ローソンのスーパー業態「ローソンマート」、2015年末に完全撤退か

フランチャイズWEBリポート編集部 |2015年02月20日 公開 (2021年11月19日 最終更新)
ローソンのスーパー業態「ローソンマート」、2015年末に完全撤退か

ローソンの小型スーパー「ローソンマート」。ローソンは他社コンビニと差別化をはかるため、新業態開発をはかっていましたが、同社の低価格コンビニ「ローソンストア100」とともに苦戦が強いられていたそうです。

ローソンマートとはローソンストア100の進化系

ローソンが小型スーパー事業に参入したというニュースは、フランチャイズWEBリポートのメルマガでも取り上げていました。

都市部のスーパーが少ない地域に出店し、108円(税込)で買える500mlペットボトルや、ローソンファームで育てた野菜、店舗調理のお惣菜、単身者向けの冷凍食品などを販売。また、コンビニエンスストアにも設置してあるATMや公共料金支払い、ゆうパックのサービスなども提供してきました。

東京・大阪・愛知などの都市部を中心に約40店舗展開。売り場の面積は、従来のローソン100の約2倍。コンビニエンスストアと同じ24時間営業。コンビニ機能を備えたミニスーパーと表現されていますが、大型のコンビニエンスストアのような印象でもありますね。

ただ、通常のローソンとは違って、ローソンストア100と同じ商品を置いているので、やはりローソンストア100の進化系と言えます。

ローソンマートは完全撤退、ローソンストア100は2割撤退

朝日新聞デジタルによると、食品などを主に100円で売っているローソンストア100の2割超にあたる約260店と、ローソンマート全39店を、2016年春までに閉めることをローソンは1月29日に発表したそうです。

ローソンストア100にいたっては、2014年12月まで31ヶ月連続で前年実績を割り込み、ローソンマートも当初目標として掲げていた“3年で500店舗”には遠く、現在約40店。

このような状況から撤退という決断にいたったと言えるでしょう。

コンビニより安く競合スーパーより高いという価格設定が敗因か

ローソンマートは、通常のコンビニよりも安めの値段設定にしていましたが、ここからが問題。イオンやマルエツなど競合のスーパー各社が、90円未満で500mlペットボトルを販売していたのです。

特にイオンが展開するミニスーパーのまいばすけっと。こちらもローソンマートと同じく都心部に展開。イオンのPB商品であるトップバリュの商品を多く販売しており100円を切る商品が多いのです。 対するローソンマートのPB商品は、バリューラインですが、こちらは税込108円。少し割高です。

ちなみに、まいばすけっとには、24時間営業ではなくコンビニにあるような公共料金支払いなどカウンター周りのサービスがないようです。つまりオペレーションがシンプルな分、価格を下げられるということ。(もちろん、イオングループのスケールメリットを活かした共同仕入れなども強いのだと思いますが)

そうした競合がいる中で、コンビニよりは安いけど競合よりは高いという中間の値段設定がおそらく敗因ではないかとあらゆるメディアではささやかれています。

まいばすけっとはスーパーマーケットとしての特性が強く、ローソンマートはコンビニエンスストアという枠から抜け出せなかったとも言えるかもしれません。

スーパー事業の次は、健康と介護に特化したコンビニ事業にシフト

ローソンは調剤薬局3位のツルハHDと提携し、大衆薬や日用品を取り扱う薬局型のコンビニを展開すると1月27日に発表していました。

スーパー事業の次は、健康・介護コンビニ。ケアマネージャー常駐や血液検査などのサービスも導入されるという新たな試みも広がることでしょう。

ドラッグストアの複合店といえば、コンビニ業界では競合のファミリーマートもさかんですね。(ファミリーマートがコラボするヒグチ産業は、大阪と東京中心に調剤薬局を展開しています)

ただ、ファミリーマートの場合、他にも様々な業態とのコラボ店舗が多いのが特徴ですね。 カラオケに定食屋、JAなど。あとはスーパーマーケットチェーンのイズミヤとのコラボ店舗も。 他社の特性を活かした企画づくりに長けているのがファミリーマートの印象です。

対する業界トップのセブン-イレブンは、コンビニ単体の店舗を展開することに特化していますし、業界二位のローソンはそこにどう追いつくのか、2015年も目が離せません。


ローソンのスーパー業態「ローソンマート」、2015年末に完全撤退か

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