コロナ禍で20店舗増!卓上レモンサワーだけじゃない「焼肉ホルモンたけ田」のこだわり

テーブルに設置されているサーバーからセルフでレモンサワーを飲み放題できる「卓上レモンサワー」。そんな卓上レモンサワーにホルモン焼肉をかけ合わせたのが「焼肉ホルモンたけ田」です。コロナ禍の2021年3月にフランチャイズ展開をスタートすると、わずか1年で20店舗以上をオープン。コロナ禍にもかかわらず急成長を遂げています。
この記事では「焼肉ホルモンたけ田」をフランチャイズ展開する株式会社ミナモトの代表取締役・細田源太さんにインタビュー。コロナ禍の集客事情や人気の秘密などをお聞きしました。
30秒でわかる「焼肉ホルモンたけ田」

居酒屋と焼肉をかけ合わせた業態「焼肉ホルモンたけ田」の特徴は、なんといっても全テーブルに設置された蛇口レモンサワー®。60分500円(税込550円)で飲み放題できるだけでなく、セルフなので注文の手間や待ち時間がなくストレスフリー。スタッフとの接触も抑えられるので、コロナ禍にもマッチしたビジネスモデルとして注目を浴びています。さらに、焼肉メニューが1人前ほぼ380円(税込418円)と、リーズナブルな価格で本格的な焼肉が楽しめるのも魅力です。
2019年2月に関東ではじめて卓上レモンサワーと焼肉が楽しめるお店としてオープン。その後、2021年3月にフランチャイズ展開をスタートすると、2022年7月現在ですでに28店舗がオープンしています。

株式会社ミナモトの代表取締役。1979年7月生まれ。2010年に炭火焼き鳥店をオープン。その後、イタリアンバルやピッツェリア、和食居酒屋、仕出し弁当店などを続々とオープン。2019年には炭火焼き鳥店を業態変更し、「焼肉ホルモンたけ田」としてリニューアルオープン。瞬く間に人気を呼び、2022年7月現在で27店舗を展開中。趣味はバーベキュー。

コロナ禍でも蛇口レモンサワー®は好調!

コロナ禍で外食自体の回数は減っているとはいえ、みなさん家族などで外食に行きますよね。日本人の特性的に、たまの外食ではご褒美的な感覚で「焼肉」や「寿司」が選ばれることが多いんです。こういった背景もあり、外食が苦戦するコロナ禍でも、焼肉や寿司の業態はそこまで集客に影響を受けていません。

そうですね。とくに住宅立地の店舗では、週末だと半分くらいはファミリー客が占めることも珍しくありません。たとえば家族4人で来て、お父さんとお母さんは焼肉やホルモンをつまみにレモンサワーを呑み、お子さんは焼肉を食べる。家族4人で来ても1万円あればお腹いっぱい飲み食いできます。ほかの焼肉店と比べても、お手頃な価格帯というのが支持を集めています。

はい。1人前ほぼ380円(税込418円)ということもあり、お客さまからいただくアンケートには「子供たちに値段を気にせずいくらでも食べさせられて嬉しい」とお答えいただくこともあります。なかには、会計が終わったあとにレシートを見ながら「間違ってないよなぁ」と言いながら外に出ていくお客さまもいらっしゃいますよ(笑)。

そうですね。お支払いいただいた金額以上に体験価値を高められているのかな、と。弊社としてもそういった体験を目の当たりにし、「これは全国に広げるべきだ」という結論に行きついたんです。 スピード感を持って店舗展開していかないと同業他社も出てくるし、自社の資金だけでは難しい。そこで2021年3月にフランチャイズ展開をスタートさせました。
代表自らが語る、焼肉ホルモンたけ田の「3つの強み」とは


焼肉ホルモンたけ田の強みは、ズバリ「品質」「空間」「サービス」の3つです。「焼肉ホルモンたけ田」は、わたしの地元でもある埼玉県入間市に1号店をオープンさせました。ローカル立地であるエリアからスタートしたこともあって、地域で愛される“街焼肉”を目指しています。
そのためには、若い世代だけでなく、さまざまな年代の方にリピートしていただくお店にならないといけません。そこで必要になってくるのが、先ほどあげた「品質」と「空間」「サービス」です。「焼肉ホルモンたけ田」では、この3つで競合と差をつけています。


「焼肉ホルモンたけ田」ではお肉の品質にこだわりを持って提供しています。それができるのは、卓上サーバーの飲み放題やタブレットオーダーなどで、セルフ要素を追求した省人化によるものです。また、お肉も下処理された状態でお店に届くので、アルバイト中心の少人数でも十分にお店を運営できるように仕組み化しています。
その結果、通常の居酒屋では人件費率が28%前後かかるといわれているなか、「焼肉ホルモンたけ田」では人件費を18〜21%にまで抑えられています。

そうなんです。その分を「焼肉ホルモンたけ田」ではお肉に還元しています。もちろん同じような業態なら、同様に人件費を抑えられると思います。ここで差がでるのが、企業としてその最大10%をお肉の品質に還元するのか、またはそのまま利益にしてしまうのかです。

そうですね。徹底的にお肉の「品質」に還元しています。毎週、商品会議をしてより良い原料はないか、より良いお肉はないか、より良い取り組みはないかと検討を繰り返しています。 そのこだわりの一例ですが、本来ならお肉の取引先を一本化したほうがスムーズなのですが、レバーや小腸など、お肉の部位ごとに納得のいく取引先からそれぞれ仕入れているんです。


