FC加盟の成功経験を活かして自社ブランドを開発!5つのフランチャイズを展開するサンパークとは?

フランチャイズWEBリポート編集部 |2022年01月09日 公開 (2024年07月26日 最終更新)
髙木珈琲のフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

フランチャイズの加盟店として、国内外に65店舗ほどの店舗を運営する「株式会社サンパーク」。一方で、オリジナルブランドをフランチャイズ展開するなど、フランチャイズ本部としての顔も併せもちます。

本記事では、前編に引き続き株式会社サンパークの髙木 健 代表取締役にインタビュー。オリジナルブランドの特徴や競合との優位性、そしてフランチャイズ加盟店としての経験をどう自社ブランドに活かしているのか、今後の展開などについてお聞きしました。

メガフランチャイジーが本部として手掛けるフランチャイズ

──前編ではフランチャイズ加盟店のお話についてお聞きしました。後編ではまずサンパークがフランチャイズ展開しているブランドについて深堀りしていきたいと思います。それぞれのブランドの特徴を教えてください。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

現在、サンパークがフランチャイズ展開しているのはすべて飲食系のブランドです。まず、「ベルヴィル」は大阪・梅田で30年愛されていた喫茶店を一新し、パンケーキ専門店としてリニューアルオープンさせました。

プルプルふわふわなミルフィーユパンケーキが看板商品で、2020年にはレストランの一皿に対する口コミを中心としたグルメコミュニティサービスが主催するグルメアワード「SARAH JAPAN MENU AWARD2020」の関西・パンケーキ部門で至極の一品に選ばれました。

ミルフィーユパンケーキが「ベルヴィル」の看板メニュー
ミルフィーユパンケーキが「ベルヴィル」の看板メニュー
──パンケーキブームで専門店も増えましたが、そのなかで関西とは言え部門一位に選ばれるのはかなりの快挙ですね。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

ありがとうございます。色々な飲食をやってきているので商品力に自信があって、マジカレーでは「神田カレーグランプリ2018」において出店7ヶ月でグランプリを受賞しました。こちらは、これまでで最短での受賞と聞いています。

神田カレーグランプリにおいて創業7ヶ月でのグランプリ受賞は過去最速
神田カレーグランプリにおいて創業7ヶ月でのグランプリ受賞は過去最速
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

ちなみに、神田カレーグランプリというのは“日本最大級のカレーの祭典”と言われているほどで、エントリー総数は400店舗ほど。そのなかでグランプリをいただけるとは思ってもみなかったので、私自身とても驚きました。

行列ができるほどの人気を誇る「マジカレー」
行列ができるほどの人気を誇る「マジカレー」
──神田といえばカレーの激戦区ですもんね。カレー好きならずとも注目している大会なので、認知度もかなり上がったでしょうね。「カルビ火山」についても特徴を教えてください。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

カルビ火山」はカルビ丼と火山うどんが看板商品で、自家製のタレを使った牛カルビ丼は並盛り490円でありながら、注文後に直火焼きしたうえで自家製のタレに絡めてからご提供しています。火山うどんは石鍋を使った熱々の煮込みうどんで、どちらも手作りにこだわっています。

2020年に1店舗をオープンし、2021年12月現在は2店舗を展開中です。2022年3月には3店舗目をオープンするので、続々と出展していくことになります。今はすべて直営店ですが、フランチャイズでの展開を想定しており加盟店を募集中です。

低価格でありながら、こだわりが存分に込められている
低価格でありながら、こだわりが存分に込められている
──カルビ丼もうどんも日常食なので、コロナ下でも集客は安心できそうですね。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

そうですね。テイクアウトやデリバリーにも対応しているので、コロナ下にもマッチしたフードビジネスだと考えています。

髙木珈琲」も2020年にスタートした新しいブランドで、現在は2店舗を展開中です。自慢の自家焙煎した香り高いコーヒーはもちろん、「ベルヴィル」のパンケーキや「マジカレー」のカレーもご提供しています。

