2015-04-17 小説で起業ノウハウを学ぶ!FCビジネス起業物語
フランチャイズ研究会 中小企業診断士&1級販売士
若林和哉 |
フランチャイズ研究会執筆『フランチャイズでラーメン店に業態転換。そして多店舗展開へ』
加盟決断、いざラーメン店開業へ!
起業物語の登場人物
中田慶介(28歳) 地元の神奈川県の高校を卒業後、父である浩(63歳)の居酒屋を手伝っている。独身。
「ここのラーメンは不味くはないけど、あまりメニューに特徴がないな・・・。」
慶介はこの1週間、昼食を中心にほぼ毎日ラーメンを食べていた。HPや取り寄せた資料を見ながら、必要資金と出店地域で条件に合致する本部があれば、実際に店舗に足を運び、まずは利用客の目線で判断をしていた。そしてこれはと思うラーメン店の本部の説明会に申し込んだ。
その結果、3つの本部に絞り込んでいた。
ヘルシー志向のあっさりラーメンで女性誌などでも取り上げられている、フランチャイズ展開を始めたばかりのA社。
醤油・みそ・塩・豚骨と各種の味を揃えて、ファミリー需要をうまく取り込んでいる大手のB社。
こってりした九州豚骨ラーメンにこだわり、最近関東でも店舗数を伸ばしている、男性客に人気の老舗C社。
慶介と浩はこの3社の説明会に参加することにした。
説明会では、経営理念の説明からはじまり、収益モデルの説明や、資料には書かれていない最新情報についても説明があった。収益モデルや加盟金には各社多少の差があったが、一番初期投資が大きくなるB社は2人にとって加盟が厳しいと思われる金額であった。
説明会に参加して最新情報を聞くことでわかったこともあった。B社は既存店では駅前の店舗が数多くあるものの、現在は郊外型の大型店舗の出店を増やしているとのことだった。
また、C社は慶介の店舗の最寄駅の反対側に出店する予定があることもわかった。
一方、これからFC店舗を増やそうとしているA社は近隣の出店の予定もなく、現在の店舗の広さも問題なく展開できそうなビジネスだった。
「A社にするか、他の本部をもう一度調べるか・・・」
2人は悩んだが、これからフランチャイズビジネスとして伸びそうなA社はぜひ加盟したいと思える本部だったので、本部訪問を申し込むことにした。