第二の柱を求めてデイサービスFCに加盟!医療器具販売企業が介護事業をはじめたワケ

幸谷 亮 |2024年09月05日 公開 (2024年09月06日 最終更新)
BPリハデイのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

今後ますます進む高齢化社会において、「リハビリ特化型デイサービス」の需要が増えています。なかでも「BPリハデイ」は施設に理学療法士を配置し、利用者に合うリハビリテーションを提供しているのが特徴です。

この記事では2023年12月に「BPリハデイ立石(東京都)」をオープンした株式会社SMIの髙山琢也代表にインタビュー。医療器具の販売を手掛ける同社が「BPリハデイ」のフランチャイズに加盟した経緯やどのようにして利用者を増やしていったのか、そして今後の展望などをお聞きしました。

30秒で分かる「BPリハデイ」とは

「BPリハデイ」は要支援1〜要介護3の方が対象のリハビリ特化型デイサービスで、施設に理学療法士を配置。食事や入浴がないため、設備費用を抑えて開業できるのが特徴です。本部が提供している独自システムでスタッフの採用と教育、人事考課を徹底サポート。そんな「BPリハデイ」は2023年1月にフランチャイズ展開をスタートしました。今なら先着3社限定で加盟金などをお値引きしてくれるので、2年以内の投資回収も目指せます。

“第二の柱”を求めてフランチャイズ加盟を検討

BPリハデイの幸谷 亮

BPリハデイ立石 オーナー
髙山琢也

株式会社SMI 代表取締役。2023年9月に「BPリハデイ」のフランチャイズに加盟し、2023年12月に「BPリハデイ立石」をオープン。

──株式会社SMIは愛知県にあるとお聞きしています。まずは、どのような会社か教えてください。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

整形外科や脳神経外科領域における手術に使うインプラントを販売している会社です。インプラントは“体内に埋め込む医療器具”といったらイメージしやすいでしょうか。

──わかりやすくご説明いただきありがとうございます。医療器具の販売を手掛けるなか、どのようなきっかけで「BPリハデイ」のフランチャイズに加盟したのでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

そもそもは医療業界一本で会社を経営していくことに疑問を感じたことがきっかけでした。というのも、当社が販売している医療器具などはすべて国が値段などを決めているんです。たとえば国が「今後は半額に値下げします」といったらそれに従うしかなく、自分たちではコントロールできないことがたくさんあります。そういったこともあり、一本だけでなく二本や三本くらい収益の柱が欲しいと考えていました。

──そういった背景があったのですね。なかでも介護業界に決めたのはどんな理由があるのでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

もともと手術用の器具を販売している会社なので、手術のときなどは患者さんと関わりがありますが、手術後に患者さんと関わることはありません。手術後の生活はもちろん、どんなリハビリをしているのか興味があったんです。医療と介護で業界こそ異なりますが、リンクできる部分は多分にあると感じてリハビリ事業で検討しました。

──患者さんとより長く関わっていきたいという思いがあったのですね。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

はい。あとは、介護は今後もニーズが増える業界なのに、従業員の賃金が低いことがたびたび話題になりますよね。そういった問題がなぜ起こっているのかなど、現状を知りたいという思いもありました。

──過去には介護職員の賃金アップを目的に介護報酬の引き上げ改定が行なわれていますが、現在でも改善されておらず、社会問題化していますよね。ほかに検討したビジネスはありませんでしたか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

クリニック経営も検討しましたが、個人的に腑に落ちなかったんですよね。理由としては、クリニックなら患者さんとも関わりを持てますが、治療したらそこで終わりなので、長く関わりを持ち続けることはできないからです。それと、ビジネスとしてクリニック経営をすることに葛藤があって……。

──医療は“社会貢献”の側面が強くて、ビジネスとして展開することに抵抗を持たれる経営者も少なくない気がします。最初からフランチャイズ加盟を検討したのでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

そうですね。リハビリ事業をスタートさせたいと思っても、いかんせん知識やノウハウはゼロなので何をしたらいいのかわからない。いろいろ調べていたら、フランチャイズ加盟してスタートできる方法があることを知りました。そこでフランチャイズWEBリポートで情報収集し、リハビリ事業をフランチャイズ展開している4社ほどから資料を取り寄せました。

──なかにはフランチャイズにネガティブな印象を持つ人もいます。髙山代表はフランチャイズに対してどんなイメージをお持ちでしたか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

世間のイメージ通りで、ロイヤリティなどを抜かれて現場は儲からなかったり、何かあれば本部と加盟店が揉めてトラブルになったりネガティブな印象でした。少なからず“搾取される”みたいなイメージはありました。

──ロイヤリティはあくまでも“本部からサポートを受ける対価”ですが、同じように「搾取されそう」という理由でフランチャイズを敬遠する方もいます。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

確かに敬遠したくもなりますが、介護施設をオープンするにあたってはさまざまな届け出が必要で、何をどこに提出すればいいのかすらわかりません。いま考えると、フランチャイズではなく自分たちで一からやろうと思ったら、1年経っても開業できていない気がします。

