2014-12-26 小説で起業ノウハウを学ぶ!FCビジネス起業物語
フランチャイズ研究会 中小企業診断士
池田安弘 |
フランチャイズ研究会執筆『買取ビジネスへの挑戦・夫婦で取り組むセカンドキャリア』
スピードと事業リスク・フランチャイズという選択
起業物語の登場人物
山本真一(54歳)、妻洋子(49歳) 東京の中堅商社に勤務。定年は60歳だが「体力に自信のある間にもう一度何かにチャレンジしたい」と考えるようになった。 これまでは仕事中心の生活で特に妻に負担をかけてきたので、これからは出来れば妻と一緒に働ける事業が出来ればと考えている。
●フランチャイズについて学ぶ
山本真一と洋子は夫婦そろって、フランチャイズショーの会場を訪ねた。FCショーの会場で、たくさんのFC本部がサービス業、物販業、飲食業など様々なビジネスを提供していること、投資額の大きなビジネスから小資本でスタートできるビジネスまで、様々なビジネスがあることを知った。
リサイクル関連のビジネスだけでも、小資本で開業できるブランド品や貴金属、商品券などの買取ビジネス(真一が通勤するときに通る商店街で見かけたことがある)もフランチャイズビジネスとして出展していた。
少し大がかりな店舗や設備が必要となる、家電製品、パソコンなどの買取ビジネス(以前、不要になった家電製品やスケードボードを二人で買い取ってもらったことがあった)がフランチャイズの形で提案されているのだということも知った。
驚いたことにテレビで見たことのある中古車の買取ビジネスで有名なチェーンも、何度か利用したことのあるゴルフ用品の店もフランチャイズビジネスだったのだ。
フランチャイズショーの後、改めて創業相談を真一と洋子の二人で申し込んだ。
「ショーは参考になりましたか?」と相談員のY氏。
「驚きました。今まで知らなかったんですが、身近に利用しているいろいろなお店がフランチャイズのお店だったんですよね。」と真一。
「コンビニはフランチャイズということは知識では知っていましたが、私が利用しているカーブスやブックオフ、時々利用するカフェもフランチャイズだったんですね。驚きました。」と洋子。
「そうですね、実は日本のスモールビジネス・・・これは比較的投資額の少ないビジネスと考えてください・・・このスモールビジネスの分野ではすでに相当部分がフランチャイズの仕組みで提供されています。買取ビジネスに関しては、いかがでしたか? いろんな本部の話を聞けましたか?」とY氏。
「はい、チャンスなのでいろんな本部の話を聞きました。分かったことは、電化製品やスポーツ用品などの買取ビジネスは比較的大型の店舗になっているということです。僕が利用したことのあるゴルフ用品のお店もフランチャイズでしたよ。」と真一は、興奮気味に話す。
「ブランド品や貴金属、コイン、商品券のような比較的小さなものを買い取るビジネスは買い取りの範囲が広くて、コインだけとか、切手だけの買い取りというのはありませんでしたね。幅広く買い取ることでお客さんの数が増えて、売上が上がるようになるんですね。」集めてきたパンフレットを見せながら説明する真一。
「驚いたことに、貴金属の評価は自動的に機械で出来るんです。ブランド品の見極めも難しいものはネットでその場で本部に相談が出来るんです。」と、彼は一種のカルチャーショックを受けたようだ。
「そうですね、加盟する側、これをフランチャイジーといいますが、ジーから見るとフランチャイズシステムというのは、ビジネスの仕組みをパッケージの形で提供してくれる仕組みです。フランチャイズの仕組みに驚かれたようですが、フランチャイズシステムにはメリットと同時にデメリットもあります。この両方を良く理解してお二人が事業を始めるときにフランチャイズを選択するか、独自に始めるかを評価することが大切ですよ。」