なぜ未経験でも成功できる?ピラティス「KASANE」のFC戦略に迫る

宮原 史知 |2025年08月01日 公開
Pilates KASANEのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

近年、健康志向の高まりとともに大きなブームとなっているピラティス。多くのスタジオが立ち上がるなか、独自の戦略で成長を続けているのが、株式会社ワールドフィットが展開するピラティススタジオ「KASANE」です。

今回は、同社の二宮圭太セールスチームリーダーに、成長の裏側にあるKASANEならではの強みや、未経験者でも安心して加盟できる独自のフランチャイズモデルについて、詳しくお話を伺いました。

急成長するピラティス市場と「KASANE」の戦略

――まず、現在のピラティスブームと市場の状況について、どのようにご覧になっていますか?
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

様々な特徴を持ったピラティススタジオが増え、業界全体が非常に盛り上がっていると感じています。

従来のフィットネスジム、とくにパーソナルジムは、自分を厳しく追い込むスタイルが主流です。しかし、ピラティスは「きついトレーニングはしたくない、でも理想の体は手に入れたい」という願いを持つ方々に強く支持されています。このニーズが、市場拡大の大きな要因だと考えています。顧客層としては、97〜98%が女性ですね。

――今後もピラティス市場は伸び続けると思われますか?
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

ヨガ市場と似た推移を辿ると予測しています。かつて女性が中心だったヨガに男性の利用者が増えたように、ピラティスも徐々に男性からのニーズが高まっていくでしょう。市場はこれから安定期に入り、さらに裾野が広がっていくと考えています。

――都市部ではピラティススタジオの出店が相次いでいます。「KASANE」の差別化戦略を教えてください。
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

他社との最も大きな違いは、少人数制のグループレッスンに特化している点です。多くのスタジオが10~20名といった大人数でレッスンを行なうなか、KASANEはインストラクター1名に対してお客様は最大4名です。これにより、1人ひとりのお悩みに寄り添った、セミパーソナルに近い丁寧な指導が可能になります。

大人数のレッスンでは、インストラクターの指導が行き届かず、「流行っているから始めたけど効果が見えない」と離脱してしまう方が少なくありません。実際に、そうしたスタジオからKASANEに乗り換えてくださるお客様も多くおられます。

――最近では無人のピラティススタジオも増えています。その点はどう見られていますか?
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

無人やオンラインのスタジオも同じく「ただ通っているだけ」という状態に陥りがちです。それではお客様が本来目指していた「なりたい姿」にはならず、当然すぐに飽きられてしまいます。

ですから私たちは、専門知識を持った人間が対面で丁寧にアプローチすることこそが、お客様の本当のニーズに応える最善の方法だと確信しています。

驚異の出店スピードを支えるのは「誠実さ」

――続々と店舗数を伸ばしているKASANE。今後の出店目標について教えてください。
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

現在も順調にご加盟いただいており、既存店と出店予定を合わせると、年内(2025年)に約30店舗になる見込みです。さらに、来年末(2026年末)までには、少なくとも80〜100店舗の展開を目指しています。

――すごい勢いですね。出店エリアについてはどうお考えですか?
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

KASANEは運営委託モデルなので、特定のエリアに絞らず、全国どこでも出店が可能です。オーナー様がお住まいの地域に関わらず、収益が見込める良い物件があれば、北海道でも沖縄でも経営ができます。この自由度の高さが、事業展開のスピードをさらに加速させています。

――KASANEの出店が順調な理由の1つに、初期費用が抑えられる点もあると思います。なぜ低コストを実現できるのでしょうか?
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

内装工事費用に本部の利益(キックバック)を一切乗せておらず、純粋な工事費用のみで開業できるため低価格を実現できています。フランチャイズ本部のなかには、指定の工事業者を利用することが義務付けられているところもありますが、当社はあくまで「推奨業者」という位置づけです。ですから、オーナー様が金額や内容に納得できなければ、自由に相見積もりを取っていただいて構いません。

また、保証金と物件紹介料も一切いただいていません。開業に必要な最低限の費用しかご請求しない。この姿勢が結果としてオーナー様からの信頼に繋がり、増店という形で返ってきているのだと考えています。

――誠実な対応が、事業の成長を加速させているのですね。
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

