2016-02-27 FC本部向け小説
行政書士
川本到 |
どこの法律を適用するべきか?(海外との契約の条件交渉)
このコラムのポイント
日本とマカオ、両国でエリアデベロップメント契約を締結する場合。どちらの法律が適用されるのか?二本にはフランチャイズ法がない―そこを突くマカオ側に対する登場人物、川村渉の回答にも注目してください。
フランチャイズWEBリポート編集部
マカオと東京との間には1時間の時差がある。
7時半に朝食会場に集合と言われたので、朝食会場に行くと、すでにわたるさんと真下専務は朝食を食べていた。
「おはようございます」
挨拶をすると、
「お前、昨日の夜、カジノとか行ってみた?」
朝一番、挨拶もそこそこに、「カジノ」って・・・。やっぱりこの人、出張の時、遊びに行ってる。僕は確信した。
「行ってないっす。」
「なんだ、お前、マカオ来てカジノ行かなかったら損だぞ。」
“だから、仕事だって!! どうせ、これで遊びに行ってたら、「バカヤロー、遊びに来てんじゃねぇんだぞ!」とか怒鳴るに決まってるし”
と思ったら、真下専務まで頷いている・・・。
「じゃあ、専務、今日の打ち合わせしますか。酒井、飯食いながら聞いていればいいからな。」
といって、わたるさんは仕事の話をしはじめた。
どうやら、今日の本格的な契約交渉の条件を詰めているようであった。
集合はロビーに9時半、交渉開始は10時からだった。
10時少し前に何弁護士の事務所に到着した。昨日来ているし、何弁護士や黄社長ともあっているから、今日は多少気楽だった。
何弁護士も黄社長も同じなのかもしれない、昨日に比べて、笑い声も出ながら午前中の交渉は順調に進んでいった。経済条件や出店に関する約束事なども、多少の意見の調整はあったが、昨日みたいなことにならなかった。
正直なことを言えば、海外の会社との契約交渉ってもっと激しいやりとりがあるものなのかとも思っていたが、僕には拍子抜けだった。
お互いに午前中の交渉が終わったところで、ランチに行くことになった。
「ミスターマシタ、せっかくなので、ランチを一緒にいかがですか?」
黄社長が午前中の交渉を終えたところで、何気なく、真下専務に話しかける。
「専務、・・・・・・。」
すかさず、わたるさんが何かを小声で話しかける。
「まぁ、まぁ、いいだろう。酒井、お前何食いたい?」
「やっぱ、中華っすかね!」
真下専務が黄社長に僕の希望を伝えてくれて、なんと昼から豪華な中華料理を食べにいくことなった。
ヤッターーーー!!