30年以上勤めた大手IT企業を退職し独立!“安定”を捨てて「鳥周」にFC加盟した理由とは

幸谷 亮 |2023年06月07日 公開 (2024年10月24日 最終更新)
鳥周のフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

岡山県内を中心に7店舗を展開する「鳥周(とりしゅう)」は、ジューシーなローストチキンが人気のテイクアウト専門店。圧倒的な商品力を武器に、二等以下の立地でも結果を残せるフランチャイズとして、郊外・地方での事業展開に興味ある加盟検討者にもピッタリのビジネスです。

今回は、「鳥周」の県外フランチャイズ1号店として2022年11月30日にオープンした「鳥周 春日部店(埼玉県)」の坂下治男オーナーにインタビュー。30年以上も勤めた大手IT企業を辞めてまで独立した経緯から開業秘話、そして月々のリアルな売上まで細かくお聞きしました。

30秒で分かる「鳥周」とは

鳥周」はローストチキンのテイクアウト専門店です。誕生したのはハレの国、岡山県。直営店4店舗、フランチャイズ店3店舗の合計7店舗(2023年5月現在)を構えています。1号店がオープンしたのは、遡ること15年以上。長きにわたり地元の人たちに愛されている秘訣は、なんといってもその味。厳選した鶏肉を回転式のロースターでじっくり焼き上げるので、余分な脂が落ちて鶏本来の旨味がジュワッと広がります。

いわゆる「丸焼き」だけではなく「串焼き」も名物で、“冷めてもおいしい”と評判。地元のテレビや新聞などメディアにも数多く取り上げられています。そんな、圧倒的な商品力を引っさげ、「鳥周」が全国的にフランチャイズ展開をスタート。月々1社限定で加盟店を募集中です。先行者利益を得るならいまがチャンス!

30年以上勤めた大手IT企業を辞めて独立を決意

鳥周の幸谷 亮

鳥周 春日部店 オーナー
坂下 治男

大手IT企業で運用SEとして30年以上のキャリアを築く。プロジェクトリーダーとして、いわゆる“安定”を手に入れながらも独立を検討。定年後のことを考えて50歳を節目に独立を決意し、ローストチキンのテイクアウト専門店「鳥周」のフランチャイズに加盟。県外フランチャイズ1号店として2022年11月30日に「鳥周 春日部店」をオープン。

──脱サラして「鳥周」のフランチャイズに加盟したとお聞きしています。会社員時代はどういう会社でどういうお仕事をしていたのでしょうか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

いわゆる“運用SE”という職種で、システムの運用や構築に携わっていました。2000人くらいの従業員がいる大きな会社で30年以上はお世話になりました。

──大企業で、しかも30年以上も勤めていたとなると、安定した老後を過ごせそうな気もします。なぜ独立を?
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

確かに安定はしていたと思います。コロナ禍以降はずっと在宅勤務で満員電車などとも無縁の生活ですし、生活していて困ることはありませんでした。なので、そのまま定年を迎える選択肢ももちろんありました。

ただ、老後のことを考えると脱サラして起業するのもありかなって、頭の片隅にずっとあったんです。定年の60歳を迎えてから動き出すより、元気なうちに動き出したほうがいろいろ選択肢はありますから。そう考えると、50歳くらいがリミットかなと。

──フランチャイズ加盟に年齢制限はありませんが、「元気なうちに」「老後を考えて」と40〜50代で加盟する方は多くいらっしゃいます。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

その気持ち、わかります。じつは40歳のときにも独立しようと考えたのですが、仕事が忙しいタイミングで辞められる状況ではなくて……。今回はたまたまプロジェクトが終了するタイミングだったので、辞めるなら50歳を迎えるいまのタイミングかなって。

ひとつのプロジェクトが10年以上続くケースもあるうえ、プロジェクトリーダーという立場で業務をしていたので、辞めるタイミングによっては会社に迷惑をかけてしまうんです。

自分の目で見て確かめるため、1泊2日の鳥周巡りツアーを敢行

岡山市と赤磐市の市境に位置する「鳥周 牟佐本店」
──「鳥周」のフランチャイズに加盟した経緯をお聞きしたいのですが、最初からフランチャイズで独立しようと考えていたのでしょうか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