──未経験や異業種でもチャレンジできるのがフランチャイズのメリットのひとつといわれています。なかでも「BPリハデイ」に加盟した理由を教えてください。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

いくつかありますが、まだフランチャイズ展開したばかりのタイミングで、一緒に大きくしていけると思ったことが大きいですね。成熟したフランチャイズ本部だとシステムなどがすでに決まっていて、本部に対して新しい提案があったとしても通らないことが多いですよね。でも、「BPリハデイ」は2023年1月にフランチャイズ展開したばかりなので、ある程度の自由度もあると思って加盟しました。

──なかには、“安心”を求めてすでに成熟したフランチャイズ本部を好んで加盟する方もいますが、髙山代表と同じように一緒に大きくしていくことを望んでフランチャイズ展開したばかりの本部に加盟する方もいます。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

はい。あとは他の3社は資料を送ってくるだけだったのですが、「BPリハデイ」だけは東京から会いにきてくれたんです。そういったフットワークの軽さはもちろん、みなさん若くて活気があるところも加盟した理由のひとつです。

──若さもBPリハデイを選んだ理由の1つだったんですね。具体的に、どういった点に魅力を感じたのでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

まず社員の皆さんが若くて、リアクションもすごくいいのが印象的でした。また本部の河合代表は、20代で起業してすでに10期以上経営、かつ10店舗も展開している。単純に勢いがあってスゴイなという気持ちと、「BPリハデイを本気で広めていこう」「みんなで大きくなろう」という熱意が伝わってきたんです。そういった方と関わると経営者として得られるものが大きいし、ここなら大丈夫だという直感がありました。

手厚い本部サポートのおかげで遠隔でも難なく運営

──株式会社SMIは愛知県にあるのに、どうして東京都葛飾区に「BPリハデイ立石」をオープンしたのでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

最初は静岡県で開業しようと、本部の担当者が静岡まできて物件を探したりしてくれていました。物件さえ見つかればといった感じで話は進んでいたのですが、一緒にやろうといってくれていた仲間が「フランチャイズならやらない」と抜けてしまって、一旦は頓挫したんです。

──そんなことがあったなんて驚きです。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

はい。いま「BPリハデイ立石」の責任者をやってくれている川手とはもともと知り合いで、何人かで食事をしたときに静岡で頓挫した話をしたら、「それならわたしがやりたい!」といってくれたんです。わたしと同じく介護業界は未経験ですが、川手のいる東京で物件を探しはじめました。

──そういう経緯があって東京でオープンしたのですね。でも、なぜ葛飾区にしたのでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

会社のある愛知県からのアクセスも考えて品川周辺で探していたのですが、理想の物件がなかなか見つからず、広さなどを考えていまの葛飾区の物件に決まりました。広さによって利用者の上限数が決まるので、フランチャイズではなく全部自分たちではじめようと思ったら、おそらく物件選びの段階で失敗していたでしょうね。商圏調査から物件探し、下見まで全部サポートしてくれたので本当に助かりました。

──物件探しはオーナー任せの本部も珍しくないので、かなり手厚いサポート体制であることがうかがえます。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

本当にそう思います。採用に関しても手取り足取りサポートしていただきました。介護に特化した求人サイトを紹介してもらえるだけでなく、求人ページに掲載までして採用活動をリードしてくれ、さらには面接まで同席していただきました。どういった方を採用すべきか迷ったときにもアドバイスをくれたので助かりました。

──面接に同席してくれるなんて心強いですね!「BPリハデイ」では、開業後も本部が提供している独自システムを使って採用と教育をサポートしてくれるんですよね。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

そうですね。ただ、看護師や生活相談員など資格保持者の採用に少しだけ苦戦して、予定より1ヵ月遅れの開設になりました。でも1ヵ月で済んだのは本部のサポートがあったおかげなので、サポートがなければ採用するのすら難しかったかもしれません。

──2023年11月にオープン予定だったのが、12月になったということですね。初期費用はどれくらいかかりましたか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

だいたい2500万円でした。元が個人商店をされていた物件で、広さは100平米くらい。壁を壊したりもしたので内装費だけでも500万から600万円ほどかかっています。開業費用は条件によって変わってくると思いますし、居抜きの物件があればもっと抑えて開業できたのかもしれません。

機械は高くても質のいいものを導入しました。費用を抑えることも大事かもしれませんが、せっかくなら利用者さんに満足していただきたいので、出し惜しみせずクオリティにこだわって決めました。

──標準的な物件で、通常グレードの機械を導入すれば開業費用は1300万円程度ですから、髙山オーナーのこだわりを感じますね。利用者は何人で、どのように増やしていったのでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

開設から8ヶ月で40人程度まで増えました。なかには飛び込みで来ていただく方もいらっしゃいますが、ケアマネさんからの紹介がほとんどですね。オープン前に飛び込みでケアマネさんにご挨拶させていただいたところ、ちょうど閉所するデイサービスがあるということでご紹介いただきました。ケアマネさんとはその後も定期的にコンタクトを取って関係を築いています。

