デイリーヤマザキの商品展示会とは?一般客が参加できない限定イベントに潜入

フランチャイズWEBリポート編集部 |2025年12月24日 公開
ヤマザキお取引先様・デイリーヤマザキ展示会 入り口

コンビニ各社が行う『商品展示会』とは、コンビニの新商品や新サービスの紹介や導入の狙いなどを、オーナーをはじめとする同コンビニ関係者が一同に会し共有するというもの。

この商品展示会は、オーナーや招待を受けた加盟検討者など、各コンビニ関係者しか参加できないイベント。

今回は特別に山崎製パンが展開するコンビニ「デイリーヤマザキ」の2025年の商品展示会に招待いただきました。会場の雰囲気や展示の様子を可能な限りお届けします。

コンビニの商品展示会とは?

コンビニ各社が開催する「商品展示会」とは、これから販売を開始する新商品のポイントなどを、直接オーナーに見たり試食いただき、これからの店舗経営に活かしていただく重要なイベントです。

社外秘の情報や発売前の新商品が展示され、原則、参加者はコンビニのオーナー・店長・スタッフ・加盟検討者・取引先などの関係者のみとなっています。展示内容はコンビニ本部ごとに違いはありますが、新商品のPR以外にも、今後の経営方針や取り組み、全国の店舗での成功事例の共有、新しく導入されるシステムや機器の紹介など、オーナーや加盟検討者にとっても勉強になるイベントです。

山崎製パンの商品が勢揃い! 「デイリーヤマザキ展示会2025」に潜入

全国の3会場で例年秋に開催される山崎製パン主催の「ヤマザキお取引先様・デイリーヤマザキ展示会2025」。この展示会はヤマザキグループ全体の展示会であり、秋冬の新商品やデイリーヤマザキの運営方針などを来場者に披露する場となっています。

新商品のPR以外にも、今後の経営方針や取り組み、全国の店舗での成功事例の共有、新しく導入されるシステムや機器の紹介、ライブキッチンでの調理実演、モデル店舗での効果的な品揃えやレイアウトの提案も。

さらにはPOP教室や人材育成、品揃え・発注に関するセミナーなど、オーナーにとって店舗経営のヒントやモチベーション向上につながる勉強の場が充実しています。

ヤマザキのグループ商品が集まる展示会

展示会の来場者のメインは現在お店を経営されているオーナーの方々。これからの季節に向けてどのような課題対策をしていくかというのを解決するために来場されています。

ほとんどのオーナーや店長は毎年参加されており、様々な商品を試食し、お店の問題解決のヒントを持ち帰っているとのことでした。また、展示会に招待された加盟検討者の多くの方は、ヤマザキグループの商品力とバックアップ体制に魅力を感じ、加盟する際の動機付けの一つとなっているとのことです。

創業から現在に至るヤマザキの歴史と理念

受付を入ってすぐ、最初に目を引くのは、創業から現在に至るまでのヤマザキの歴史が綴られた70年間の年表。 1948年に、小麦とパンを物々交換する委託加工として山崎製パン所を開業して以来、山あり谷あり、激動の時代を乗り越えながら、「すべての仕事を種まきの仕事から開始する」理念で現在のヤマザキが作られていったことが伝わってきます。

進化を続けるデイリーヤマザキのオリジナル商品

会場を進んでいくと、人が一際集まっていたのが「試食コーナー」です。パンの焼ける香りが漂い、食欲をそそる雰囲気で来場者を迎えていました。 試食コーナーでは、発売前の商品を含むヤマザキオリジナル商品や、お店で作る惣菜・弁当、店内で焼かれるパン、和菓子、洋菓子など、様々な商品がふんだんに紹介されています。

商品担当者から直接こだわりやポイントを聞きながら試食できるのも、この展示会の醍醐味です。この秋発売の新商品を試食する機会もあり、試食でいただいた「さつまいものクイニーアマン」「ミルフィーユブレッド」「渋栗マロン」は、それぞれにこだわりの素材と製法が感じられました。特に渋栗マロンは、こだわりの栗のクリームが入った秋らしい味わいの一品でした。

