製鋼業から異色の飲食事業へ!「0秒レモンサワーときわ亭」に惚れ込んだ社長を取材

幸谷 亮 |2022年09月11日 公開 (2024年10月24日 最終更新)
製鋼業から異色の飲食事業へ!「0秒レモンサワーときわ亭」に惚れ込んだ社長を取材

全テーブルに設置された“卓上レモンサワー”で大きな話題を呼んでいる「0秒レモンサワー仙台ホルモン焼肉酒場ときわ亭(以下、ときわ亭)」。2019年に1号店がオープンすると、2年間で50店舗を新規出店するなどコロナ禍にも成長し続けるビジネスとして大きな注目を集めています。

この記事では、2022年9月から10月頃に「ときわ亭なんば千日前店」をオープン予定の株式会社 光伸重機工業・高山代表にインタビュー。いわゆる現場系の事業を展開する同社が事業の多角化を検討したきっかけや、異業種である「ときわ亭」のフランチャイズに加盟した理由などをお聞きしました。

30秒で分かる「ときわ亭」

ときわ亭 0秒レモンサワー

ときわ亭とは、テーブルに設置されたサワーサーバーからセルフで注ぐ“0秒レモンサワー”が人気の焼肉酒場のこと。名物の塩ホルモンや“肉塊”レモン牛たんなど、本格的な焼き肉をリーズナブルな価格で楽しめることもあり、2021年には「外食アワード2021」を受賞。老若男女を問わず人気を博しています。

ビジネス面でも、タッチパネル注文や卓上レモンサワー設置によるセルフ化などで省人化を図って高利益率を実現。スタッフとの接触の機会も減るためコロナ禍にマッチしたビジネスとして注目を集め、全国でフランチャイズ加盟店を増やしています。

大手製鋼所の協力会社がときわ亭に加盟

──飲食未経験ということですが、まずは「株式会社 光伸重機工業」の事業内容から教えてください。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

基本的には鉄を扱う会社で、簡単にいうと現場系の事業になります。チョコレートでたとえるなら、売り物にならないチョコレートを集めてきて、さまざまな調味料を入れてよりおいしい板チョコを作る。それの鉄バージョンと考えていただくと、少しはご理解いただけるかもしれません。

──なるほど、どのような事業をされているのかイメージしやすくなりました!ありがとうございます。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

大阪府大阪市にある大手鉄鋼メーカーの協力会社の1つとして、30年以上にわたって仕事をさせていただいています。

もともとは父親が1985年に個人事業主としてはじめた事業なのですが、2008年に脳出血で倒れてしまって。経験も何もないわたしが2代目として事業を引き継ぐことになったんです。それが2010年のことでした。

「年商10億を稼ぐ未来が見えず」事業の多角化を決意

──新規事業を立ち上げた経緯を教えてください。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

売上は年々伸びていたので悪くはなかったのですが、2018年と2019年の売上が前年と比べて少ししか伸びていなかったんです。そこで感じたのが、これで頭打ちなのかなって。弊社がご協力させていただいている大手製鋼メーカーのなかにはたくさんの協力会社があって、なかには年商10億を稼ぐような会社もあります。ただ、弊社がこのまま既存の事業だけを展開していても、10年後や20年後に年商10億を稼いでいる姿がイメージできなかったんです。

──今は良くても、将来のことを考えると新規事業を展開する必要があると感じたんですね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

そうですね。

不安というよりも、このままではおもしろい未来が想像できないなって。代替わりをしてからずっと将来のことを考えてはいましたが、成長率の鈍化をきっかけに同業種と異業種の2軸で新規事業について考えるようになりました。

──同業種の場合、たとえばどのような事業を検討していたのでしょうか。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

さまざまありますが、たとえばスクラップを買い取って加工を施してから販売する事業だったり、トレーラーで鉄クズを運ぶ運送系の事業だったり。こういった事業なら既存の事業の横展開でもあるので、フランチャイズなどではなくオリジナルでスタートできたと思います。

──異業種だとどのような事業を検討していたのでしょうか。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

いろいろ調べているなかでフランチャイズでの異業種参入に興味を持ったので、さまざまな業種を検討しました。飲食事業がメインでしたが、勉強の意味も込めて買取専門店やハウスクリーニングなどのフランチャイズ事業説明会にも参加しましたね。

──なかにはフランチャイズに対してネガティブな印象を持つ人もいます。高山代表はどのような印象をお持ちでしたか。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

良くも悪くも経営者次第ですよね。フランチャイズに限った話ではなく、ビジネスには光と闇のふたつの側面がありますから。なかには、フランチャイズ全体に対して「本部ばかり儲けやがって」とネガティブに捉える人もいると聞いています。

ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

でも個人的な意見としては、本部が元気だからこそ加盟店も元気でいられるのかなって。なかには、加盟金目的のフランチャイズ本部が存在することも聞いていますので、きちんと情報収集したうえで加盟する必要があると感じています。

──失敗の確率を下げるためにも、情報収集が必要なんですね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

はい。わたし自身、フランチャイズに関しては無知で、何が正解か不正解かも分かりませんでした。なので、その良し悪しを知りたいと思って、さまざまなフランチャイズ本部のオンライン事業説明会に参加したりしましたね。
それと平行して、2021年10月に個人事業を法人化して「株式会社 光伸重機工業」を立ち上げました。

「ときわ亭」のエンタメ性・味・リーズナブルさに感動!

