モスクラシック、ベアバーガー、カールス・ジュニア!グルメバーガー3社を食べ比べ
昨年2015年は、シェイク・シャックにカールス・ジュニアなどアメリカのハンバーガーブランドが日本に上陸してきた年でした。健康志向で素材にもこだわった高品質なハンバーガーをおしゃれな空間で食べることがトレンドになってきた年でもあります。 今回は、ハンバーガー業界のトレンドについて注目しました。さらに、今までマクドナルドを中心に日本で流行っていた低価格バーガーとは違うグルメバーガーをウェブリポ編集部が3チェーン食べ比べをしたのでご紹介します。
日本のハンバーガー業界の今
日本マクドナルドの回復劇
今冬、株式売却に関するニュースが報じられた日本マクドナルド。一時期は業績不振ともメディアでささやかれてきましたが、最近3か月ぶりに黒字となり既存店売上高が回復しました。
新メニュー投入(ロコモコバーガー、クラブハウスバーガーなど)やユニークなキャンペーンの実施(期間限定バーガーの名前を募集する企画)などが回復要因としては挙げられるようです。
最近では裏メニューの提供を開始し、3種のスペシャルトッピング(ハラペーニョ、クリームチーズソース、スモークベーコン)を15種のハンバーガーメニューに好きにトッピングして食べることができる・・という試みも始まっています。 (トッピング料は各40円)
トッピングメニューといえば、カレーハウスCoCo壱番屋なども従来から実施していますが、トッピングを加えるだけで客単価1000円以上にもなる仕組みになっていますよね。
少し高くても、付加価値のあるものにお金を払う人々の傾向はまだまだ続きそうです・・
▼カレーハウスCoCo壱番屋といえば、昨年ハウス食品の子会社になっていました https://web-repo.jp/blog/1315
日本のバーガー業界に揺さぶりをかける!グルメバーガーの台頭
昨年2015年は、シェイク・シャックにカールス・ジュニアなどアメリカのハンバーガーブランドが日本に上陸し、健康志向で素材にもこだわった(お肉はアンガスビーフ!など)高品質なハンバーガーをおしゃれな空間で食べることがトレンドになってきた年です。
シェイク・シャックや2015年に上陸してきたベアバーガーなどはまさにその典型ですが、カールス・ジュニアは少し異質ですね。どちらかというとターゲット層は食欲旺盛の若い男性メインになるので・・(後ほど解説)
グルメバーガー3チェーンをウェブリポ編集部が食べ比べをしたのでご紹介していきます。
グルメバーガー3チェーン食べ比べ
モスクラシック
編集部1が注文したのは、手前に見えるアボカドバーガー(¥1,150)、ハートランド生ビール(¥550)。 編集部2が注文したのは写真奥のハンバーガー(¥900)、スミノフレモネード(¥580)。
ハンバーガーのバンズはふんわり。お肉は粗びきでジューシーな触感ですが、カウンター席前の鉄板でこのようにじゅ~っと焼き上げてもらえます。
お味のほうは・・モスバーガーとは一味違います。もちろんモスバーガーもおいしいのですが、多くお金を払った分だけの付加価値がモスクラシックのハンバーガーには存在しているのです。(アボカドの濃厚さはさることながら、お肉の満足感などワンランク上)
モスバーガーのハンバーガー(¥220)、アボカドチリバーガー(¥450)と比較するとポテトがついてくるといえど高価格な価格設定になっていますが、モスバーガーとモスクラシックとでは用途がまったく違います。
モスバーガーが普段使いできるハンバーガーショップなら、モスクラシックはお酒と一緒にハンバーガーが楽しめる大人のためのハンバーガーレストランというように。
モスクラシックは渋谷区千駄ヶ谷に2015年11月オープンしましたが、新宿駅からも原宿駅からも徒歩20分ほどという立地でオフィスビルも多いので、会社員のお客様も見込めるのではないでしょうか。ランチというよりはディナー使いを意識している雰囲気でした。
ベアバーガー
ベアバーガーは2015年7月にアメリカから上陸してきたハンバーガーチェーンです。日本1号店は自由が丘にあります。とにかく外装、内装がとても凝っていて、カフェ好きな女性にも好まれそうな造りになっています。
アート好きの方にもたまらない外装・内装なのではないでしょうか・・アパレルブランドのTOMORROW LAND(トゥモローランド)が日本で店舗展開する権利をアメリカ現地本部から得ているのですが、ライフスタイル事業に力を入れていることがそもそも起点にあるようです。