パンだけじゃない!ヤマザキグループの目白押し商品と新たな戦略

パンだけではなく、スイーツや調理麺の試食・紹介コーナーも充実。ドリンクやスナック、和菓子、洋菓子、サンドイッチ、ラーメン、コーヒー、ホットスナック、アイスクリームなど、幅広い商品ラインナップが勢揃いし、特にアイスコーナーでは大人気のサーティワンアイスクリームのカップ商品も展示されていました。

2025年の多様なニーズ、健康志向、節約志向、ボリューム志向に応える新商品が展示されており、他のチェーンにはない独自の仕入れ商品の魅力を伝えます。

デイリーヤマザキといえば焼き立てパン!店内調理システムの「デイリーホット」の歴史と魅力

デイリーヤマザキ独自の店内調理システム「デイリーホット」コーナーでは、焼きたてパンと手づくり弁当・おにぎり・サンドイッチが中心に紹介され、試食も行われていました。

撮影禁止のライブキッチンでは、熟練の調理スタッフによる実演が行われ、店舗で働く方が調理のやり方を再度学ぶ場ともなっているそうです。

デイリーヤマザキは、その長い歴史の中で培われたノウハウによって、調理経験がなくてもマニュアルに沿って作れるようサポートが充実。特に衛生面には力を入れて取り組んでおり、他社にはないデイリーヤマザキの大きな強みであり、加盟検討者からも差別化ポイントとして高く評価されているとのことです。

「ヤマザキらしいお店づくり」を再現したモデル店も

さらに会場を進んでいくと、ヤマザキらしいお店づくりを再現したという「モデル店」の展示も。このモデル店では、デイリーホットを導入した住宅地立地を想定して作られており、来場者は「売れる仕組みづくり」を体感できます。

限られた狭いスペースでいかに顧客に商品を手に取ってもらうかという、きめ細やかな工夫が随所に詰まっています。店舗レイアウトや陳列のノウハウ、戦略商品の効果的な見せ方など、売り場作りの多岐にわたるヒントが提供されており、オーナーの皆様が日々の店舗経営に活かせる情報が満載でした。

モデル店舗の各所では、「こうすれば売上が上がりますよ」という具体的なアイデアが掲示されており、オーナーの方々が抱える「売上」の課題に対する解決の糸口を提供しています。その内容はまさに門外不出のノウハウを凝縮したもので、来場者の関心を強く惹きつけていました。

新規出店の現場責任者が語るデイリーヤマザキ展示会のPRポイント

さて、こうした展示会がどのような目的で開催されているのか。その見どころについて、千葉県の松戸地区で新規出店の現場責任者を務める小島氏にお話を伺いました。

—— 今回初めて参加したのですが、非常に盛り上がっているように感じました。どのような方が来場されているのでしょうか?

小島氏:ありがたいことに、毎回盛況のイベントとなっています。来場者のメインは、現在お店を経営されているオーナーの方々ですね。冬に向けてどのような課題対策をしていくかというのを解決するために来場されています。

—— 来場された方々からはどのような感想を持たれることが多いでしょうか?

小島氏:皆さん毎年、色々な商品を試食して「こんな商品が展開できるんだ」とか、「こういうことをやっていけば自分のお店の問題が解決できる」というヒントを持ち帰ってもらっていると思います。来て、食べて、飲んでみて、その情報を経営に活かそうとされていますね。毎年お見えになっているお店のオーナーや店長も多いです。

—— 今年の展示会で特に力を入れた取り組みは何でしょうか?

小島氏:一つは、秋冬に向けた商品展開の紹介です。どういう商品を品揃えして売上アップにつなげるか、この紹介に力を入れていました。 あとは、展示会を通じて解決の糸口を見つけていただくという点にも力を入れました。オーナー・店長に、私たちの強みや理念、取り組みを理解していただき、モチベーションを高めていただけると嬉しいです。

限られた狭いスペースで商品を置いて、いかにしてお客様に手に取っていただくかというのが重要な工夫の一つですので、そういったヒントをなるべく多く提供できるよう工夫しました。

—— 実際に拝見して、限られたスペースでの細やかな工夫に驚きました。ここ1、2年で、売り場やお客様に何か変化はありましたか?