──同業種と異業種の2軸で検討していたとおっしゃっていました。そんななか、フランチャイズで新規事業を立ち上げた理由を教えてください。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

いくつかありますが、単純に“食”に関わる事業に携わりたかったから、というのが大きいですね。というのも、いまは子供が5人いて自宅にいることがほとんどですが、昔から食べ歩いたりするのが好きなんです。それが大きなきっかけにはなっています。

お子さんを抱っこする高山代表
──「好き」というのは重要な理由ですよね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

そうですね。あと、学生時代にハンバーガー店でアルバイトをしていたんです。調理や接客もなんとなく「できるだろう」と意気込んではじめたのですが、じっさいにやってみるとまったくできなくて。でも、先輩から指導を受けながら少しずつ上達するのがすごく嬉しかったんですよね。この経験は今でも覚えていて、それで飲食系フランチャイズの事業説明会をメインに参加していました。

──ハウスクリーニングや買取専門店などの説明会にも参加したとおっしゃっていました。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

情報収集の意味合いが大きいですね。少しでも気になったらとりあえず説明会に参加する。ネットでいろいろな情報が手に入りますが、何が本当かなんて分かりませんよね。まずは行動あるのみだなってことで、正しい情報を得るためにも説明会に参加して、直接話を聞いていました。ただ、ハウスクリーニングや買取専門店は気になる程度で、検討レベルには達しませんでした。

──情報収集の一貫ということですね。では、飲食のなかでも、「ときわ亭」に決めた理由を教えてください。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

飲食ブランドは合計で5社くらいからお話を聞きましたが、とくに私が重視していた部分が「オペレーションの効率化」でした。「どういったオペレーションでお店が回っているのか?」「異業種からでも問題なく加盟できるのか?」。そんななか某1人焼肉のフランチャイズが有力候補として選択肢に上がっていたのですが、この焼肉店をいろいろ調べているなかで初めて「ときわ亭」というブランドの存在も知りました。

──焼肉つながりで偶然目にしたのが「ときわ亭」だったと。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

はい。じつはそこではじめて“0秒レモンサワー”というワードも耳にしました。「0秒ってなんやろう?」と興味を持って調べてみると、東京ではすでに20店舗以上を展開していて、コロナ禍になってからも続々と出店していると。ということで、幹部メンバーを連れて梅田にある「ときわ亭」に行ってみることにしたんです。2021年12月のことでした。

──まずはお店に足を運んだんですね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

はい。すると、すべてに衝撃を受けました。「この店はすごいぞ!」って。たとえば、入店してすぐにお通しが出てくるのですが、一発目のお肉がくるまでの間に食べ終わるか食べ終わらないかぐらいの絶妙な量に計算されているんです。

ほかにも、0秒レモンサワーはただ注ぎ放題なだけでなく、サワーに入れるレモンシロップの数が豊富でそれだけで楽しいんですよ。全部で10種類あって、通常は1テーブルあたり2種類なんですが、追加料金を払えば追加もできるんです。

ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

「つぶつぶ贅沢レモン」や「ど真ん中レモン」など定番のシロップもあれば、「青春レモン」や「(甘酸っぱい)初恋レモン」「おやじレモン」などもあって。言葉選びも秀逸で、選ぶ楽しさもあるんです。まずは初恋レモンを飲んでみたら、たしかに甘酸っぱくて。3人で顔を見合わせて「なるほどな」って(笑)。

しかも、シロップを入れるとピンクとか青に色が変わるんですよ。シロップを混ぜ合わせたら「どえらい色になった」「でも、いけるやん」って。視察に訪れたつもりが、おじさん3人ですごく盛り上がってしまいましたね。

──楽しそうにしている高山代表がイメージできます(笑)。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

エンタメ性だけでなく、味もしっかりおいしいんです。どれもおいしかったのですが、なかでも衝撃を受けたのは名物の「塩ホルモン」。一緒に行ったひとりが「ホルモンは生臭くて噛みきれない」と苦手だったのですが、「ときわ亭」の塩ホルモンは「おいしいおいしい」とライス片手に食べていましたね。塩ホルモンは本当においしくて、いまでもふとしたときに食べたくなるくらい気に入りました。

──しかも1皿380円! リーズナブルさも人気の理由ですね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

そうですね。3人で90分好き放題飲んで食べても1万円いかないくらいでした。若い層がメインターゲットですが、今年39歳になるわたしもリピートしたいと思えるほどの満足感でした。視察のつもりでいったのですが、エンタメ性はもちろん、味、リーズナブルさに完全に惚れてしまったんです。そこで翌日、「ときわ亭」のフランチャイズ本部に問い合わせしました。

──即行動に移すのは高山代表らしいですね!