アパレルに限らず世界中の魅力的なブランドを発信することや、ものづくり企業として質の高いものを届けることがTOMORROW LANDの事業展開目標にあるのだとか。(ちなみにベアバーガーをニューヨークで発見し、事業展開を思い立ったたのはTOMORROW LAND会長の佐々木啓之氏)
さて、そんなベアバーガーのハンバーガーは・・・
編集部が注文したのは、ハンバーガーのエルマタドール(¥1,680)、サラダのベビーグリーン(¥580)。写真にはありませんがシェイクのバニラ味(¥850)も注文しました。
エルマタドール、アボカドにハラペーニョなどを使用していてすこしピリッと辛め・・でしたが、あっさりな味わいです。サラダと合わせて食べると、「あ~、野菜摂った!」という気持ちになれますよ。
オーガニック・グルメバーガーという呼称やこの写真の緑の割合からもわかるように、体に優しい健康志向のバーガーであるのがベアバーガーの特徴でした。(ちなみに野菜には極力ホルモン剤や農薬を使わないようにしているのだとか)
ベアバーガーのベアとは、ありのままという意味ですが、オーガニック素材の野菜をふんだんに使っていて、従来のハンバーガーならではのボリューム感をいい意味で感じませんでした。さらっと食べれるハンバーガーですが、しっかりと肉やソースに味がついています。
ちなみに屋外席も。 アート×オーガニック。食だけでなく空間を楽しめるというベアバーガーでした。
カールス・ジュニア
カールス・ジュニアの日本1号店は今年の3月にオープンしました。(正確には2度目の日本上陸ですが) 編集部が注文したのは、ワカモレベーコンシックバーガー(¥1,020)、チリチーズフライのMサイズ(¥330)。
「ワカモレって何?」と思い調べてみると・・メキシコ料理のサルサの一種とのこと。アボカドの分量多めでトマト、玉ねぎ、レモン果汁やライム果汁などをすりつぶして混ぜてあるようです。タコスやトルティーヤの具にも使われるのだとか。
パティ自体は、ボリューミーで食べごたえがありましたが、ワカモレのおかげですこしさっぱりするような味わいです。チリフライは辛めなのかと思いきやそんなに辛さは強くありませんでした。
カールス・ジュニアは、モスクラシックやベアバーガーと比較すると、若い男性向きかもしれません。
なかなかに混んでいます。そして秋葉原という立地もあってか外人観光客の方もちらほら。
外装はこんな感じ。内装もですが、黒を基調としていてシックですね! ベアバーガー行ってからの・・カールス・ジュニア。
お店の雰囲気も、ハンバーガーも客層も。方向性が全く違い、グルメバーガーといえどそれぞれ個性が違うんだと再確認したのでした。
番外編:ここで、日本マクドナルドの客単価UP施策?を体感してみる
冒頭でも触れたマクドナルドの裏メニューバーガー。編集部も注文してみました。
ビッグマック(¥370)にハラペーニョ(¥40)をトッピング。 グルメバーガー3社に続けてみると、とても低価格に見えますね。
さて、お味のほうですが。緑の唐辛子、ハラペーニョの酸味とピリっと感がまず伝わってきました。これだけで、いつものビッグマックとは一味違います。
「グルメバーガーに手を出すのは少し勇気がいるけど、いつものマクドナルドのハンバーガーじゃないものが食べたい」という方のニーズにはマッチするのかもしれません。
まとめ→ハンバーガー業界は国内勢も海外勢も差別化がカギ
モスクラシックは国内勢のリッチ版、ベアバーガーは海外初のおしゃれ系(バーガーだけでなく食べる空間にもこだわり)、カールス・ジュニアはヤングマン向け・・3社もそれぞれ差別化が為されていました。
ハンバーガー価格帯で言うと、ベアバーガーが1500円以上とすこし突出して高価格でしたね。 シェイクシャックが1200円~1300円ほどのシャックスタックという看板メニューのハンバーガーを販売しているのよりもさらに。
グルメバーガーと一口にいっても、ハンバーガーのコンセプトも違えば、空間もお店の使い方も違うのです。
ハンバーガーショップ=ファストフードというイメージだけの時代ではありません。 Barやカフェ、レストランの要素が混ざった新たなカタチを私たちに提案し始めています。
その分今、日本のハンバーガーチェーンは競争化が進むと思われますが、それぞれすみ分けが為されることで業界は盛り上がるし、私たち消費者の満足度も高まるのではないでしょうか。