体の健康は腸から!?話題の腸活はビジネスチャンスも豊富!
近年、腸内の環境を整える「腸活」がブームになっているのをご存じでしょうか。全身の健康は腸内環境が要ともされており、近年は、美容にも効果があると注目を集めるようになりました。腸の健康状態には食事、運動、ストレスなど、さまざまな要素が関係しており、「腸活」を切り口に、幅広い領域でのビジネス展開が検討できます。
今回は、腸活とはどのようなものか、腸活を軸としたビジネスとあわせてご紹介します。
「腸活」とは?
まずは腸活がどのようなものかについてご紹介します。
腸活とは
腸活とは食生活や運動などで生活習慣を見直し、腸内環境のバランスを整える健康法のことです。腸にはおよそ1億個もの神経細胞が存在し、人体のなかでは脳に次いで2番目に多いことから「第2の脳」とも呼ばれています。脳と腸は相関関係にあり、脳から腸だけでなく、腸から脳にも情報を送ることができます。また、腸は独自に判断することもでき、脳の指令がなくとも、毒素を排出したり、免疫細胞を働かせることが可能です。
つまり、腸は心や体をコントロールする、「司令塔」のような存在であるといえ、「腸活」により腸内環境を整えることで、生命活動の多くにさまざまな効果をもたらすことができるのです。
腸活によるさまざまな効果
健康面のメリット
腸活をすることで、免疫力の向上と病気予防に役立ちます。免疫細胞の7割は腸に集まっており、腸内環境を整えることで免疫細胞が活性化することが理由です。
また、腸内環境が改善すると消化機能改善と栄養吸収の促進にもつながります。
腸内環境の改善は腸壁の強化にもつながり、アレルギーやアトピーの緩和によるアレルギー症状の軽減も期待できるとされています。
ダイエットや美肌への効果
腸活はダイエットや美肌作りにも効果的です。便秘改善により、毒素が排泄されやすくなると、余分な脂肪を溜め込まなくなるため、太りにくい体質への改善が期待できます。また、有害物質の生成が抑えられ、肌荒れを起こしにくくなります。
このように、ダイエットや美容への効果を期待できることが「腸活」がブームとなった最大の理由と言えるでしょう。
心身の健康への影響
腸はメンタルとも深い関係があります。腸は脳と迷信神経でつながっており、腸からの命令で脳が神経伝達物質を分泌する仕組みになっています。たとえば、ストレスを感じると、下痢や便秘になることがあります。逆に、腸内環境が整うと幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが安定して分泌するようになり、ストレス軽減と心の安定が得られるようになります。
望ましい腸内環境とは
腸内で免疫細胞の働きを支えている腸内細菌は、品種ごとに並んで咲くお花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内フローラは体によい働きをしてくれる善玉菌、増えすぎると悪影響を及ぼす悪玉菌、その中間の日和見菌の3種類があります。この腸内フローラのバランスが良好であり、多種多様な細菌が共生している状態が、理想的な腸内環境と言えます。
腸活には何をすればよい?
食生活の改善
腸活には食事内容がとても重要な要素となります。
腸内の善玉菌を増やすためには、「食物繊維」や「オリゴ糖」といった善玉菌の餌を摂取する方法と、発酵食品などから善玉菌そのものを摂取する方法があります。近年では、発酵食品を集めたお店やレストランなど、「腸活につながる食」を軸としたビジネスも増えてきています。
適度な運動
運動をすることで、腸腰筋が鍛えられ、便を排泄する筋力や腸の蠕動運動を向上させる効果が期待できます。一般的には腸周辺の筋肉が密集している腹部を鍛えることが効果的です。高負荷の運動をするだけでなく、ストレッチやマッサージでも効果があり、「腸もみ」を行なっている整体院や美容サロンなどもあります。
その他
腸活の1つの手法として「ファスティング」が注目されています。ファスティングとは、一定期間、食物の摂取を絶つ行為のことです。ファスティングをすることで胃腸を休めることができ、老廃物や毒素を排出する機能が高まります。
近年では、ファスティングの指導や、ファスティングと合わせて飲む酵素ドリンクの販売などが新たな腸活ビジネスとして注目されています。
腸活ブームと成長中の腸活市場
続いて腸活の市場性についてご紹介します。
コロナ禍における健康意識の高まり
コロナ禍では今までに比べ健康意識が高まるようになりました。健康維持や病気予防としてだけでなく、ダイエット・美容にも効果的な腸活は一躍人気になり、連日メディアでも取り上げられるようになるほど成長しました。とくに年齢層を問わず女性からのニーズが高まっており、腸活に関わるビジネスも増加しています。
腸活の市場性
株式会社富士経済の腸活関連の原料成分6品目の市場調査によると、2023年の腸活にかかわりのある乳酸菌、食物繊維、プレバイオティクスの3つの分野はすべて前年に比べ市場規模が拡大すると予想されています。同社では、これらの分野で栄養素が腸活に与える影響に関する研究発表もしており、健康意識の高まりから、腸活を軸としたビジネスは今後も市場拡大が期待できるといえるでしょう。
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腸活を軸としたビジネス事例
続いて、腸活に関連性を持つビジネスの事例をご紹介します。
今までご紹介してきたように、腸活では食事、ストレス管理、運動、睡眠など、腸内環境に影響を与えるさまざまな業態がビジネスとして展開されているのが特徴です。
エステプロ・ラボ
元々はエステ・ヘアサロンなど美容サロンを展開していたブランドが新たに腸活に着目し、体の内面からの美容に着目したサロンを展開しました。ファスティングの指導や、酵素ドリンクやハーブティーなどの健康食品の販売が主な事業です。
野村乳業株式会社
1897年に牧場として創業して以来、乳製品と乳酸菌飲料の販売を展開してきました。現在は飲食物の販売以外に腸活をテーマにしたカフェ経営、サプリメント販売、工場ツアーなどさまざまな事業を展開しています。
発酵食堂カモシカ
名前のとおり、発酵食品をメインに扱う食堂です。発酵食品専門のカフェ・レストラン経営以外にも、発酵食品専門のセレクトショップ経営、発酵食品ワークショップやイベント、コンサルティング事業を展開しています。
マイキンソー
メディアにも取り上げられた、腸内環境検査キットを販売している企業です。郵送するだけで検査ができる手軽さが人気です。自分の腸内フローラの状態を知ることで、必要な栄養素や適した健康維持の方法などを知ることができます。
腸活フィットネス
全国のスポーツジムなどでは腸活に着目したフィットネスが開催されるようになりました。例を挙げると、コナミが2021年に開催しています。腹部の筋肉を鍛えるだけでなく、骨盤の矯正効果がある運動をすることで、内臓の位置や働きが正常化する効果があります。
腸活ビジネスの可能性
腸活に関わるビジネスは高い注目度があるものの、まだまだ発展途中の分野でもあります。健康意識が高まっている人が増加している現代において、「腸活」に関係するビジネスは今後さらなる需要の増加が期待できるでしょう。
また、腸内細菌の研究は現在も進められており、今後の成果次第では、医療、美容、健康など幅広い分野に大きな影響を与えることも予想されています。
「腸活」は幅広い分野の事業と相性がよく、新たなビジネスを考えているのであれば、一度腸活と絡めた事業を検討してみてもよいかもしれませんね。
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