加盟検討中のFCショー来場者にフランチャイズのメリット・デメリットを聞いてみた
昨今コンビニを始めとし、なにかとネガティブな報道が多いフランチャイズ。100%成功が保証されたビジネスはないので、制約などデメリットも当然存在するでしょう。しかし、フランチャイズに加盟して開業することのメリットも数多く存在します。
フランチャイズ自体はビジネスを成功させる経営手法のひとつなので、デメリットと感じる部分を加盟側が少しでもポジティブな要素に変換できれば、メリットを教授しつつリスクを抑えて開業できるでしょう。
そこで、全5回のFCショー2019徹底取材シリーズの第1弾として、ウェブリポ編集部が「フランチャイズ・ショー2019」を訪れていた来場者に、フランチャイズ加盟のメリットとデメリットをどのように考えているのか、突撃インタビューしました。
在宅の仕事を探している子育て中の30代女性
時間を自由に使えるところが魅力的ですね。会社員とは違い、自分で事業をすれば働く時間などを自分で決められるのが、フランチャイズに加盟することのメリットだと感じています。
どのチェーンに加盟するかにもよりますが、初期投資のハードルを超えられるかどうかだと思います。個人で加盟しようと思った時に初期投資が高いとそれだけで障壁になりますね。
子育てをしながら在宅で働きたいという思いと、開業資金を抑えたいという考えから、店舗や教室を構えるビジネスはいまは加盟を考えていませんが、「コペル」や「やる気スイッチグループ」などの教育系が気になりました。
自分自身も勉強になるし、この子の教育にも活かせるので、ビジネスと子育ての両方の知識を得られたら一石二鳥ですからね。
オリジナルで居酒屋を経営している40代男性
パッケージ通りにやれば、結果が出るところですかね。すでにルール化されているので、未経験でも始められる。これがフランチャイズのメリットだと思います。
一から自分で事業を立ち上げるとなると大変ですが、メニュー開発をはじめとしたノウハウはすべて本部から受けることができます。
でも、逆にデメリットになることもあるんですけどね。
すでにみんなが知っているフランチャイズチェーンだと、もうイメージができ上がっているので差別化することは難しいかなって。
でも、そんなデメリットを上まわるのがフランチャイズのいいところ。早く軌道に載せたいならフランチャイズに加盟するのが近道ですね。
起業支援の事業を担当する法人の30代男性
ノウハウを提供してもらえる点です。弊社の顧客もはじめて起業する人が多いので、そんな人でもノウハウさえ提供してもらえれば起業できるのがフランチャイズのメリットだと思います。
契約期間の縛りがある点ですかね。
だいたいのフランチャイズは、5年や10年といった長期の契約を結ばないといけないじゃないですか。そうなると、最低でもその期間は十分な収益を上げられるくらいにビジネスモデルがしっかりしてないといけないですからね。
なので、一つの商品に固執しないビジネスモデルで考えています。例えばコンビニやファミレスは、定番の商品とともにそのときどきのトレンドになっている商品を入れ替えるなどしてビジネスを展開しているじゃないですか。そういうビジネスモデルであれば、何かがダメになった時でも安心してビジネスを展開できますからね。
フランチャイズ本部で勤める30代女性
開業までの流れが決まっていて、準備に時間を掛けずにすぐに始められる点ですね。
パッケージ化されているので、自由が効かないところですかね。
でも、中にはオリジナリティを出せるフランチャイズもあるんですよ。さっきブースで話をお聞きした『MORIHIKO(もりひこ)』っていうコーヒーチェーンは、「coffee & something」をコンセプトに掲げていました。
北海道でカフェを展開する本部さんなんですけど、加盟店のオリジナリティをプラスできるらしいんです。
たとえば、不動産屋を展開している法人であれば、接客などの際にMORIHIKOのコーヒーを提供するとか、書店なら本屋とカフェをどっちも行ったり来たりできるお店みたいなのを一緒に考えてプロデュースしてくれるみたいです。
[PR]副業からスタート
IT系の企業に勤める30代男性
メリットとしては、やっぱりある程度認知度があるっていうネームバリューじゃないでしょうか。
