フランチャイズで実現する効率的な人材育成の3つポイントを経営コンサルが解説
人材育成に人事評価……フランチャイズに加盟し事業を構築する場合、これらを一部アウトソースでできるということをご存知でしょうか?そういった意味で効率的なフランチャイズのシステムですが、フランチャイズを活用する場合におさえておきたい人材育成のポイントについて経営コンサルタントの浅野忍土氏に解説してもらいました。
店舗ビジネスにおける人材育成のポイント
フランチャイズ事業を中心に据え、事業展開を図るなかで、当然にして人材育成は重要な要素であります。そこで、フランチャイズビジネスだけでなく、店舗ビジネス、異業種から新事業に取り組まれる方々に対して、人材育成の基礎的なポイントに関して、3つお伝えしたいと思います。
1:会社のビジョンと成長の方向性を示す
2:どのようにすれば人事評価されるのか?努力の方向性を示す
3:密なコミュニケーションと適切な評価を実施する
ポイント1:会社のビジョンと成長の方向性を示す
基本的に店舗ビジネスであれば、将来的な店舗数やそれに対する必要な組織上の役割を示すことが重要となります。
まず会社のビジョンに関しては、例えばそのFCチェーンにおいて、No.1の店舗数になるだとか、ある特定の地域で複合的な業態で店舗展開するだとか、いろいろな切り口で目標を掲げることが可能です。
そうしたビジョンに対して、現場人材に対しては、今後どのような役割を望むのかを示すことなどが重要です。つまり現場人材に対して、成長の方向性を示す事も大変重要な要素です。
成長の方向性としては、ポイントが4つあります。
1.店舗責任者(店長)を目指させる。
2.地域責任者(エリアマネージャー)を目指させる。
3.事業部責任者を目指させる。
4.子会社社長、または本体役員を目指させる。
など、キャリアの方向性を示す事も可能かもしれません。
フランチャイズならば、同じチェーン内に必ず成功している企業が存在します。本部を通じて人材を紹介してもらうなり、加盟店が集まる会合で関係を持つなりして、成功企業の成功ノウハウをベンチマークすることが成長の早道です。フランチャイズは必ず同じ事業を行う仲間がいるのです。フランチャイズ本部だけでなく、加盟店同士でもノウハウを共有し合うべきです
ポイント2:どのようにすれば人事評価されるのか?努力の方向性を示す
単にビジョンや方向性を示すだけでなく、どのようにすればそれらを実現できるのか?各個人が明確に意識できなければなりません。
例えば、イチ現場人材が店長になるにはどのような能力が必要なのか、またどのような成果を出す事で評価されるのかを具体的に、定性的、そして定量的に示めされることが重要となります。いわゆる人事評価制度を明確に示す事が重要なのです。人事評価制度とは、言い換えれば人材に対して、努力の方向性を示したものと言えます。
人事評価制度はイチから作らずとも、本部で使用しているものを共有してもらうのが良いでしょう。
もし、本部がしっかりと人事評価制度を用意していないとのことなら、そもそも検討自体を考え直す事も必要です。フランチャイズとはコンサルティングであり、アウトソーシングです。本部が経営の一部を提供できるかどうか、しっかりと見極めなければなりません。
ポイント3:密なコミュニケーションと適切な評価を実施する
人事評価をせっかく作り上げても、評価に対して、人材が完全に満足することはありません。故に日頃からのコミュニケーションを密に取り、現場人材からすれば、ちゃんと見てくれているとの納得感のもとに、評価を実施する事が必要であります。この点でも、本部や加盟店で参考になりそうな取組みがあれば、どんどん吸収しなければなりません。
以上が人材育成における3つのポイントとなりますが、この3つのポイントを遂行する上で、企業として、そして社長としてのしっかりと哲学があること、そしてその哲学に基づき、一貫性のある遂行がなされる事が更に重要な要素なります。一貫性なき人材育成は成り立ちません。
常に経営者として、どんな考え、哲学を持って経営を行いたいと望んでいるのか、その点を明確にしながら、一貫性ある対応を行って頂きたいと考えております。