アルファス株式会社代表取締役 田中聡氏
ハウスドゥのロゴ

答えは始めから用意されていた!? ハウスドゥのFCを活用しきれなかったベンチャー企業の失敗

ハウスドゥ」の売買仲介事業を中心に、賃貸仲介・管理やリフォームなど、不動産のワンストップサービスを展開しているアルファス株式会社。現在、FC加盟店としてハウスドゥの3ブランドを8店舗運営している同社ですが、立ち上げ当初は苦悩の連続でした。それをどう乗り越え、今があるのか——。アルファスの創業メンバーであり、2018年12月に代表取締役に就任した田中聡氏がお話します。

フランチャイズのノウハウを活かして法人を立ち上げ

ハウスドゥ!岡崎北店のオープン当時
アルファスが運営する「ハウスドゥ 岡崎北」のオープン当時の写真

「フランチャイズ加盟を検討している方、とくに不動産事業で検討している方には『ハウスドゥに加盟しておけば間違いないですよ!』と、声を大にして伝えたいですね」(田中オーナー)

現在、愛知県内で8店舗の「ハウスドゥ」を運営しているアルファス株式会社。2010年11月の創業と同時に「ハウスドゥ」に加盟し、およそ9年で売買仲介「ハウスドゥ」、売買と買取「家・不動産買取専門店」、建物管理と賃貸仲介「レントドゥ」の3ブランドを8店舗運営するなど、いまもなお成長を続けるベンチャー企業です。

「創業の背景としては、創業者がもともと不動産関係に投資していたこともあり、不動産売買仲介だけでなく、住宅販売、住宅リフォームに至るまで不動産に関わるワンストップサービスを展開したいという思いで立ち上げました。そのためにも、まず立ち上がりとして不動産売買仲介から始め、横展開していくためにスタートした会社になります」(田中オーナー)

そこで、オリジナルの事業は考えず、立ち上げからフランチャイズに加盟することを検討。あえて創業当時からフランチャイズを活用することにした理由をこう語ります。

「単純に、より早く事業として確立するためには、本部が培ったノウハウを享受できるフランチャイズに加盟するのが得策だという判断ですね。それと、フランチャイズのブランド力を利用することで、事業はもちろん人もレベルアップさせていければと思い、最初からフランチャイズへの加盟を検討したと聞いております」(田中オーナー)

しかし、不動産関係のフランチャイズは、「ハウスドゥ」以外にも選択肢がたくさんあります。ましてや、現在でこそ609店舗(2019年8月現在)を展開するなど、不動産売買仲介専門のフランチャイズブランドとしては加盟店舗数ナンバーワンを誇る「ハウスドゥ」ですが、アルファスが創業した2010年当時はここまで拡大していませんでした。それなのに、なぜ「ハウスドゥ」に加盟したのでしょうか。

「業界を変える!」という強い思いを持ってハウスドゥに加盟するも……

全国690店舗を突破したハウスドゥ
全国690店舗を突破したハウスドゥ

「決め手としては、『不動産業界を変えたい!』というビジョンが同じだったこと。というのも、不動産業界は業界本位の考えが蔓延しているんです。つまり、他業態には根付いているホスピタリティ精神が欠如しています。しかし、『ハウスドゥ』では情報をすべてオープンにすることで、お客さま目線のサービスをコンセプトにしているフランチャイズでした。アルファスとしてもこういった、 “業界の負”を取り除きたいという思いがありました。確かに、その当時ハウスドゥの店舗数は業界ナンバーワンではありませんでしたが、こういった『ハウスドゥ』のスタイルというのは、本来お客さまから求められているものですので、ポテンシャルを重視して加盟させていただきました」(田中オーナー)

そうして、2010年11月に「ハウスドゥ 岡崎北」をオープンしたアルファス株式会社。「業界を変える!」という強い意思を持って一歩を踏み出すも、早々に大きな壁が彼らの前に立ちはだかるのです。

「簡単にいうと、まったく結果が出ないんです。6人のスタッフのうち3人は不動産経験者だったんですが、わたしを含む未経験者はもちろん、経験者の3人も結果を出せなくて……。わたしは営業の経験すらなかったので、成約はもちろん集客すら思うようにできませんでした。2年目からは複数店舗展開をする計画でいたので、早急に、そして安定的に結果を出せるスタイルを確立しないといけなくて……」(田中オーナー)

このままでは複数店舗展開はもちろん、事業としてすら成り立たないんじゃないか——そう考え、打開策としてある2つの改革を断行します。

「これはわたしだけなんですが、普通の営業スタイルではなかなか集客ができなかったので、販促を必要としない独自のマーケットを開拓することにしたんです。ハウスメーカーを活用した営業手法で、ここでのスキームが確立できたことによって、集客も成約数も飛躍的に上げることができました」(田中オーナー)

そしてふたつ目は、不動産経験がありながらもなかなか結果が出ない3人。本来であれば、即戦力として期待していたこの3人が結果を出せない要因を洗い出すと、限りなくシンプルな問題点が浮かび上がるのです。

ハウスドゥスタイルで事業が一気に成長

定期開催の勉強会
アルファスがハウスドゥのノウハウを受け入れるきっかけとなった定期開催の勉強会では、事例やツールの共有が行なわれる

「経験者の3人に限った話ではないんですが、自分たち独自のスタイルで営業をしてしまったんですよね。たとえば、自分たちで営業ツールや販売マニュアルなどを作ったりしてたんですが、どう頑張っても数字に結びつかないんですよ。そんな折、ハウスドゥ直営店での勉強会に参加したら、頑張って自分たちで作っていた営業ツールとかが、すでに全部あるじゃんって(笑)。なんのために貴重な時間を使って、作っていたんだろうと思いましたね。もう答えが用意されているってことに気づいたので、その勉強会をきっかけにハウスドゥの営業ツールを使うように切り替えました」(田中オーナー)