加盟後も、本部がPRをしたり加盟店が増えたりすることで、その知名度はどんどん上がっていく。一人(1店舗)ではなかなかネームバリューを高められませんが、総合力として考えるとやっぱりフランチャイズでの起業はメリットが大きいですよね。
ネームバリューが高い分、期待を裏切れないというのはありますよね。
看板を背負うわけですから泥を塗る行為はできないというか……。ここ最近、大手チェーン店の不祥事が相次いでいるじゃないですか。どこか1店舗でもそういう不祥事を起こすと、全体に迷惑をかけることになりますからね。なので、地道かつ真摯に店舗を運営していき、リピートにつなげていくしかないかなって思ってます。
沖縄で飲食店を営む30代男性
パッケージ化されているので、メニューや仕入先などを自分で考えたり探したりしなくていい点ですかね。
良くも悪くも本部次第だと思います。ちゃんとした本部もあれば、そうでない本部もある。せっかく安くはないお金を払ってフランチャイズに加盟するので、きちんとしたサポートを受けられるのはもちろん、十分な収益を上げられないと意味がないですからね。
じっさい本部の見極めは難しいです。なので、加盟する前に実際の加盟店のリアルな声を聞きたいですね。自信のある本部であれば会わせてくれるでしょうし、断られたらそれまでなんだなって感じです。
[PR]本部が仕事を紹介!営業不要ビジネス特集
個人でフランチャイズ加盟を検討する60代女性
ノウハウを享受できることかしら。起業した経験がないから、サポートを受けながら起業できるのはフランチャイズのメリットよね。
本部が脆弱(ぜいじゃく)だと心配よね。
規模感もそうかもしれないけど、フランチャイズに加盟して起業した知り合いがいたのよ。でも、加盟していたフランチャイズ本部がなくなっちゃって、しかたなく一人でやってるらしいの。
だから、加盟するならちゃんとした本部が運営しているフランチャイズがいいわよね。見極めが難しいけど、こうやって実際にフランチャイズ・ショーに足を運んで情報収集していくしかないわよね。
フランチャイズ関係の広告代理店に勤める30代男性
成功はもちろん、失敗も含めて本部のこれまでの経験やノウハウがパッケージ化されているので、ゼロからイチを作り出すよりもリスクを抑えて起業できるのがメリットだと思います。
例えば、法人で女性専用のフィットネスに加盟した場合、 女性のマネジメントのノウハウが必要とされますよね。でもそのノウハウがないのに、市場や将来性だけを考えて加盟してしまうケースもあると思います。ですので、メイン事業や従業員の特性などとの相性を考えて加盟するフランチャイズを決めないといけないかなって。
ただ、その失敗をメイン事業に活かすことができたら、それはそれでOKだと思います。いずれにせよ、それぞれで得たことをほかに活かすことができればいいですよね。
FCショー会場での取材を終えて
取材を終えて、加盟検討者のほとんどの方がメリットとして挙げていたのが「ノウハウを享受できる点」。これこそがやはりフランチャイズで開業することの大きなメリットの一つであり、異業種参入や未経験でも独立開業できるだけでなく、ビジネスを早く軌道に乗せることができると言われる理由でしょう。
一方、FC加盟のデメリットは「オリジナリティを出せない」「初期投資が高い」「差別化が難しい」「契約期間などいろいろ縛りがある」「看板の重さ(連帯責任)」「良くも悪くも本部次第」など、いろいろな角度からさまざまな意見が挙がりました。
加盟検討者であるFCショー来場者にインタビューに答えていただいたように、メリットもあればデメリットも当然存在します。そのどちらか一方に目を向けるだけでは真の価値は見いだせません。
フランチャイズだけが独立開業の選択肢ではない
FC加盟のメリットとデメリットを天秤にかけ、デメリットが払拭しない状態で加盟しては成功は遠のくでしょう。しかし、デメリットを予め理解しておけばポジティブな要素に変換していくことも不可能ではありません。
「メリットとデメリットを把握してこそ最良の選択肢になり得る」
フランチャイズ加盟のリスクを抑えるためにも、加盟前に納得のいくまで話を聞いてしっかりと検討しましょう。その検討の場として国内最大規模を誇る展示会「フランチャイズ・ショー2019」の会場からウェブリポがお届けしました。