つぼ八が居酒屋から“肉”にシフト!ステーキ店や牛タン居酒屋などに注力
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居酒屋チェーンで有名な「つぼ八」。居酒屋のイメージが強くありますが、実は“肉業態”にシフトしています。ショッピングモールに出店している「Newyork STEAK FACTORY」が好調なのがその背景にあるようですが、ここではつぼ八の複数ある業態の事情ふくめ取り上げます。
つぼ八の主力事業になるNewyork STEAK FACTORYとは
2014年12月に、イオンモール岡山のフードコートにて1号店を出店したステーキショップ。30日間熟成した厚みのある牛肉を店内で焼き提供しています。
なんとこのショップ、同テナントの店舗のフードコート内で売上高トップになったのだとか。1ポンド(450g)で約2000円というコスパのよさで、家族客やショッピングに来た若い男性の人気も集めていそうです。
未だイオンモール岡山の一店舗のみですが、今後は商業施設のフードコートやレストランフロアなどに30店舗ほど出店予定だそうです。
ホルモン焼「伊藤課長」と「牛たん ささ川」にも注目。アジア進出も好調
つぼ八グループは複数の飲食ブランドを展開しています。中でもホルモン焼「伊藤課長」は、現在10店舗展開しているのを30~50店舗目標に。「牛たん ささ川」は2店舗目を北海道にオープン予定ですが、5~6月ごろ、フランチャイズ募集も開始するようです。
もともと飲食ブランドをいくつも展開してきたつぼ八グループなので、居酒屋ビジネスにしばられず、肉ビジネスにまで手を広げやすいのでしょう。つぼ八の親会社(日鉄住金物産)から肉を調達できることも強みですね。
また、東南アジア進出にも注力しているのが特徴で、「つぼ八」を居酒屋でなく和食レストランとして展開。トンカツやカレーなどの定番メニューが人気を集めています。
また、「伊藤課長」の方もシンガポールで展開していて、近隣諸国からもお客が来るほどの盛況ぶりだそうです。
なぜ居酒屋から肉にシフトしたのか
日経新聞によると、塩野入稔現社長が取材にこのように答えているようです。以下引用します。 「居酒屋は厳しい。一方、肉は親会社から調達できる強みがあり、専門業態を伸ばして居酒屋事業を下支えする」(日経新聞より)
宅飲みや、吉野家などでのちょい飲み文化へのシフト、宴会需要減少などの背景も影響しているのかもしれませんね。主力事業だった総合居酒屋「つぼ八」は現在、フランチャイズ店舗がピーク時の半分ほどに減っています。(500店舗→270店舗)
ちなみに「伊藤課長」に関しては、比較的ほかのチェーンよりも低投資で開業できるということで、個人オーナーでも独立できるようです。
つぼ八グループが積極的にフランチャイズオーナーを募集するとしたら、「つぼ八」よりも「伊藤課長」ではないかということが見込まれます。