アルファスに限らず、不動産経験があることでオリジナルのスタイルを貫いてしまうのは珍しいことではありません。しかしフランチャイズを活用するのであれば、成功はもちろん、失敗も含めたノウハウを凝縮して出来た本部のスタイルを徹底するというのが、じつは一番の成功への近道なのです。

これを、立ち上げ初期に気づいたのはアルファスにとって大きな収穫となり、「ハウスドゥ」のノウハウを最大限に活かすとともに、“本当の意味でのお客様目線のサービス”を徹底することに。その結果、事業として一気に加速するほどの成長を見せるのです。

「圧倒的な成果を出すことができたので、『やっぱりハウスドゥのスタイルを忠実に実行すべき』ということが明確になりました。そのため、いまのメンバーたちにもその旨を伝え、ハウスドゥのスタイルを実践してもらっています。ちなみに、不動産経験のあった3人もハウスドゥのスタイルに変えてからは結果を出し、ひとりは家庭の事情で退職してしまったんですが、残りのふたりは現在、役員として活躍しています」(田中オーナー)

そうして、「ハウスドゥのスタイル=勝ちパターン」を見つけたアルファスは、創業から2年のときを経て営業利益が出るまでに事業を軌道に乗せます。“たられば”の話にはなってしまいますが、加盟当初から「ハウスドゥ」のスタイルを忠実に実行していれば、おそらくもっと早く軌道に乗せられていたことでしょう。

「『ハウスドゥ』は、フランチャイズ加盟店のうち約65%が異業種からの参入という実績もあるように、不動産経験がなくても活躍できるのが大きな特徴です。そのため、アルファスでも現在、未経験に絞ってスタッフの採用活動をしています。経験値がなく、言われたことを素直にやれる人のほうがスピーディに成長できますからね。実際、未経験入社2年目とかで契約件数や仲介売上ランキングの全国上位に入っているスタッフもいますよ。それも『ハウスドゥ』のスタイルを忠実にやっているだけなんですけどね」(田中オーナー)

営業スタイルだけでなく、加盟店同士の情報共有もフルオープン

店舗見学会にて他の加盟店オーナーに説明する田中オーナー
店舗見学会で田中オーナーが他の加盟店オーナーに対して、導入したハウスドゥのシステムを社内に浸透させる方法を説明している

「ハウスドゥに加盟して本当に良かった」という田中オーナーですが、そこまで言い切れるのは、本部のノウハウを享受できる点だけではありません。

「営業ツールなどはもちろん、圧倒的なスピードで本部が成功事例などをシステム化して加盟店に落とし込んでくれることですね。そのシステムを使えば、弊社が目指している不動産のワンストップサービスもスピーディに実現できるんです。開発も改良も、すべて自社だけでやっていてはコストも時間もかかりますが、『ハウスドゥ』の場合は本部が全部用意してくれますからね。わたしたちはそれらを使って事業を、そして会社を拡大させていくことに集中できるんです」(田中オーナー)

さらに、およそ1700人の選ばれた加盟店スタッフが集まるハウスドゥ全国FC大会をはじめ、ほかの加盟店とノウハウを共有できる全国成功事例共有会や店舗視察共有会が定期的に開催されるのも、「ハウスドゥ」に加盟したメリットのひとつといいます。

「通常、不動産業界はノウハウを外に出したがらないんですよ。でも、『ハウスドゥ』本部は、定期的に加盟店同士でノウハウを共有できる場を提供してくれる。わたしもフルオープンなので、弊社の店長会議にほかの加盟店の社長さまが参加されたり、逆に、鹿児島の加盟店さまの勉強会に参加させてもらったり。業界的にこういうことが行なわれるのはあり得ない話なので、これも『ハウスドゥ』に加盟して良かったと思う部分ですね」(田中オーナー)

不動産業界はもちろんですが、フランチャイズ全体においても、ここまでオープンに加盟店同士で情報の共有が行なわれるフランチャイズブランドは限りなく珍しいはず。孤独になりがちな経営者ですが、全国に仲間がいると思えば共に乗り越えることもできます。

「9年間でハウスドゥを8店舗展開してきたので、今後は創業当初の目標であった不動産に関わるワンストップサービスを進めていきたいですね。そのためには、わたしが開拓したハウスメーカーを活用した営業手法を、ハウスドゥに提案できるレベルまで磨き上げていきたいと思っています」(田中オーナー)

今後は、独自で築き上げた営業手法を全国の加盟店に共有することはもちろん、システム化することも考えているという田中オーナー。ひとりの力ではできないことも、こうして加盟店全体で情報を共有することで、よりスピーディに成長できているのでしょう。


答えは始めから用意されていた!? ハウスドゥのFCを活用しきれなかったベンチャー企業の失敗(2019.12.1公開)
※掲載情報は取材当時のものです。



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ハウスドゥは不動産売買仲介専門フランチャイズ。本部の(株)ハウスドゥ住宅販売は(株)And Doホールディングスの100%子会社です。全国700店舗超を展開中。急速な成長が注目され、TVで特集されるなどメディアからも注目されています。

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アルファス株式会社代表取締役 田中聡氏

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