いえ、リスクやタイミングなどもろもろの理由からフランチャイズで独立しただけです。たしかに前職時代のスキルを活かして独立し、個人で仕事を請け負う選択肢もあるにはありました。ただ、50代のうちはいまと同じように仕事ができたとしても、60代やそれ以上になったときに同じように請け負って仕事ができるかといったら難しいなって。

いろいろ情報収集をしているなかで、フランチャイズで独立という選択肢があることを知りました。フランチャイズはオペレーションがすべてテンプレート化されているので、未経験の業種でもリスクを抑えて独立できると考えました。

──異業種からでも業種に関係なく独立できるのがフランチャイズの魅力のひとつですね!
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

ただ、異業種とはいえ、前職の運用SEもフランチャイズに通ずるところがあったんですよね。前職もテンプレートはすでに用意されているので、それに沿って運用していく。5〜10人で1チームだったので、いまの「鳥周」と同じくらい。マネジメントの経験も活かせると感じました。運用SEと飲食店の運営。扱うものは異なりますが、大枠はそこまで変わらないなって。

──その視点は確かにですね!業種は違えど、これまでやってきたことは存分に活かせるということですね。ただ、さまざまなフランチャイズがあるなか、どうして「鳥周」に加盟したのでしょうか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

ひと言でいうとタイミングですね。まずは、すべてのフランチャイズをフラットな目線で検討していました。フランチャイズはテンプレート化されているのが魅力なので、そのテンプレートさえしっかりしていれば、正直どのフランチャイズでもいいなって。それを裏付けるのが、しっかりとした成功事例があるかどうか。

経験のない素人が同じように成功するかどうかは、テンプレートがしっかりしているかにかかっている。そのテンプレートのなかでも商品力と再現性は重要視していました。

──これだけ多くの事業が世の中に存在する以上、長く生き残るためにも商品力は標準装備といえそうですね。それでは、数多くのフランチャイズがあるなか、どう決めていったのでしょうか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

いろいろと情報を探すなかで、フランチャイズのコンサル的な事業を展開している「フリグマ」という会社にたどり着きました。ほかにも、フランチャイズについていろいろな情報を発信しているYouTubeチャンネルの存在も知って。

「フリグマ」か、そのYouTubeチャンネルで紹介されているフランチャイズから検討して、予算や興味などを踏まえて何社かに絞られていきました。そして、ちょうどフランチャイズ探しに本腰を入れはじめたタイミングで、「鳥周」がフリグマの支援を受けてフランチャイズ展開をスタートしたんです。

──ちなみに、初期費用の予算はおいくらくらいで検討していたのでしょうか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

1500万円で考えていました。いろいろ調べたところ1000万円くらいは政策金融公庫から借りられることはわかったのですが、運転資金なども考えると、さすがに自己資金500万円以上出すのは難しいかなと。

なので、自己資金の500万円に、融資を1000万円ほどプラスしてマックス1500万円くらいで開業できたらと考えていました。あとは、最悪ワンオペできるような業態で探して、それに合致したのが「鳥周」でした。

──重要視していた「商品力」についてはどう確かめたのでしょうか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

本店をはじめ6店舗の「鳥周」がある岡山まで行きました。フランチャイズWEBリポートで資料請求をして、その3日後には岡山県に行ってましたね。事業説明会の予約を入れたり、本部の担当者に「行きます」といったりせず、見切り発車的に岡山県まで行きました(笑)。

──埼玉県から岡山県まで行ったのですね。その行動力に脱帽です!
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

加盟するもしないも、商品力というか味を知らないと決められませんからね。岡山県内でこそ「鳥周」は有名ですが、関東ではまったくもって知られていない。どういう場所にあって、どういう人が買いにくるのか。そして何より、どういう味なのかを知るためには、岡山県まで行かないと確かめられません。

そこで、会社が休みの週末2日間を使って新幹線で岡山まで行き、レンタカーを借りて6店舗すべてに足を運びました。

──1泊2日の鳥周めぐりツアーですね。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

ですね(笑)。それぞれの店舗で串焼きを買っては食べ、買っては食べを繰り返し、10種類近くを1日で食べ終えました。そのほか、丸鶏のハーフなども食べたので、さすがに「もう鶏はいらんぞ」となりましたね(笑)。