おっしゃるとおりです。それだけではありません。「焼肉ホルモンたけ田」では春と秋の年に2回、グランドメニューを変更しています。そのためにも直営店で毎月トライアルを繰り返し、お客さまの満足度をはかるのはもちろん、ちゃんと原価をコントロールできているのか、ビジネスモデルとして成立するメニュー構成なのかなどをテストしているんです。

はい。変更までには1次トライアルからスタートし、2次、3次トライアルを経てようやくリリースになります。人と時間もとにかく商品の「品質」に還元しています。お肉の「品質」こそが「焼肉ホルモンたけ田」の生命線でもあるので妥協できないんです。

店舗デザインは立地の特色に合わせて設計

たとえば、「焼肉ホルモンたけ田」のテーブルはほかの大衆焼肉店と比べてもサイズが大きいんです。また、椅子もクッションがあって座りやすかったり高さが最適だったり。細かいところも含め、「空間」にはかなりこだわっています。

あと、住宅立地にある店舗の場合はファミリーで訪れるお客さまも多いので、仕切りのあるボックスシートを設置したりしています。

はい。フランチャイズだから一律同じ設計ではなく、「繁華街型」「住宅立地型」「ロードサイド型」の3パターンに分けて設計しています。というのも、住宅立地ならボックスシートが好まれますが、逆に繁華街の場合はオープンなレイアウトで少しくらいガヤガヤしているほうが好まれますから。いくらチェーン店とはいえ、地域の方たちからしたら1軒の焼肉店ですよね。その街に最適化していきたいので、一律で同じ設計ではなく立地によって最適な設計にしています。

もちろんです。でも、せっかく「焼肉ホルモンたけ田」のフランチャイズに加盟していただくのですから、その街から愛されるお店を作り、何が何でも成功していただきたい。そのためにも手間を惜しまず、それぞれに最適な設計にしています。


はい。強みとはいうものの、「サービス」なんて飲食業では当たり前のことなんですけどね。気持ちいいあいさつをしたり、お客さまの顔や名前を覚えたり。特別なことではなく、地域の方たちから愛される個人のお店では当たり前にやっているようなことを、「焼肉ホルモンたけ田」でも全店で当たり前にやっていきましょう、ということです。

研修です。よく「笑顔で接客しましょう」とは言いますが、実際は自分が思っているよりも笑えてないんです。なので、研修初日は「焼肉ホルモンたけ田」における笑顔の定義やお客さまへのプラスワントークなどからスタートします。

はい。そのうえで、2日目からは店長だけでなく、アルバイトスタッフにも極力参加していただいて徹底的にロープレを繰り返します。もちろん、オープニングではなく中途で採用するアルバイトスタッフもいますので、その場合は、中途採用アルバイト向けのプログラムを受けていただきます。
作業ならある程度経験すれは誰でもできるようになりますが、「焼肉ホルモンたけ田」が重要視する“当たり前のことを当たり前にする”マインドはしっかりと入店時に研修しないと、ご満足いただける「サービス」を提供できませんからね。

そうなんです。「品質」や「空間」だけでなく、「サービス」も含めて満足いただくことが重要だと考えています。人と人がつながるからこそ、さまざまな年代の方が「焼肉ホルモンたけ田」のファンになっていただける。その結果、ほかの飲食店よりも客層が広く、来店動機もさまざまなので、ブームに左右されにくく地域に根ざした“街焼肉”としての地位を確立し、30年後も生き続けられると考えています。
“飲食を通じて関わる人をハッピーに”


2022年7月現在で27店舗がオープンしました。そのほか、26店舗がオープン準備中です。

ほとんどが法人で、8割が飲食事業を展開している法人、残りの2割が異業種の法人です。すでに居酒屋や焼肉店を経営している法人や、建築系、アミューズメント系の事業を展開している法人などに加盟いただいています。

弊社では、“飲食を通じて関わる人をハッピーに”を理念に掲げています。「焼肉ホルモンたけ田」を通じ、地域や家族、社員、ひいては自分自身でも構いませんので、関わる人をハッピーにしたいという志をお持ちの方に加盟していただきたいですね。
「焼肉ホルモンたけ田」の本部取材を終えて
コロナ禍にブームとなった卓上レモンサワーや焼肉酒場業態。しかし、単にビジネスモデルを真似するだけでは、うまくいかない飲食店が多いのも事実です。今回の取材を通じて、注目される焼肉酒場業態のなかでも「焼肉ホルモンたけ田」が成長を続けられている理由がわかった気がします。
細田代表の地元である埼玉県入間市で「幅広い年齢層の方にリピートしたいと思ってもらえるお店」としてオープンした「焼肉ホルモンたけ田」の第1号店。良くも悪くも噂はすぐに広まってしまう地方でスタートしている分、細田代表が失敗したくない思いは強かったはず。だからこそ、細田代表の思いが詰まった業態が出来上がった、そうひしひしと伝わってきました。
「いつか地元で店をもちたい」と考えている方は多いはずです。「焼肉ホルモンたけ田」であれば、飲食の経験を問わず開業できます。「地元を盛り上げたい」という思いが強い細田代表とともに、その夢を叶えてみてはいかがでしょうか。

10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。