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2015-05-01 小説で起業ノウハウを学ぶ!FCビジネス起業物語
フランチャイズ研究会 中小企業診断士&1級販売士
若林和哉 |
フランチャイズ研究会執筆『フランチャイズでラーメン店に業態転換。そして多店舗展開へ』
事業承継と複数本部加盟へ

起業物語の登場人物
中田慶介(28歳) 地元の神奈川県の高校を卒業後、父である浩(63歳)の居酒屋を手伝っている。独身。
2店舗目をオープンしてから5年がたった。
浩の会社は、A社のラーメン店を5店舗運営する会社となっていた。2店舗目をオープンしてから3年後に2店を立て続けにオープンして、つい半年前に5店舗目をオープンした。
間があいたのは、景気の動向を見極めたり、納得いく物件に出会わなかったりしたからで、無理に出店することは避けていたのだ。現在の5店舗はドミナント戦略を意識してすべて政令指定都市であるZ市にオープンした。
浩は3年前くらいから事業承継について考えていた。ラーメン事業を慶介にある程度まかせたことで、慶介にも経営者としての成長が見られるようになっていた。慶介のリーダーシップのもと、売上を伸ばし経費はできるだけ抑えることで、ラーメン事業全体で安定した利益が出せるようになっていた。効率を考えて5店舗すべてZ市にオープンしたのも慶介のアイデアだった。
5店舗目はオープンして間もないものの、慶介はマネージャーとして三浦やその他の店長をまとめながら事業を統括していた。浩は事業がうまくいっている今だからこそ、このタイミングで慶介に経営権を譲ることを決意した。
「慶介、話があるんだ。ちょっといいかな。」
浩は店舗巡回から戻ってきた慶介に話かけた。
「前から考えていたことだが、ラーメン店が5店舗オープンして順調に成長しているこのタイミングで、慶介に社長の座を譲ろうと思う。」
慶介に驚きはなかった。浩とことあるごとに会社全体についての方向性について話をしてきていたし、若手後継者が集まる勉強会に自主的に参加し、浩もそれを喜んでくれていた。慶介自身、すでに準備はできていた。
「そうか、わかったよ。ラーメン事業も含めてもっと会社が大きくなるように頑張るよ。」
浩はすでに銀行には慶介を社長にする旨を打診して反応を確認していたが、慶介の意向を確認して改めて銀行に伝えた。
取締役会と臨時株主総会を経て、慶介を社長に選任し、浩は相談役として残ることとなった。銀行やA社などの取引先への挨拶を経て、正式に慶介が社長として経営することとなった。