非接触のドライブスルービジネスが人気!飲食店以外でも導入する業界が増加中

フランチャイズWEBリポート編集部 |2021年09月29日 公開 (2021年11月26日 最終更新)
ドライブスルー 導入

コロナウイルスの流行により、さまざまな産業が大きな打撃を受けている昨今。特に飲食店や小売など、対面でのサービスが中心の業態は、そのダメージも相当大きなものになっています。しかし、ダメージを受けやすい外食ビジネスでありながら、業績好調をキープしている企業もあります。そのキーワードの一つとなっているのが、ドライブスルー。

今回は、コロナ禍でも業績をキープした外食ビジネスのドライブスルー戦略と、他業界へと拡大していくドライブスルーサービスの現状について紹介します。

コロナ禍でも業績好調をキープする外食ビジネスの共通点

ドライブスルーが好調の秘訣

コロナ禍で大きなダメージを受けた外食ビジネス。しかしそうした中でも、前年度を上回る業績を上げた企業が存在します。その代表といえるのが、ケンタッキーフライドチキン、マクドナルド、モスバーガーの3社。それぞれ日本を代表するファストフード店ですが、3社ともに口を揃えて言うのが、業績好調の大きな要因の一つにドライブスルーがあった、ということ。

例えばケンタッキーフライドチキンであれば、緊急事態期間中はドライブスルーの伸び率が最も高かったとのこと。モスバーガーにおいて、2020年6月は同年4月と比較してドライブスルーの売上は1.5倍に増え全売上の3割がドライブスルーになっているほどです。

また、マクドナルドであれば「パーク&ゴー」という、並ばず時短で購入が可能になる新しいドライブスルーのシステムを生み出したり、ケンタッキーフライドチキンであればETCでの支払いを可能にする新システムの運用テストを開始したりするなど、ドライブスルー戦略を強化していこうという動きも強くなってきています。

このようにドライブスルーは、ユーザーから確かに求められているものであり、外食ビジネスの筆頭企業がこぞって強化をしている戦略の一つであることは間違いありません。

ビジネスとして捉えた際の、ドライブスルーの魅力とは

ドライブスルーの魅力

コロナ禍の厳しい時代において、ドライブスルーで活路を見出した企業について紹介しましたが、実際のところ、ドライブスルーにはどのようなビジネス的メリットがあるものなのでしょうか。以下に解説していきます。

感染リスクが限りなく少なく、手間も掛からない

ドライブスルーであれば、人と人とが対面する時間がほとんどゼロになるため、感染リスクを限りなく少なくすることができます。これは、ユーザーに安心感を持ってもらえるのはもちろんのこと、企業運営におけるリスクを下げることにもつながります。

さらにドライブスルーであれば、それぞれのスタッフが自分たちの仕事だけに集中できる環境を作ることができるため、作業効率や手間の部分に関しても、一般的な店舗営業よりも有利になります。 それでいて、ユーザーはリラックスした状態で商品の受け取りができたり、事前オーダーをしていれば待ち時間なしにしたりすることも可能であるため、全体的な満足度向上にもつながるのです。

回転率が極めて高い

ドライブスルーの場合、店舗内で飲食するという時間が無くなるため、回転率を向上させることもできます。そうして回転率が上がれば、順番待ちの列も少なくなり、それによってさらに多くのユーザーを招くことが可能になるでしょう。その一方で、店舗内に常駐させなければならないスタッフの数は少なくて済むため、人件費も掛かりにくく、売上向上を目指すことができるようになるのです。

技術の進歩やアイデアで、ドライブスルー可能な商品も増えている

ドライブスルーと言えば、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンのようなファストフードのイメージが強いものですが、近年は技術の進歩や一風変わったアイデアにより、それ以外の業態においても、ドライブスルー運営が可能となっています。

例えば幸楽苑では、麺・汁・具材が分かれた専用の容器を用いることで、ラーメンのドライブスルーを可能にしました。今やドライブスルーはファストフード店の専売特許ではなくなり、あらゆる業態がチャレンジすべき戦略の一つになっていると言っても過言ではないのです。

