【塾ビジネスの最新トレンド】自学自習で学力アップを狙う自立型学習塾とはどんな塾?

フランチャイズWEBリポート編集部 |2023年06月13日 公開
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これまでの塾といえば、生徒に対して講師が授業を行なうような形式が一般的でした。しかし、昨今はさまざまな形態の塾が誕生しており、とくに注目されつつあるのが自立型(自学自習型)学習塾です。自立型学習塾は生徒が主体になり、自習形式で学習を進めます。では、個別指導や集団指導など、一般的な講義型の塾とはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は自立型の学習塾がどのような塾か解説するとともに、ビジネスとして経営する際の強みなどもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

自立型学習塾について

まずは自立型学習塾について解説します。

自立型学習塾とは

自立型学習塾とは、講師による授業などは行なわず、生徒が自主的に学ぶことを目的とした塾です。同じ場所に異なる学年の生徒がいることもあり、それぞれの課題を進め、講師は生徒がいるスペースを巡回します。講師は生徒からの質問を受け付ける他、生徒が悩んでいる場合は講師が声をかけるなど必要に応じて指導を行ないます。
ただし、講師は1人で10~20人程度の生徒を担当する点が個別指導とは異なる点です。講師は生徒に学習指導をする以外にも、自習の計画や自習が習慣づくようなコーチングも担当します。生徒は参考書以外にも塾側で用意されたプリント教材や映像学習を使い、自分のペースで学習します。

なお、一般的には「自学自習型学習塾」や「自習型指導塾」「巡回型学習塾」などの呼び方がありますが、おおよそ同じ意味と考えて問題ありません。

自立型学習塾が増えた背景

自立型学習塾が増えた背景には、文部科学省が定める教育課程の基準(学習指導要領)の改訂があります。約10年ごとに学習指導要領は改訂されており、直近では2021年度から変更されました。

新学習指導要領で導入されたのが、「アクティブ・ラーニング」という能動的学習指導方法です。これは、先生の講義を一方的に聞く授業ではなく、生徒が主体的に学ぶことで、知識を深め、思考力や判断力を高めていくことを目的とした取り組みです。学校教育でもアクティブ・ラーニングが重視されていることからも「能動的に学習していくこと」は、これからの教育のスタンダードになっていくと考えられます。さらに、得た知識を定着させる意味でも自立型学習は必要とされています。

また、従来の授業形式の指導では個人の指導が行き届かず、生徒がついていけないこともあります。自習学習を主体にすることで、生徒が自分に合った学習ができ、学習に取り組むことが習慣できるところも、ニーズが増えた原因と考えられるでしょう。

生徒や保護者に自立型学習塾が選ばれる理由とは?

続いて生徒や保護者に自立型学習塾が選ばれる理由と、注意すべきことを解説します。

メリット

自己管理能力が身につく

自立型学習塾のなかには、講師が学習計画や予定を組んでくれるものもあります。しかし、根本的には生徒自身が「自立」して自ら学習するのが大前提。そのため、自立型学習塾に通うと生徒の自己管理能力が身についたり、わからないところを自分で調べることで自己解決力が育ちます。また、自習が苦手な生徒でも、塾に通い続けていくことで自立学習が習慣化する、といった効果も見込めます。

個人のペースで学習できる

集団形式の塾では、授業についていけない生徒に合わせて、学習の方法やペースを変えるのは難しいでしょう。また反対に、すでに理解できている箇所に無駄な時間を割いてしまうケースもあります。自立型学習塾であれば、授業形態の塾に比べ生徒個人に合わせた学習ができるため、生徒の負担が少なくモチベーションを保てるうえ、より深い学習内容の理解につながります。

部活や他の習い事と並行しやすい

学校と塾以外に部活や習い事をしている生徒も多くいます。自学自主型の塾は授業がないので、たとえ欠席をしても授業を追加で受ける必要はありません。塾によってはいつでも利用できるところもあり、生徒が個人の都合に合わせてスケジュールを組みやすく、続けやすいところがメリットです。

デメリット

自習が向かない生徒もいる

生徒のなかには自習が向いていない生徒もいます。たとえば、常に誰かが近くにいないと学習に取り組めない、勉強を促されないとできないなどの特徴を持っている生徒です。自立型学習塾では1人の講師が複数の生徒を担当しているので、1人だけの生徒につきっきりになることはできません。自習を繰り返すことで慣れる生徒もいるため、まずは生徒がやる気になれる方法を探すことが大切です。

周囲の生徒が気になってしまう

自立型学習塾では、同じ机で複数の生徒が学習します。塾によってはスペースが区切られていることもありますが、すべての塾が区切られているわけではありません。そのため、周囲に人がいることを気にして集中力が続かない生徒もいます。とくに雑音や人の話し声が気になりやすい生徒は向いていない可能性が高いでしょう。

自立型学習塾のビジネス面での魅力

自立型学習塾はどのようなビジネス面のメリットがあるのか、こちらで3つご紹介します。

人件費や教育コストを抑えられる

自立型学習塾は通常の塾に比べて少ない講師数で経営ができます。講師は基本的に授業を受け持たず、多くの生徒を1人で担当するので個別指導や授業を受け持つ講師に比べて負担が少なく、人数も必要ありません。そのため、人件費を抑えることができます。
人件費を抑えることで他の形態の塾に比べて月謝を下げることができ、家計への負担を軽減することもできます。月謝を抑えることで生徒が通いやすく、退塾数を減らすこともできるでしょう。

生徒に合わせたカリキュラムの提供ができる

自立型学習塾は生徒1人ひとりに合わせたカリキュラムを用意します。そのため、難易度が高すぎて理解できないなどのつまずきを防ぎ、生徒の学習に対する意欲をそぎにくくなるでしょう。塾によってはAIを活用することで出題や採点までの時間を短縮し、生徒が時間を無駄にすることもありません。

競合他社との差別化

自立型学習塾は独自の教育システムを導入していることが多く、市販の参考書を使用することもあれば、自由に見られるオリジナルの授業動画や、専用のタブレットをもちいるなど、千差万別です。
また、これまでの形態とは違う自習を主とする塾では個別指導や集団授業にはない、生徒の自由度の高さからも既存の塾と差別化することができます。

自立型学習塾はビジネス的にも将来性が◎

自立型学習塾は、保護者と学校の両方からニーズが高い新しい学習スタイルです。多様化する現代社会では、自由度が高い学習方法だけでなく自立を促す学習方法として、今後もさらなる需要の増加が期待されています。これから教育ビジネスを始めるのであれば、自立型学習塾はぜひ検討しておきたい形態の塾といえるでしょう。

また、フランチャイズWEBリポートでは自立型学習塾のフランチャイズビジネスの情報を掲載しています。ぜひこちらも併せてご確認ください。

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