融資の相談にも乗ってくれるのが「ときわ亭」の魅力のひとつ

──そうして「ときわ亭」も選択肢に入っていったのですね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

おっしゃるとおりです。でも、「ときわ亭」の事業説明会に参加したことで選択肢がひとつに絞られていきましたね。「ときわ亭」のフランチャイズに加盟しようって。「ときわ亭」の本部の担当者がとてもていねいな方で、淡々と事業の説明をしてくれたあとに、わたしの状況や希望などもしっかりと聞いてくれて。そのうえで、よりよくなるような提案をしてくれるなど、最初からとても話しやすい印象を受けました。

──本部の担当者との相性も重要ですよね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

はい。物件を探すときも一緒に難波の街を4時間ぐらい歩きまわって探してくれて。ネットなどには載っていない物件情報もありますからね。それで、良さそうな物件を見つけたらその場で電話をして家賃などをヒアリングするんです。こちらが申し訳なくなるくらい時間を割いていただきました。

──本部の本気度も伝わってきますね!
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

はい。ただ、コロナ禍なだけでなく、まったくの異業種なのでもちろん不安はありました。とくに気になったのが集客ですね。当時もまだコロナ禍で、世間的には「居酒屋の開業はあかん」という風潮でした。ただ、自分で調べたわけではないので本当かなんて分かりませんよね。ということで、子供らが寝静まったあとにネットで夜な夜な道頓堀のライブ映像を見ていました。

──何を確認するためにライブ映像を見ていたのでしょうか。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

単純に、どれくらいの人たちが繁華街に出かけているのか。そして、何歳ぐらいの人が何人組で出歩いているのか。道頓堀のライブ映像を見ていると、ミナミにどんな人がどれだけいるかがなんとなくわかるんです。さらに世界情勢を踏まえたら、近いうちにコロナ禍前の8割くらいには人どおりが戻りそうだなって。それなら勝負できると思いました。

──メディアだけの情報をうのみにせず、自身の目で調べるのが大事ですよね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

はい。世間の情報だけに流されたら決断が鈍ることもありますから。自分の直感や勘を信じたいなって。そこで、「ときわ亭」のフランチャイズに加盟することにしたんです。ただ、初期費用として4000万円くらいは必要ということで、資金面の相談をしたら融資に詳しい先生をご紹介していただいて。合計3000万円の融資を受けられたら、あとの残りは自己資金でなんとかなるということで、不安だった資金面もクリアになりました。

──融資の相談ができるのは助かりますね。
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

そうですね。助かりました。「ときわ亭」は融資まで面倒を見てくれるので、はじめて借り入れする方でも安心です。

──9月から10月頃のオープンを予定しているとおっしゃっていました。今後の動きや展望を教えてください。
Twitterで工事の様子を日々ツイート
Twitterで工事の様子を日々ツイート
ときわ亭の幸谷 亮

高山オーナー

いまは難波千日前に物件が決まって、工事をしているところです。工事の進み具合によっても変わってきますが、9月か遅くとも10月頃には「ときわ亭なんば千日前店」をオープンする予定です。そして、2023年の夏頃には2店舗目をオープンできたらと考えています。異業種からの参入ですが、いつかは本業を上回るような事業に成長していけるように頑張ります。

──ありがとうございました。

「ときわ亭」のFCオーナー取材を終えて

自分の足を使って情報収集する高山代表の行動力に驚かされた取材でした。コロナ以降メディアでは連日飲食店のネガティブな姿が報道されていましたが、それらをうのみにせずに自らの足で情報収集をし、自らの判断で加盟を決断されました。だからこそ「ときわ亭」の事業に絶対的な自信を持てるのだと感じました。悩む暇があれば足を動かす。これはどんなビジネスにも当てはまるはずです。

まだオープンしていないので結果はこれからですが、「ときわ亭」の事業に対して生き生きとしている高山代表の姿を見たら、地域の人から愛されるいいお店になるはず。取材をしながらそう感じました。いつかお邪魔したいと思います。

ときわ亭の幸谷 亮

株式会社Wordeal 代表取締役
幸谷 亮

10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。


製鋼業から異色の飲食事業へ!「0秒レモンサワーときわ亭」に惚れ込んだ社長を取材

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