飲食店以外の業界も続々ドライブスルービジネスを導入中

ドライブスルー 飲食店以外

ドライブスルービジネスといえばファストフードをはじめとする飲食店が中心でしたが、新型コロナウイルスの流行により非接触のドライブスルーに注目が集まり、他業界でも導入するケースが増えています。様々な業界に広がるドライブスルーマーケットの状況を紹介しましょう。

洗車機

飲食店以外の業界で古くからドライブスルーを導入しているものの代表として、洗車機があります。ガソリンスタンドなどに設置されているドライブスルー洗車機は、洗車メニューを選んでお金を入れれば3~5分程度で車を磨き上げてくれるというものです。誰にも会わず、自分で手を汚さず車を洗えるという手軽さから、多くのガソリンスタンドで導入が進んでいます。

PCR検査

新型コロナウイルス流行中ならではのドライブスルーとして注目を集めたのがPCR検査です。車でPCR検査会場へ向かい、乗車したまま検査を受けられるため、医療関係者以外の人との接触が起きず安心というメリットがあります。

薬局

調剤薬局でもドライブスルーが導入され始めています。車から降りずに薬を受け取れるため、他の患者と接触する心配がなく、待ち時間も自由に過ごすことができることが指示されています。子ども連れから高齢者まで、幅広いニーズに応えたサービスだと言えます。

葬儀

ドライブスルー葬儀がニュースで報じられて話題になりました。乗車したまま焼香できる葬儀スタイルで、身体の不自由な方や高齢者の方など、長時間の葬儀に参列しづらい方々でもお別れの場に参加できるというメリットがあります。

クリーニング

ドライブスルーと非常に相性がいいのがクリーニングです。かさばる衣類を車に積み、車から降りずに洗濯物のやりとりができるという気軽さが支持されています。通勤の途中や買い物の合間にもクリーニングの手配がしやすく、今後さらにニーズが伸びていく可能性があります。

車の点検

乗車したままタイヤやエンジンオイル、バッテリーなどのチェックを受けられる、ドライブスルー点検を導入する企業もあります。15分程度で手軽に実施できるため、定期的な車のメンテナンスにも最適だと好評のようです。

動物病院

病院が苦手なペット向けに、ドライブスルー式の受付を実施する動物病院も存在します。他のペットとほとんど接触しないため、院内感染を防ぐ効果もあり、ペットも安心して待機することができます。

生鮮食品

卸売市場などで野菜や果物、魚介類といった生鮮食品をドライブスルー形式で販売する企業も現れています。一般的なスーパーよりもお得に鮮度の高い食品を手に入れられるということで、消費者から高い支持を得ています。

質屋

店舗に足を踏み入れるハードルが高いことを逆手に取り、ドライブスルーを導入した質屋があります。大量のアイテムであっても、車から手軽に手渡すことができるというのもメリットです。

資材建材

木材や鋼材、セメントといった、手で持ち運ぶには難しい建材資材をドライブスルーで購入できるホームセンターも登場しました。売り場を車で巡回し、欲しい商品を車に積んだ後に会計することで、商品の持ち運びを最小限に抑えられます。

新規開業ではドライブスルー導入も視野に入れよう

ドライブスルー 新規開業

ドライブスルーは幅広い業界に広がり、顧客からの需要も高まっています。今後もさらに導入する業界が増えていくことが見込まれます。ドライブスルーを導入するためには、一定の設備費や人件費といったコストがかかりますが、スムーズかつスピーディな対応で顧客の待ち時間を短縮できるというメリットから、他社との大きな差別化を図れる可能性があります。新規開業を検討中の方は、ドライブスルー方式の導入も検討してみてはいかがでしょうか。

ドライブスルー 導入

記事は気に入っていただけましたか?
「いいね!」で応援よろしくお願いします

新着情報をお届けします♪