──肝心のお味はいかがでしたか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

それが、ビックリするほどおいしかったです。串焼きは全部1本100円前後なのですが、冷めても柔らかいうえに本当においしくて、単純に「すごいな」って思いました。

──普通、串物は冷めたら硬くなっておいしくなくなっちゃいますよね。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

そうなんです。でも、「鳥周」の串焼きは冷めてもおいしいので、持ち帰って家で食べてもよし、イベントなどに持っていってもよし。さまざまな用途で使えるお店だと感じました。

そして何より、立地が悪いなか、みなさん「鳥周」を目的にわざわざ足を運んで買いにきているんです。確かに本部の担当者もそうおっしゃってはいたのですが、内心は「本当かな?」と思っていて(笑)。

──口ではなんとでもいえますからね!
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

はい。でも、「鳥周」の場合は嘘偽りなく本当でした。「鳥周」の本店はまわりに何もないような場所にポツンとたたずんでいるんです。ついでに買うとかではなく、わざわざ足を運ばないと買えない。そんな場所なのに多くの人が買いにくるんです。この事実を目の当たりにして、商品力の高さを実感しました。

──立地の悪さを物ともせず、多くの方が訪れているのですね。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

そうなんです。嘘だと思うなら、私みたいに行ってみたら分かると思います。立地が悪くてもこれだけの集客ができるということは、立地が良ければプラスアルファにしかならない。そう考え、この時点で加盟を決めました。

「料理経験がない私でもできたので、誰でもできるはずです」

2022年11月にオープンした鳥周 春日部店
──オープンにいたるまでの流れを教えてください。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

本部の担当者、そして小谷社長との面談はすべてオンラインでの実施でした。岡山まで食べにいったのが2022年7月の上旬で、もろもろの手続きを済ませて加盟したのが8月1日。

その後物件探しを経て、前職を退職してすぐの11月上旬から、岡山の直営店舗で12日間の開業前研修を受けました。開業店舗でのOJT研修と合わせると約2週間の研修です。

──2週間の研修というと長いイメージがありますがいかがでしたか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

長いと思います。しっかりとやってくださいました。やること自体はそんなに難しくないのですが、メニューによって焼き時間や使う粉が異なるなど、覚えることが多くて大変でしたね。

クリスマスの繁忙期に向けて11月末のオープンを目指していたので、11月中に研修を受けたり、それが終わったらアルバイトスタッフの面接を実施したり。すべてを同時に進めていたので、かなり慌ただしい毎日を送っていました。

焼き時間などはメニューによって異なるので、それを覚えるまでが大変だったそう
──気にされていたオペレーションはいかがでしたか
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

なんの問題もありませんでした。何より、料理経験のない私はもちろん、パートさんたちでも問題なくできているので、覚えることさえしっかり覚えればおそらくどんな方でも運営していけるはずです。分からないことや困ったことがあっても本部に連絡すればすぐに対応してくれますから。電話やチャット、LINEなどあらゆる手段で柔軟に対応していただけますよ。

──それは心強いですね!何人くらいで運営しているんですか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

私を除いて8人で、正社員はおらずすべてアルバイト・パートスタッフです。主婦の方3〜4人をメインに、残りは学生の方が空いているときに入ってくれたり、片付けの時間だけ入ってくれたり。大学生の息子と高校生の娘がいるのですが、娘は部活が休みの日などに手伝いに来てくれますよ。

妻は去年までフルタイムでほかの仕事をしていたのですが、お店が忙しくなってきて家族の手も必要になってきたので、今年の1月からは扶養の範囲内で手伝いに来てくるようになりました。

──ご家族でお店を切り盛りしていて素敵ですね。坂下オーナーは休めていますか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

オープンから半年くらい経って落ち着いてきて、ようやく少しずつ休めるようになりましたね。お店じたいは毎週水曜日が休みなのですが、最初のうちは水曜も働かないといけないくらい慌ただしい日々を送っていました。

