コロナ禍で低迷する外食市場で圧倒的強さを誇る「かつや」とは

フランチャイズWEBリポート編集部 |2021年07月27日 公開 (2021年10月19日 最終更新)
コロナ禍で低迷する外食市場で圧倒的強さを誇る「かつや」とは

東京オリンピックを間近に控えた2021年6月現在も、全国では新型コロナウイルスの猛威は衰えず、多くの飲食店が厳しい状況に立たされています。最近では、飲食店が新たに中食業界に進出するケースも見られますが、競合店が多い現状で、ただ中食を展開するだけでは成功は厳しいでしょう。

今回はコロナ禍の中食で注目を集めたかつやについてご紹介いたします。成功した企業から成功のカギを学ぶことで成功への道が開け、リスク回避に繋がるでしょう。

コロナ禍で外食チェーン店はどう変わった?

コロナ禍で外食チェーンは変化

まずはコロナ禍で外食業界がどのように変わったのかについてご紹介いたします。

売り上げへの影響

帝国データバンクが公開した2020年5月に発表した「上場企業(外食産業)の月次売上高動向調査」によると、上場企業(外食産業)7割の売上が5割以上の減少があったと報告されています。 現在は中食業への進出もあり、売り上げが回復している企業もありますが、2021年3月でも前年同月よりも売上が減少した企業は58%を超えるとされており、未だに厳しい状態が続いています。

大手企業でも自己資産は減少

売上が回復しつつある企業でも、自己資産が減少しているケースがあります。東洋経済では自己資本増減ランキングを発表しており、1位のロイヤルホールディングスではおよそ300億円もの減少がありました。

店内飲食をメインに提供していた店舗は閉店したところも少なくなく、今後も店舗数の減少が危惧されます。

店内のコロナ対策

現在は営業している飲食店では客席の距離や、アクリル板の設置が求められています。また、頻繁に換気を行うことや、店内の消毒が求められており、コロナ対策への出費が多く必要とされました。飲食店の規模によってはコロナ対策への出資が非常に大きくなり、経営への負担になる場合もあります。

なぜかつやはコロナ禍でも経営に成功した?

かつやはコロナ禍でも経営に成功

ご紹介してきたように、多くの外食店は厳しい状況が続いています。しかし、かつやは2020年1月から9月までの売上が前年比で110%と高い利益率を達成しています。なぜかつやの経営が軌道に乗っているのでしょうか。

コロナ禍におけるかつやの売上

2020年1月から9月までの売上が平均で110%を超えているとご紹介しましたが、特に7月から9月までの売上は120%を超えています。

先述でご紹介したように、大手外食企業が売り上げのマイナスを出している中で高い利益を出していることが分かります。唯一4月に前年同月比からマイナスになっていますが、大手外食企業の7割に比べると非常に少ないマイナスにとどまっています。

複数の提供形態による成功

かつやがこれほど高い利益を出すことができたことの理由として、テイクアウトやデリバリーといった中食に力を入れていたことが挙げられます。

店舗の外にもテイクアウトののぼりを立てるほか、CMや広告でも中食のアピール活動を積極的に行っていました。現在もテイクアウトの実施店舗を増加させており、より早く新生活様式にマッチした店舗運営を行ったことが大きかったと考えられます。

立地による成功

現在かつやは日本全国で425店舗もの展開を行なっています。日本以外には中国や韓国、タイなどにも出店をしており、現在も国内外問わず店舗数を増加しています。日本ではかつやの多くの店舗は都市部ではなく郊外にあります。

繁華街やビジネス街は本来、飲食店にとって利用客を獲得しやすく、安定した収入を得るための場所とされていました。しかし、コロナ禍において観光客の減少や、リモートワークが増加したことにより、都市部の飲食店は大打撃を受けることになります。郊外では都市部ほどコロナの影響を受けにくく、被害が小さく済んだことも大きいのではないでしょうか。

独自サービスによる差別化

かつやでの有名なサービスの一つに「100円クーポン」が挙げられます。かつやは1度利用すると、会計時に次回利用時に使える100円クーポンが発行されます。かつやのもっともリーズナブルなメニューなら、クーポン券を使うとワンコインで食べることができます。

このクーポンは2カ月の期限がありますが、利用するごとに発行されるため継続して利用することでメニューが常に100円引きの状態で注文することができます。

ほかにもお得なメニューや定期的なセール企画を提供していたりと、消費者が何度でも利用したいと思えるような店舗づくりに成功しています。

コロナ禍でも売り上げ増!「かつや」とは?

とんかつの写真

コロナ禍でも経営を成功させているかつやとはどのような飲食チェーン店なのでしょうか。こちらでかつやがどのような外食チェーン店なのかをご紹介いたします。

かつやを運営する会社

かつやは「アークランドサービスホールディングス株式会社」によって運営されています。同社はかつや以外にも江戸前天丼はま田、唐揚げ専門店のからやま、タイ料理のmango treeなどを展開しています。様々な業態で飲食店を展開しており、飲食業界の豊富なノウハウがあります。

親会社はホームセンタームサシを展開するアークランドサカモト株式会社で、外資産業を子会社にもつ会社です。

かつやはどんな飲食チェーン店?

かつやはとんかつ専門店で、揚げたてのとんかつを定食やかつ丼として提供しています。とんかつ専門店の客単価は全国平均で1,000円ほどですが、かつやでは700円台とかなりリーズナブルです。「とんかつは元気になれる食事」として、働く人を応援するために手軽でいつでも食べられることを目標としています。

とんかつ・かつ丼市場におけるシェア率は全国でおよそ6割とされており、もっとも高い東海エリアでは9割近いシェア率を誇ります。

かつやの提供するメニュー

かつやでは16種類のかつ丼(カレー含む)と、11種類のかつ定食、ほかにサイドメニューとして汁物などをメインに提供しています。

もっともリーズナブルなかつ丼(梅)とソースかつ丼(梅)はなんと税込み539円という価格になっており、かつ丼のファストフードとして広く支持を集めています。

かつやのこだわり

かつやでは良質な豚肉を北米から仕入れており、国内の指定工場でカットされた後に熟成期間を経て各店舗に卸しています。とんかつは各店舗の厨房で挙げているため、いつでも揚げたてでサクサクのおいしいとんかつを味わうことができます。

かつ丼に欠かすことができないお米はこだわりの国産米、かつ定食に添えられているキャベツは指定農場の朝採れ。価格だけではなく食材へのこだわりも非常に高いのが魅力といえるでしょう。

コロナ禍で外食業を成功させるに「かつや」を参考にしてみよう

飲食店の知識が豊富な大手ですらコロナ禍の業績に苦しむ中、これから新たに飲食業界へ進出することは難しいと考えている方が多いかもしれません。しかし、新生活様式にマッチした、独自性のある飲食店であればかつやのように成功することも不可能ではありません。

もしこれから開業に不安を感じているのであれば、コロナ禍でも成功を収める企業を参考にしながら、経営について学んでみてはいかがでしょうか。

また、かつやはフランチャイズ展開をしているので、加盟を検討してみるのもいいでしょう。

コロナ禍で低迷する外食市場で圧倒的強さを誇る「かつや」とは

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