──髙山代表も責任者の川手さんも介護は未経験とおっしゃっていましたが、普段、困ることなどはありませんか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

現場のことはすべて川手に任せていますが、特段困ることはなくやりがいを感じながら働いてくれています。開業前に本部に行って1週間くらい研修を受けたほか、その後も1週間に1度は本部の担当者が訪問してくれていろいろと相談に乗ってくれています。わたし自身がもっと現場に出なければいけないと思っていたのですが、本部のサポートのおかげでわたしは週に1回顔を出すくらいですね。

──遠隔での運営となると、通常よりも難しい部分がありそうですが気を付けていることはありますか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

わたしは変に口出しせず、みんなが自主的に頑張っているあいだは見守ることに徹しようと考えています。こちらが思うよりもみんなまじめで、やりたいように自由にやらせると、自主性が生まれて何でも自分で考えてやってくれるんですよね。自分で考えてやったことがうまくいくと、今度はそれがやりがいにつながるんです。

将来的には“医療と介護の総合モール”を作って低賃金問題を解決したい

──介護業界の低賃金問題など、現場を見てみたいとおっしゃっていましたが、実際にご覧になっていかがですか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

思っていたよりも大変ですね。利用者さんの数が増えたらスタッフの数も増やさないといけません。しかし、介護報酬は決まっているので、ビジネスとして成り立たせるためには何かを削らなければいけない。とはいえ、あまりに削りすぎると今度は利用者さんにご満足いただけなくなるので、そのせめぎ合いが大変ですね。

──両立するにはどうするべきとお考えでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

国に介護報酬の引き上げをしてもらうのが一番ですが、こちらにどうこうできる問題ではないので、現在の報酬内でどうにかするしかありません。まず、できることでいえば多店舗展開でしょうね。

──まだオープンして8ヶ月程度ですが、どれくらいで2店舗目のオープンを見据えているのでしょうか。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

「BPリハデイ立石」の利用者さんの人数を2024年中に100人に増やすことを目指していて、1店舗目オープンから1年経ったくらいのタイミングで2店舗目を探し始めようと考えています。もともとは3〜5年くらいで初期投資を回収しようと考えていたのですが、回収する前に2店舗目をオープンしようと考えが変わりました。スタッフもやりがいを持っていきいきと働いてくれていて、「2店舗目やりましょう」と言ってくれています。責任のあるポジションを任せられるように早く多店舗展開したいですね。

──今後の展望を教えてください。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

将来的には「デイサービスだけ」ではなく、「介護と病院」「介護と自費診療」などのようにほかのビジネスを組み合わせることで、いわゆる“モール”のような施設を作りたいと考えています。そうすることで賃金を底上げできると考えていて、たとえば鍼灸院を併設すれば、お金に余裕のある方が利用してくれますよね。ただ、現状では保険診療と自費診療を併用する“混合診療”は原則として禁止されています。ノウハウを積み上げるのはもちろん、さまざまなハードルも越えないといけないと思っています。

──企業側がどうにかしないといけない状況は辛いですね。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

そうですね。でも、夢のないビジネスではないと思っています。ただ、成功する介護グループと衰退する介護グループが二極化すると考えていて、もちろん「BPリハデイ」は成功する介護グループだと感じています。

──その理由は?
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

聞いた話ですと、なかにはデイサービスと称して、利用者さんを連れてくるだけ連れてきてマシーンに乗せて送り返す、みたいな介護グループもあるみたいなんです。ビジネス的には楽でいいのでしょうけど、利用者さんはたいして満足できませんよね。

──そんなデイサービスもあるのですね……。
BPリハデイの幸谷 亮

髙山オーナー

はい。一方、「BPリハデイ」は利用者さんにどれだけ寄り添えるかを重視していて、施設に理学療法士を配置し、利用者さんごとに最適なリハビリテーションを提供しています。利用者さんに満足いただければ今度は奥さまやご親戚が利用してくれますからね。楽をして稼ぐことを考えるよりも、利用者さんの満足度を考えたほうが口コミなどで利用者さんが増えて、いい循環でビジネスが回ると考えています。

──ありがとうございました!

取材を終えて

人手不足が蔓延する介護業界において、その要因のひとつになっているのが低賃金といわれています。介護業界で働きたくても低賃金を理由に働かない人も多く、これこそが業界にとっての大きな損失だといえます。

そういった負の連鎖をどうにか断ち切り、最終的には業界を変えたいと考えているとも語ってくれた髙山オーナー。すでに「BPリハデイ立石」で働くスタッフさんからは、「ほかのデイサービスよりも待遇がいい」という声があがっているそうです。

今後2店舗目、3店舗目とオープンしていき、さらには“医療と介護の総合モール”を作ったあかつきには、本当に業界を変えてそうな将来が見えました。今後の活躍に期待しています!

BPリハデイの幸谷 亮

株式会社Wordeal 代表取締役
幸谷 亮

10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。


BPリハデイのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

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