ちなみにフランチャイズ加盟した場合は、「髙木珈琲」の「髙木」の部分をオーナー様の苗字に変更してオープンすることもできます。

「髙木珈琲」もグランドオープン時には行列ができるほどの人気
「髙木珈琲」もグランドオープン時には行列ができるほどの人気
──ということは、鈴木さんなら「鈴木珈琲」、田中さんなら「田中珈琲」としてオープンできるんですね。フランチャイズなのに店名を変えられるとなると、加盟店としても愛着が湧きそうですね。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

はい。最後の「マイクックカー」はキッチンカーのフランチャイズで、「ベルヴィル」のパンケーキや「マジカレー」のカレーなど、サンパークのヒット商品などをキッチンカーで販売していただきます。

「マイクックカー」の特徴は自由度の高さです。通常、キッチンカーのフランチャイズと言えばクレープやベビーカステラ、メロンパンなど、一つの商品に特化して販売しているところが多いですよね。一方、「マイクックカー」はたとえば「パンケーキとカレーの両方」や「パンケーキだけ」「カレーだけ」など、扱う商材を自由にカスタマイズできるのが特徴です。

キッチンカー
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

キッチンカーながらサンパークブランドの看板メニューを取り扱えるなど、商品力が高く競合との差別化も可能なんです。

──すでにキッチンカービジネスをしている方が、たとえば「マジカレーを販売したい」という場合も加盟できるのでしょうか。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

もちろんです。その場合、キッチンカーを新しく買う必要はなく、すでにお使いのキッチンカーにプラスで「マジカレー」を販売していただきます。

──コロナ下になって新たにキッチンカービジネスを始める方が増えている一方で、基本的にどこも軽食系のメニューが中心になるので、差別化できるメニューを開発できずに苦戦しているという方も少なくありません。そんな方たちの一助にもなりそうですね。

加盟店経験を活かした、加盟店に寄り添うフランチャイズ

──フランチャイズ加盟店でありながらフランチャイズ本部でもあるなど、他のフランチャイズ本部にはない一面を持っているのがサンパークの強みだと思います。加盟店としてのノウハウはどう活かされているのでしょうか。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

おっしゃる通り、自社ブランドをフランチャイズ展開するうえで、加盟店としての経験は大いに役立っています。

我々はフランチャイズ加盟店として65店舗以上を運営しているので、フランチャイズ加盟店の気持ちが分かるんです。なので加盟店の意見はよく聞きますし、とてもフレキシブルなフランチャイズパッケージだと自負しています。

サンパーク 代表取締役 髙木健
──フレキシブルとは、具体的にどのような内容でしょうか?
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

先程の「マイクックカー」のメニューなどを自由にカスタマイズできる件もそうですが、施工や仕入れの業社などは、本部として指定することはなく加盟いただいたオーナー様に自由にお選びいただいています。

もちろん、業者とのツテがないオーナー様にはご紹介しますが、たとえば店舗設計に関しては基本コンセプトさえ守っていただければ、施工業者は自由にお選びいただいて構いません。また、仕入れも基本のタレなどは本部指定のモノを使っていただきますが、それ以外の生鮮食品などは自由に仕入れていただいています。

──フランチャイズ本部のなかには施工や仕入れの業者を指定し、中抜きして大なり小なり利益を得ていることも少なくないので、自由に業者を選定できるようにしているのは、加盟する側として選択できる以上に安心感がありますね。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

そうだと思います。もちろん、加盟店様が収益を得ていただくことが前提ですので、メニューの値段設定などもフランチャイズ展開をする前提で決めています。

というのも、フランチャイズに加盟するとロイヤリティなどを本部に支払う必要がありますよね。なので、直営店だけのビジネスモデルと、フランチャイズ展開をするビジネスモデルではいろいろと変わってくるんです。

──フランチャイズに加盟するとロイヤリティの他、システム利用料や広告協賛金など、フランチャイズ特有の支出が発生しますからね。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

