「AIに奪われない仕事を」4つのフランチャイズを掛け持つオーナーが選んだステラート
賃貸物件の退去時に必要となるのが原状回復工事。その原状回復を、退去立会いからワンストップでサポートするのが「ステラート」です。年間約520万人といわれる引っ越しニーズ(2021年度:総務省統計局)があることから安定経営が狙えるとして注目されています。
今回は、そんなステラートのフランチャイズ3号店として2023年6月に開業した「ステラート東京中央店」の佐藤 弘康オーナーにインタビュー。AIに仕事を奪われることへの不安や、4つのFCに加盟しているからこそ分かるステラートの魅力、加盟の経緯、今後の展望などをお聞きしました。
30秒で分かる「ステラート」とは
「ステラート」は賃貸物件などの退去立会いから原状回復までを一貫して行なうフランチャイズです。原状回復にはハウスクリーニングだけでなく、クロスの張り替えやフローリングのリペア、電気工事などが含まれます。フランチャイズオーナーが手掛けるのは基本的にハウスクリーニングのみで、その他はそれぞれの職人にお任せしてOK。もちろん、自身でできれば売り上げアップにもつながります。
店舗を必要としないだけでなく、移動に使う自家用車を持っていれば、初期投資は加盟金の200万円のみなので、リスクを抑えて開業できるのも「ステラート」のフランチャイズの特徴のひとつ。初期投資を抑えて開業したい方はもちろん、手に職を付けたい方にも人気のフランチャイズです。
医療機器のメーカー、手術用の医療用ロボットの開発を手掛ける会社を経て2023年1月に株式会社Cheblo(チェブロ)を設立。「ステラート」のほか、眉毛・まつげパーマの専門店、セルフエステ、レンタルスペースのフランチャイズに加盟。
会社員でありながら4つのフランチャイズに加盟
はい。株式会社Chebloを立ち上げたのは2023年の1月ですが、その時点ではまだ手術用の医療ロボットを開発する会社で営業およびトレーナーとして働いていました。6年近く勤めて、1週間ほど前に退職しています。
そうですね。会社員として働きながら4つのフランチャイズに加盟しました。2022年にまずは眉毛とまつげパーマの専門店、次にセルフ脱毛サロンのフランチャイズに加盟。2023年に「ステラート」とレンタルスペースのフランチャイズに加盟しています。
もともとは2020年にコロナに罹患したことがきっかけでした。3週間の自宅待機を強いられるなか、YouTubeでさまざまな動画を見て時間を潰していたらフランチャイズについての情報を発信しているYouTubeチャンネルと出会って。
会社員をしながらフランチャイズに加盟し、店舗系のビジネスを運営する選択肢もありだと思ったんです。
当時はそう考えていました。不動産投資に大成功している知り合いから「不動産投資のノウハウを教えるから一緒にやろうよ」と言われていたのですが、以前、不動産関係の仕事をしていたこともあって、不動産投資にあまりロマンを感じなかったんですよね。
それならまずは、会社員を続けつつ副業として、フランチャイズの店舗系ビジネスを展開できたらと考えました。
はい。なので、脱毛サロンはセルフだったり、レンタルスペースは運営をすべて本部任せだったり。オープンまでは準備が必要ですが、オープン後は自分の手をほぼかけず、投資のようなスタンスでスタートしました。
いえ、違います。副業として複数のフランチャイズに加盟するなかで、自分でビジネスをまわすことにハマってしまって。というのも、最初はWebマーケティングについてよく分からない状態だったのですが、調べながら実践してみたら少しずつ効果が出て新規のお客さまが増えていきました。
自分で考えて実践したことがダイレクトに数字になって返ってくる。さらに、それが自分の収入になるので、ビジネスって楽しいなって。会社員を辞めて本格的に起業しようと考えました。
“AIに奪われない仕事”だからこそ加盟を決意
そもそもは、AIに仕事を奪われることへの不安が解消されたことがきっかけです。
というのも、前職で手術用の医療ロボットを開発する会社にいたこともあり、自分の仕事がAIやロボットに奪われていくことにずっと危機感を覚えていたんです。近い将来、多くの仕事がAIやロボットによってなくなってしまうと。
当時の私は、比較的専門的な仕事をしていたわけですが、そういった仕事こそAIに奪われてしまうと思います。だって知識量では彼らに敵わないですし、ミスもしない。残業代も払わなくていい。そうなったら、絶対ロボットには勝てないなって。
仕事柄、医師の方ともよくお話をしていたのですが、お会いするたびに「また進化している、すごいね」というのと同時に「怖いな」って。毎回そういう話ばかりしていました。
そうですね。それでいろいろ情報収集していたら、「ステラート」の渡邉社長のツイートがタイムラインに表示されて。何気なく見ていたら、「AIやロボットが退去立会いや原状回復をできるようになるとは、とうてい思えない。だからこそますます退去立会いや原状回復の需要は高まる」という内容だったんです。
危機感を覚えているなか、渡邉社長のツイートを目にしたこともあって妙に胸に響いたんです。
それで実際に渡邉社長にお会いしたら、“世の中から絶対になくならない事業を立ち上げる”と決めてステラートをスタートしたそうなんです。多くの場合は、事業内容を決めてから会社を立ち上げますよね。
でも、ステラートは逆。AIには絶対に奪われない、人の手にしかできない事業で起業しようとしたとお聞きしました。
はい。そういった渡邉社長の思いにもひかれ、競合となる退去立会いのフランチャイズやハウスクリーニングも検討していましたが、渡邉社長のツイートに出会ってからはほぼほぼ「ステラートに加盟したい」と思うようになりました。
