「本部訪問」からデキル本部を見分けよう！｜本部資料から見るデキル本部の見つけ方③

フランチャイズの「デキル」本部とはどのような本部でしょうか。ズバリ、経営者が「デキル」人であることです。経営は「社長の鏡」というくらいですので、経営者の考え方、教育方法などは必ずその本部の雰囲気や姿勢に表れてきます。

企業の規模にもよりますが、歴史が浅く、規模の小さいフランチャイズ本部ほど、この傾向は強くなります。創業して数年は、組織体制が確立されていない場合が多く、社長の経営次第でフランチャイズ本部の業績には大きな影響が出ます。

では、「デキル」経営者とはどのような人でしょうか。まずは、経営理念や今後の会社の進むべき方向性などが明確なことです。さらに言えば、このことを、経営幹部・社員など組織自体にも浸透させようと努力し、できているかです。これらは、仮に経営者と面談ができなかったとしても、組織の雰囲気から感じることができます。

本部訪問は上記のことを確認する良い機会であるため、加盟する前には、必ず行うようにしましょう。本部訪問を有意義にするためには、その準備が重要になります。もらった資料からは分からない事項や担当者とのやりとりで聞き逃したこと、把握できなかったことなどは事前に質問項目としてまとめておくようにしましょう。

実際に本部に行った際に確認しておきたい重要事項は以下のような点です。

まずは、本部の会社組織としての雰囲気を肌で感じてください。先ほど例を挙げたように教育のしっかりとした会社であれば、経営理念や会社の方向性が会社の社風・雰囲気として反映されています。お客に応対する姿勢、店内の清潔度、社員の活気などを確認するとおおよそ、どういった会社か感じることはできます。

小売店やサービス業の店舗にお客として入ったときに、店の良し悪しを肌で感じることがありますよね。元気が良い接客、落ち着いて安心感のある接客、丁寧で正確な信頼感ある接客など様々です。こういった雰囲気をしっかりと感じ、記録を付けておくとよいでしょう。

フランチャイズに加盟するということは、一国一城の主となる一方で、加盟店（フランチャイジー）として本部（フランチャザイザー）の方針のもとに事業が発展するよう共に努力する役割があります。つまり、同じ目的・方針のもとで経営をおこなうため、経営者（経営幹部）の考え方や人間性などに共感を持てなければ、自分の事業運営がうまくいくことはありません。フランチャイズ契約後に「本部の方針が間違っている」「このやり方では、うまくいかない」などとトラブルにならぬよう、加盟の是非を熟考しましょう。

組織が大きいフランチャイズ本部の場合は経営者（経営幹部）に直接会うことができない場合もあります。しかし、デキル本部は経営者の方針がしっかりと担当者にまで浸透しているものです。面談担当者は会社を代表していると同じなので、目的や方針などを遠慮せず質問してみましょう。返答に困るようであれば、経営方針が社員にまで浸透していないということになります。

本部訪問の際のチェックポイントと質問例を以下にまとめました。自身がフランチャイジーとしてどのように事業を展開して行くのかによっても質問事項は変わってきます。どのような質問をぶつけるのか、しっかり準備をした上で臨んでください。

これまで、本部のチェックポイントや質問例を述べてきましたが、もっとも重要な点は、本部訪問の前に下記の点を整理しておくことです。

（1）自分が、なぜこの事業をおこないたいのか
（2）そして将来的にどうなっていたいのか

これらを整理したうえで、本部の経営理念に共感することができ、経営方針に対しても自分の考えと一致できれば、その本部とは良いパートナーとして取り組んでいくことができるでしょう。