──普段の業務時間はどれくらいなのでしょうか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

営業時間が10時から20時で、私がお店にいるのは8時から早いと20時30分には上がります。12時間以上はお店にいる計算ですが、基本はアルバイト・パートスタッフだけでお店はまわるので、私は途中で休憩をしたり銀行に行ったり。のびのびとやらせていただいていますよ。

リピーター急増中!なかには40本をまとめ買いするお客も

──気になるお金のお話をお聞きしたいのですが、なかには「クリスマスシーズン以外は売れるのかな?」と不安に思っている検討者の方もいらっしゃると思います。ぶっちゃけた話、売上はいかがですか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

確かにクリスマスは爆発的に売り上げましたけど、あまり関係ないと思いますよ。月商としては、オープン直後の2022年12月が320万円。正直、チラシなども配布していなかったので、ゆっくりスタートしようかと思っていたのですが、ありがたいことにオープン初日から多くの方にお越しいただきました。

一方、1月と2月は落ち込んで160万円くらい。落ちるとは聞いていましたが、落ち幅が想定以上でした。ただ、3月には地元の地域メディアで紹介していただいたり、一部メニューのセールなどをしたことで、また300万円くらいまで盛り返しました。

鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

それと、3月からはララガーデン(ショッピングモール)やイオンモールなどで真空パックにした商品を置かせていただけて。真空パックは、本当なら開店当初から提供できるはずだったのですが、保健所の手続き関係で手違いがあり、3月からになってしまったのが痛手でした。

でも、私の失敗も本部のノウハウとして蓄積されているので、これから加盟される方はそういったことも分かったうえで始められると思います。

店内でも真空パックの商品を販売中
──まだ4月下旬ですが、今月はどれくらいの着地を見込んでいますか。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

4月はもろもろで200万円ちょっとくらいの予定です。200万円くらいを最低ラインにしているので、今後も何かしらの施策を打ちながら認知度を高め、売上をアップしていけたらと考えています。

──リピーターさんも増えてきているみたいなので、この調子でいけば安定した売上を確保できそうですね。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

そうですね。なかには毎日買いにくるお客さまもいらっしゃいます。平均単価は1500円くらいなのですが、「名物串焼きがおいしいから」と30本や40本などまとめて買ってくださる方が増えてきて。なかには、40本買ってくださった方が、その数日後にまた20本買ってくださる方もいらっしゃいました。最近はまとめ買いのお客さまが増えてきたように感じています。

また、紹介で買いにきてくださる方も徐々に増えてきました。紹介された方はもちろんですが、紹介した方も「おいしいって喜んでもらえたからまた来ました」みたいな感じで来てくださって。口コミで広がっているので、やはり商品力が重要なことを改めて実感しています。この商品力を武器に少しずつ売上アップにつなげていきたいですね。

──最後に、今後の展望をおしえてください。
鳥周の幸谷 亮

坂下オーナー

あと2店舗をオープンすることがひとまずの目標です。ここの店舗で仕込みをして、それを残りの2店舗でも販売するサテライト店方式 。駅前やスーパーの近くなど立地が良く、小スペースかつ少人数で運営していけるので、2店舗を追加でオープンできたらうれしいですね。

──ありがとうございました

「鳥周」のFCオーナー取材を終えて

岡山県外のフランチャイズ1号店としてオープンさせた坂下オーナー。県外1号店となると、なかには加盟を躊躇する検討者もいます。もし筆者が同じ状況だったら少し腰が引けてしまうかもしれません。一方、坂下オーナーは「少なからず不安はありましたが」と前置きしたうえで、「鳥周のフランチャイズを一緒に作りあげ、拡大していく一助になれたらと思って加盟しました」と答えてくれました。

一般的に、年齢を重ねるにつれて新しいことにチャレンジする機会は減るもの。しかし坂下オーナーは、だからこそ新しいことにチャレンジできることを喜びととらえ、その状況を楽しんでいる様子でした。何事も慎重になることは重要ですが、逆の視点で考えることで、その状況を楽しむことがもっとも重要であると実感した取材でした。坂下オーナーなら今後どんな困難に直面しても、それをチャンスととらえて乗り越えてくれることでしょう。

鳥周の幸谷 亮

株式会社Wordeal 代表取締役
幸谷 亮

10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。


鳥周のフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

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