浦)
不動産以外にも多くの知識を身につけ、関わるすべての人に喜んでもらう努力をしましたが、より多くのひとが喜ぶ姿を見たい……。
現状では、営業トップの成績でも、年間でせいぜい70件程度しか担当することができません。そこで、住宅を購入する前段階で、住宅ローンの組み方や保険などについて相談できる窓口となる事業で独立を決意したのです。
自身がユーザーだった経験から「エックスモバイル」の良さを実感
「株式会社みらいコンシェルジュ」が運営する “CRAS(クラス)”は、ライフプラン事業を中心に、不動産業や住宅紹介業、生命保険業、損害保険業、住宅ローン借り換え相談業、家計相談業、資産運用相談業など、7個のサービスから成り立っています。
「住宅の購入と保険は切っても切れない関係。そして住宅を購入した後も、住宅ローンの切り替えや家計の相談や資産運用など、生涯に渡ってお手伝いさせていただいています」(山浦)
実は、山浦が自身の家計の見直しを行う中で、2016年に注目したのが通信費でした。それ以前にもポケットWi-Fiを契約してスマホで契約しているギガ数を落とすことで、夫婦2人で月2万円以上も払っていた通信費を1万8000円まで引き下げることに成功しています。
それでも物足りないと感じた彼は、格安スマホに着目。中でも、リーズナブルな料金プランで、かつ定額のかけ放題にも対応する「エックスモバイル」のMVNOに機種変更をすることに。結果、1万1000円まで引き下がり、月7000円の節約を実現させました。年間で考えると、実に8万4000円も節約できる計算です。
「これはすごいことだ、お客さんにも伝えないと! そう思って、家計の見直しを図っているお客さんに伝えたんです。すると、第一声は『山浦さんがそんなに安くなるっていうなら、私もエックスモバイルに変えたい』と言ってくださるんですが、インターネットで契約するのが手間だったり不安だったりするんでしょうね……。その後もなかなかエックスモバイルの格安スマホ(MVNO)に機種変してくれなくて(笑)」(山浦)
そこで、自身がエックスモバイルの代理店となり、お客さんの手間をひとつ減らそうと考えた彼は、インターネットでエックスモバイルの代理店募集ページを検索しました。
「加盟することを前提にページを検索したんですけど、木野社長のプロフィールを見たら、とても熱い思いをお持ちの方だというのが伝わってきて。後日、木野社長に直接熊本まで来ていただいたときには、お会いして30分もしないうちに加盟を即答しました。今はまだ準備段階の状態ですが、話す人みんなが『契約したい』と言ってくださっています。すでに10〜20名のお客さんが事業スタートを心待ちにしてくださっています」(山浦)
関わるすべての人に喜んでもらいたい——。エックスモバイルの格安スマホに機種変更することで、喜ぶお客さんの未来の姿を想像しながら、そして、不動産のプロを育成する教育機関を造ることを夢見て、山浦は今日も挑戦を続けていきます。
※掲載情報は取材当時のものです。