![]() |
2014-12-27 小説で起業ノウハウを学ぶ!FCビジネス起業物語
フランチャイズ研究会 中小企業診断士
池田安弘 |
フランチャイズ研究会執筆『買取ビジネスへの挑戦・夫婦で取り組むセカンドキャリア』
経営者の覚悟と本部選び。そして事業開始

起業物語の登場人物
山本真一(54歳)、妻洋子(49歳) 東京の中堅商社に勤務。定年は60歳だが「体力に自信のある間にもう一度何かにチャレンジしたい」と考えるようになった。 これまでは仕事中心の生活で特に妻に負担をかけてきたので、これからは出来れば妻と一緒に働ける事業が出来ればと考えている。
山本真一と洋子夫妻は商工会議所の創業相談を担当する経営コンサルタントのY氏からアドバイスを受けながら、FC本部が開催する事業説明会に参加したり、実際の買い取り店舗を訪問したりすることを繰り返し大量の資料を集めた。いろいろな本部から集めてきた資料を持って、二人は5月の中旬に再度Y氏に相談することにした。
「個人で買い取り事業をスタートすることが現実的では無いことがよく分かりました。でも、どの本部も同じような説明で、どれを選べば良いのか判断が付きません。A社、B社、C社の中でどれが良いでしょうか?」と真一がY氏にたずねた。
Y氏が厳しい顔で言った。「これから事業を始めようとする山本さんが、事業家として最初の意思決定をしなければなりません。私はコンサルタントとしてアドバイスは出来ますが、山本さんに代わって意思決定をすることは出来ません。それは経営者の神聖な職務であり、誇りだと思います。どうすれば良いか答えが欲しいのであればコンサルタントでは無く占い師にたずねるべきです。」
「もう一つ、自分の事業上の決断について自分で決められないのであれば、経営者としての一番大切な資質に欠けます。今からでも遅くありませんから、開業は自信をもって決断を下せるようになるまで、おやめになるべきではありませんか?」
山本真一と洋子は親しみを感じ始めていたY氏からの思いがけない厳しい言葉に顔を見合わせた。
「言い方が悪かったようです。私たちは一緒にいろいろな本部の話を聞き、実際にお店を回るうちにこのビジネスは将来性があるということを再確認しました。このビジネスをフランチャイズに加盟してスタートしようということはもう二人で決めたことです。でも、どんな基準で本部を選ぶべきか、話を聞けば聞くほど分からなくなってきたんです。」しばらく考えていた真一がY氏に言った。横でうなずく洋子。
「それでは、今日は二つのことをお話ししましょう」とY氏がいつもの穏やかな口調で話し始めた。
「一つは、“ポジショントーク”ということです。それぞれのFC本部の営業担当者は山本さんに対して、自分のところに加盟していただくような立場で話をします。これがポジショントークです。都合の悪いことは言わない。自社がよく見えることはクローズアップして話す。リスクは小さめに表現し、期待利益は多少オーバー目に話す。これは、彼らの置かれたポジションから見れば当然のことです。今の山本さんは、ポジショントークに惑わされている状態ですね。これは、事業を始めてからも起きることですから注意する必要があります」