はい。これまで複数のフランチャイズに加盟してきましたが、フランチャイズ展開をスタートしたばかりの本部の今後を担うのは、本部の社長次第だと思うんですよね。成長するもしないも社長にかかっている。
急に成長を遂げたフランチャイズ本部の社長のなかには、普段はいい人なのにSNSなどではポジショントークを繰り広げる人がいるんです。ブランディングのためにも必要なことだとは理解できるのですが、個人的にはあまり好きではなくて……。
そうですね。一方、渡邉社長はそういったポジショントークはなく、ビジネスに対してとてもひたむきで、共感できる部分が多かったんです。この人なら付いていきたい。一緒に成長していきたい。そう考えて「ステラート」に加盟することにしました。2023年3月20日のことです。
「ハウスクリーニングはガッツで汚れを落とすと勘違いしていました」
300万円くらいです。内訳は加盟金の200万円とステラート用に買った車の100万円。車はホンダのNボックスで、荷物を詰め込むためにリアシートを倒して使っています。店舗を借りる必要はないので、すでに車を持っている人なら加盟金の200万円だけで事業をスタートできます。
いえ、最低限クリーニングに必要な薬剤なども含め、すべて加盟金の200万円に含まれています。
もちろん薬剤などはなくなったら買い足す必要はありますが、本部のほうでスターターキットを用意してくれているので、それさえあればまずは事業をスタートさせられます。
はい。でも、17日以上に手厚くみっちり研修していただいています。本部の意向として、開業前にどんどん現場に入って雰囲気を肌で感じてもらいたいと。
FC3号店ということもあり、少なからず先行者利益みたいなのはあるかもしれませんが、かなり手厚くサポートしていただいています。
座学でノウハウを学ぶこともありましたが、基本はOJTですね。退去立会いの現場に同行させていただき、まずは渡邉社長のうしろに付いて現場感を肌で感じながら具体的なやり方を学ぶ。10件くらいそれを経験したら、今度は私がメインとなって退去立会いをする。それを5件くらい経験させていただきました。
退去立会いの経験はありませんでしたが、本部が教えてくれるポイントさえ押さえておけば未経験でも問題ありません。
はい。これが「ステラート」の魅力のひとつで、ほかの退去立会い系フランチャイズの場合、ハウスクリーニングの研修なんてないみたいですからね。ハウスクリーニングまで一貫して受注できるので、単価も上がるんです。
本当にそう思います。ハウスクリーニングはガッツでなんとか汚れを落とすと思っていたのですが、汚れによって落とすノウハウがあることに驚きました。それをしっかりと教えていただけるので助かりますね。
もちろん慣れは必要ですが、自宅のエアコンや浴室で練習していたら妻の機嫌が良くなりました(笑)。
そうだと思います。あとは、ハウスクリーニングの知識があるうえで退去立会いをすると、クリーニングで落とせる汚れなのか、それとも交換が必要なのかが自分で判断できますよね。「この汚れはクリーニングで落ちるから交換しなくてOK」「クリーニングでは落ちないから交換が必要」などといった話が退去立会いのときにできる。
正確な見積りができなければ、のちのちトラブルになるだけでなく、売上にもつながる部分なので、ハウスクリーニングの研修があることで質の高い退去立会いができるようになります。
いえ、もちろんできる人は自身で交換してもいいと思うのですが、クロスの交換や床の張り替えなどは職人さんに外注しています。本部から外注先を共有いただけるのも加盟するメリットのひとつです。
開業前から本部の方にサポートしていただきつつ、営業エリア内の販路を開拓していっています。
ただ、現状は開業したてということもあり、本部からご紹介いただいた案件を手掛けている状況です。あとは、開業後に本部側でファックスDMを1800部ほど送っていただいています。
じつは、ファックスDM経由で問い合わせがあったところと、明日(取材日の翌日)対面でのアポが取れたので、渡邉社長に同席いただく予定です。そこは賃貸のマンション管理をしている会社さんで、本部が送ったDMからネット検索をして渡邉社長のツイートにたどり着いたようで「ぜひ渡邉社長にお会いしてお話したいです」と、かなり前向きなお返事をいただいています。
そうですね。アポが取れている案件もそうですが、飛び込み営業などにも同行していただけるので、案件をたくさん獲得してより稼ぎたい人にも向いていると思います。
あとは、Twitterのアカウントを作ったので、ツイートの数がもう少し溜まってきたらDMを使って管理会社などにコンタクトを取りたいと考えています。人によって働き方は変わってきますが、わたしは休みはいらない派なので積極的に営業をかけて、より多くの案件を獲得したいですね。
大きく儲けたいというよりは、多くの人を雇用してスケールしたいですね。なかでも、女性の雇用を創出できたらと考えています。仕事がなくて悩んでいる人でも、やる気さえあればできる仕事ですから。そのためにも案件を獲得しつつ、エリアも広げていけたらいいですね。
取材を終えて
最近はChatGPTをはじめとした生成AIが目覚ましい進歩を遂げていて、簡単な原稿ならプロのライターと遜色ないクオリティで仕上げてくれます。なかには、自身の職業がすでにAIに取って代わられている方もいれば、「ゆくゆくは……」と危機感を覚えている人もいるはずです。
一方、退去立会いやハウスクリーニングは現状、AIには難しい領域。莫大な費用をかければ実現するかもしれませんが、現時点では安心できる業種です。だからこそ渡邉社長はこの事業を選び、起業したとも話していました。今後、安定した経営をしたい方にはぴったりのビジネスだと感じました。
10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。