小島氏:ここ最近の変化ですと、全体的に健康志向が強まっていると感じますね。野菜ジュースや機能性の商品をお買い求めいただくことが多くなりました。

売り場側も消費者側の変化を敏感にキャッチして、提案に活かしています。それがなければ、お客様は飽きてしまって来なくなってしまいますから。

—— 消費者側の変化ですと、コンビニ業界全体において、特にコロナ後の直近2年間で感じた変化はありますか?

小島氏:コロナ禍はコンビニ業界にとって非常に厳しかったですね。お客様が外出しないので、デリバリーサービスで用事を済ませてしまうことが多かったからです。

しかし、コロナ後は客足が戻り、リアル店舗の売上は回復しています。コロナ前と比べると、お客様はより来店される店舗を選んで、使い分けをしているように感じます。

例えば、「手作りのお弁当が良いからこっちに行く」というように、目的によって店舗を使い分けているのかなと、個人的には思っています。

—— 最近は、インバウンドのお客様をコンビニでよく見かけるようになりました。その辺りの変化はどうでしょうか。

小島氏:おっしゃる通り、インバウンドのお客様は非常に増えました。私のよく知る都内エリアだと、浅草などは特に来店数が伸びています。

インバウンドの方がよく買われる商品としては、おにぎりやサンドイッチ、特にタマゴサンドが人気ですね。

—— キャッシュレスやセルフレジなど、新しい取り組みについてもお聞かせください。

小島氏:今回の会場にもありましたが、デイリーヤマザキではセルフレジの導入を数年前から進めています。

やはり人手不足がありますので、お客様に自分で会計していただくことで、人件費、つまり人がいない問題に対応しようとしています。

デイリーヤマザキのフランチャイズ経営の特徴

—— 続いて、フランチャイズ展開についてもお話を伺いたいです。デイリーヤマザキのオーナーにはどんな方が多いのでしょうか?

小島氏:オーナーには様々な方がいらっしゃいます。経営経験のある方が以前の仕事を辞めて始められる方、脱サラしてご家族で始められる方、法人として新規事業で参入される方もいますね。

—— 色々な方がいらっしゃる中で、どのようなタイプの方が向いていると感じますか。

小島氏:私個人の考えとしては、やはり人が好き、要は接客や教育が好きだと、長く続くと思います。">自分も一緒になってお店を盛り上げていくという考え方を持っている方に、特にご興味を持っていただきたいですね。

—— デイリーヤマザキの手作りのお弁当や焼きたてのパンは魅力的ですが、調理経験がない方には不安があるかもしれません。この点はどのようにサポートされていますか?

小島氏:新規でオープンして新しく採用する際に、オーナーや店長には本部で研修を受けていただきます。調理マニュアルがありますので、正直、料理の経験がなくても基本的なことを教われば作れるようになっています。その点は心配ありません。

—— ちなみに、デイリーヤマザキは店内調理の取り組みをずっと以前からされていますよね。いつ頃からなのでしょうか?

小島氏:私の入社時には既にありましたので、20年以上は経っています。正式な「デイリーホット」という形になったのは2000年12月からです。

それよりも前に、簡易的な焼きたてパンの機能から始まり、1994年からは試験的な焼きたてパンが導入されていたので、30年以上の歴史があります。そこから本格的に焼きたてパン、お弁当、サンドイッチを作るようになり、現在に至ります。

—— 長い歴史があるからこそ、マニュアルやトラブルを防ぐ工夫が豊富にあるのですね。

小島氏:そうですね。もしうちで何か問題が発生してしまうと、山崎製パンだけでなく、山崎グループ全体に影響が出てしまいます。そのため、特に衛生面には力を入れて取り組んでいます。

—— 最後に、今後のフランチャイズ店舗展開についてお聞かせください。

小島氏:現在は新しい店舗を始めるよりも、既存の直営店で実績のあるお店を、まずオーナーに引き継いで経営を始めていただくということを進めています。

小島氏:まず直営店で店舗を立ち上げて、軌道に乗ったお店をフランチャイズオーナーに渡していくやり方が、オーナーにとっても安全だと考えています。これはリスクも少ないため、大きな魅力となるのではないでしょうか。

ーー 関係者限定で開催されているイベントということで、商品展示会が行われていることを知らない方ってたくさんいると思います。コンビニ経営を検討されている方にこんなイベントがあるんだ、ということを本記事を通じて伝えられたらいいなと思います。本日はありがとうございました。