はい。なので、それらを含めても加盟店が十分な収益を上げられるように総合的に計算し、パッケージ作りをしています。

また、加盟しているフランチャイズのいいところは参考にさせていただいています。たとえば「丸源ラーメン」をフランチャイズ展開する物語コーポレーションは、店舗のモチベーションアップシステムが非常に優れていて。教育方針や朝礼などは、「丸源ラーメン」に限らず他に加盟しているフランチャイズの運営店舗でも、物語コーポレーションのやり方を参考に取り入れるなどしています。

加盟店として得たノウハウを自社のフランチャイズにも落とし込む
加盟店として得たノウハウを自社のフランチャイズにも落とし込む
──多くのフランチャイズに加盟しているので、さまざまな本部のいいところを取り入れられるわけですね。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

そうですね。さまざまなフランチャイズに加盟してきましたが、やっぱりいい本部とそうでない本部があるんですよね。なので、いい本部のいいところは積極的に取り入れ、悪いところは反面教師として改善に役立てる。これもサンパークの強みのひとつだと考えています。

──加盟店側としては、加盟店の気持ちがわかる本部ということで安心して加盟できますね。また、複数のブランドをフランチャイズ展開しているので、加盟店が事業を横展開しやすいのも御社のフランチャイズに加盟するメリットだと想定しています。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

おっしゃる通りです。たとえば「マジカレー」の加盟店が、「カルビ火山」に加盟してデリバリーを強化することもできます。

──そうしてノウハウを吸収し、貴社のように加盟店から本部にステップアップする企業も出てきそうですね。

国内はもちろん、より海外に力を入れて展開予定

──2021年10月に開催された「フランチャイズ・ショー大阪2021」に出展していました。大阪では初となるフランチャイズショーでしたが、反響はいかがでしたか。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

サンパークでフランチャイズ展開している5ブランドの総合ブースとして出展したんですが、予想していたよりも多くの方がブースを訪れました。初日は80組ほどにお越しいただきました。

キッチンカーもレイアウトするなど、巨大ブースで出展していた
キッチンカーもレイアウトするなど、巨大ブースで出展していた
──1日で80組はかなりの数ですね。どういう方がブースを訪れましたか。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

全体としては法人の方が多かったんですが、「マイクックカー」に関しては個人の方が多かったですね。

──キッチンカーは店舗を構えずに開業できるので、すでにブランディングされた「マジカレー」のカレーや「ベルヴィル」のパンケーキを商材として扱えるとあって、脱サラなど独立を検討している方からの注目は高そうですね。最後に、今後の展開について教えてください。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

今後は海外展開により力を入れ、最終的には店舗数、売り上げともに海外が国内を上回る計画で進めています。

現在はアジアを中心に海外展開していますが、今後は「ベルヴィル」「マジカレー」などの業態を北米で展開する予定です。すでに話は進んでいて、2022年3月にロサンゼルスで「マジカレー」がオープンを予定しています。

──よりグローバルに展開していくわけですね。
髙木珈琲のフランチャイズWEBリポート編集部

髙木社長

はい。また、今後は「食」に限らず事業を展開していく予定で、セルフ脱毛サロン「K9(ケーナイン)」をはじめ、美容系の業態も国内外でオープンしていく計画です。

以前、ホテルマンとして働いていた経験もあるので、今後は露天風呂付きのヴィラなんかも国内外でオープンできたらと考えています。

──ありがとうございました。

サンパークの取材を終えて

1992年にフランチャイズに加盟し、その後も多くのフランチャイズに加盟してきた「サンパーク」。そのノウハウを活かし、今から20年前にはオリジナルブランドの開発に着手し、フランチャイズ展開もしています。

加盟店としてさまざまなフランチャイズを経験したからこそ分かる、いい本部とそうでない本部の違い──これこそがサンパークの強みであり、それをしっかりと自社ブランドに落とし込み、加盟店に寄り添ったパッケージづくりをしていることが伺える取材でした。

フランチャイズ選びはビジネスパートナーである本部の体質も重要な要素です。フランチャイズ加盟を検討している方は、高い商材力に加え、フランチャイズ加盟企業として成功を収めている貴重なフランチャイズ加盟の頼れる兄貴分、サンパークのブランドにもぜひ注目してみてください。


髙木珈琲のフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

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