その通りです。目先の利益を追求するのではなく、加盟していただいたオーナー様と共に成長していく。それが私たちの基本的なスタンスです。実際に、グループ全体の加盟オーナー様は約50〜60社ですが、店舗数は180~190店舗を展開しています。なかには、1社で20店舗近く展開されている方もいらっしゃるほど、増店率が高いのが特徴です。

成功の鍵は「運営委託」なぜKASANEだけが実現できるのか

――KASANEの特筆すべき点として、投資回収が最短17ヶ月を目指せることも挙げられます。その秘訣は何ですか?
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

KASANEはセミパーソナルで手厚いサポートを提供している分、会費は他社より少し高めに設定しています。しかし、価格以上の価値と満足を提供すれば、お客様が離れることはありません。事実、月次の解約率は5%以下と極めて低い水準を維持できています。辞める方が少ない一方で、新規の入会は安定している。だからこそ、投資回収も早くなるのです。

――「価格以上の価値と満足を提供する」とはいえ、そう簡単にはできません。なぜKASANEは成功しているのでしょうか?
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

最大の理由は「運営委託」にあります。ピラティス事業の成功は、質の高いインストラクターを採用・育成し、定着させられるかにかかっています。しかし、これは非常に難しいことです。

一般的なフランチャイズでは、オーナー様自身が求人から採用、スタッフ管理まで行ないますが、業界未経験の方にとっては大きな負担となり、サービスの質を維持できずに失敗するケースも少なくありません。

――わかっていても実現するのは難しいですよね。
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

そこで私たちは、採用から教育・店舗運営の全てを本部が代行するスキームを構築しました。これにより、オーナー様は人材に関するリスクや手間を一切負うことなく、常に質の高いサービスを提供できます。運営のプロである私たちが責任を持って運営するので、成功の確度が高いんです。

――オーナー自身で運営することも可能なのでしょうか?
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

「自社運営」も可能ですが、これまでご加盟いただいた全てのオーナー様が「運営委託」を選択されています。専門知識が必要なスタッフの教育体制を自社でゼロから構築するのは、実際のところ非常に困難です。多少ロイヤリティを支払ってでも、運営を本部に任せる方がリスクが低いとご判断いただいています。

――KASANEが加盟希望者から高く評価されているのも、納得できる内容でした。しかしなかには、加盟契約に至らないケースもあるのですか。
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

もちろんあります。最近データを精査したところ、面談した方のうち出店可能な資金をお持ちの方の約7割がご契約に至っていました。ご契約されなかった残りの3割の方は、利回りが低い代わりに、失敗しても実物資産が残る「不動産投資」を選ばれる傾向にありますね。そこはどちらが優れているということではなく、オーナー様の考え方次第です。

加盟を検討している方へのメッセージ

――最後に、加盟を検討している方へメッセージをお願いします。
Pilates KASANEの宮原 史知

二宮 圭太

私は前職も含め、これまで1500人以上の方のフランチャイズ加盟に関するご相談に乗ってきました。資金のこと、経営者としての適性、採用の問題など、あらゆるお悩みに向き合い、解決策をご提案してきた自負があります。

そしてなにより、KASANEが目指すのは、お客様が自信を取り戻し、より美しく輝くためのお手伝いをすることです。悩みを抱える女性が、自分の理想の身体を手に入れて笑顔になる。そんな素晴らしい事業を、私たちと一緒に全国に広げていただけますと幸いです。

――本日は貴重なお話をありがとうございました。

取材を終えて

今回、二宮さんのお話を伺ったなかで、とくに印象的だったのは「誠実さ」への強いこだわりでした。加盟店と真摯に向き合う本部の姿勢は、多くのオーナーから信頼を集める大きな要因でしょう。成長市場で社会貢献性も高く、かつ未経験からでも安心して挑戦できる。

KASANEは、これからの時代に求められる新しいフランチャイズの形を提示しているように感じました。事業投資の非常に有力な選択肢として、魅力的なモデルであることは間違いないでしょう。

Pilates KASANEの宮原 史知

フランチャイズメディア 編集者兼ライター
宮原 史知

大阪府堺市出身の編集者・ライター。これまで100以上のフランチャイズ関連コンテンツの制作に携わる。Webプログラミングや動画編集・SEO分析をはじめとした、幅広い業務経験を活かした記事制作が強み。既知のテーマに対して新しい視点を提供し、読み手が「ワクワクする」ようなコンテンツ作りを信条としている。