フランチャイズ本部の儲けの仕組みと儲からないことによるデメリット

フランチャイズ本部の儲けはどこからきているのか?

前回までのコラムでは、フランチャイズ起業のメリット・デメリットメガフランチャイジーを目指すためのポイントについて解説しました。

今回からは『フランチャイズ本部の選び方』について解説していきますが、第一弾としてフランチャイズ本部の儲けのしくみについてお話していきたいと思います。

フランチャイズ本部の儲けは大きく言うと3つから成り立ちます。ただし、必ず3つあるのではなく、本部の戦略により異なります。しかし、おおよそこの3つに集約されるかと思います。

フランチャイズ本部の3つの儲け

1.加盟金・研修費

フランチャイズ本部は加盟金や研修費という費用を設定し、加盟するオーナーから徴収しています。

加盟金は簡単に言うと、フランチャイズノウハウを有料で売りますよというものです。また、商標の使用費用やノウハウを購入する費用として加盟者から本部へ加盟前に支払いが行われます。

研修費は、加盟するオーナーに技術や接客、経営ノウハウなどを身に着けていただくための費用です。

フランチャイズ本部とはこのように、オーナーに対して加盟前から加盟金や研修費を徴収することで収益を上げています。

2.ロイヤリティ・手数料

月毎の経営相談やノウハウの提供、商標マーク等の継続的な使用等の費用として、フランチャイズ本部はロイヤリティを加盟するオーナーから徴収しています。

ロイヤリティは、売上分配であったり、粗利分配であったり、固定であったりします。売上や粗利が増加する方式であれば、オーナー店の売上や粗利が上がるほど、フランチャイズ本部の収益も上がる・・という仕組みです。

固定ロイヤリティであれば、オーナー店の売上や粗利がどれだけ増えてもロイヤリティが同じという仕組みとなっており、両方にメリット・デメリットがあります。

また手数料とは、オーナー店にとって非常に煩雑な事務作業を本部が代行する際に、事務手数料等という名目で徴収するものです。それ以外に、システム使用料や広告分担金等もあります。

フランチャイズ本部はこのように、加盟オーナーから継続的にロイヤリティや手数料などを得ることで収益を上げています。

3.原材料・紹介業者などの紹介料

最後は、本部から原材料を購入することになっている場合、当然、加盟者は原材料を本部から購入します。加盟しているオーナーが本部から原材料を買うということは、本部が卸売業者の立場となるということですので、その場合の販売差益が収益として上がります。

店舗を構える場合、多くの場合は、加盟しているオーナーは業者を知らないものです。そんな時に、加盟者に業者を紹介することで、業者から紹介料を徴収するといった本部もあります。この紹介料も本部の収益となってきます。
また、紹介業者からのリベート収入などもフランチャイズ本部にとって、儲ける仕組みとなっているのです。

上記3点をフランチャイズ本部の儲けとしてご紹介しましたが、全てのフランチャイズ本部が行っているわけでもなく、各フランチャイズ本部が様々な儲けの仕組みを構築しており、千差万別です。

詳しくは、加盟前に各フランチャイズ本部に問い合わせて聞いて頂くことが重要だと思います。

フランチャイズ本部が儲からない=オーナーも儲からない!?

上記のお話をすると「フランチャイズ本部ばかり儲かって・・・」と思われるかもしれませんが、本部が儲かることは加盟店が儲かるための必須条件でもあります。

例えば、『儲かっていないフランチャイズ本部』であれば『加盟店の売上を改善するために充分なバックアップはできません』。これは間違いない事実です。

加盟店のために、広告宣伝をしたい。しかし、お金がない。
では、加盟店の売上を上げることもできません。

充分なロイヤリティを徴収しない代わりに、加盟店の経営指導もほとんど行わないというのも加盟店の売上・利益改善にはつながらないという結果になります。

つまり、加盟店が儲かるためには、本部が儲かる必要があります。

では、逆はどうでしょうか?
本部が儲かるためには、加盟店が儲かる必要がある
これも正に事実なのです。

オーナーが儲からない=フランチャイズ本部も儲からない

先ほど、ロイヤリティは加盟店の売上や利益から分配するケースがあります。
という話をしました。つまり、加盟店の売上・利益が増えなければ本部の収益は増えません。

逆に固定ロイヤリティのところは関係がないかというとそうでもありません。オーナーが儲からなければ当然、脱退や離脱が増加します。

そうなると、継続的なロイヤリティが徴収できなくなるだけでなく、オーナーが大幅に減少します。
脱退や離脱が多いフランチャイズ本部に加盟したいと思われる方はいないでしょうから。

私は、フランチャイズ本部構築の支援というお仕事をしている中で、本部構築をお考えの企業様にこのような共通認識を持っていただきます。

2~3年以内になくなる本部というのは「オーナーを最初から獲得できていない」「獲得したオーナーが儲かっていない」のどちらかであるということ。

フランチャイズ本部を選定する基準として、本部の継続年数と加盟店の増加数、脱退数、加盟店の総店舗数というのが基準としてありますが・・「増加数が多いからいい」「総店舗数が多いからいい」という判断は早計です。

増加数が著しいということは、裏を返せば、新規性が低くなっており、収益リターンの幅も下がってくるということです。総店舗数も同じことが言えると思います。

確実に着実に商売をしたいと考える方は『店舗数が多く』や『離脱』が少なく、現在でも加盟店数が『増加』している本部が良いと思います。

逆に『リスク』をとってでも、『商売を大きく当てたい』と考える方は、『市場性』や『新規性』『優秀性』を考えて、実績の少ない初期段階の本部へ加盟することも選択肢としてあると思います。

どちらにしても、『脱退』や『動いていない加盟店』が多い本部は避けることが大事です。

実績、加盟店増加数、脱退数がフランチャイズ本部選定のカギ

本日は、フランチャイズ本部の選定の基準として、実績数や増加数、脱退数等を軸としたお話をいたしました。

今後、フランチャイズ本部に加盟される方は、ぜひ、参考にして頂き、加盟する本部を検討していただきたいと思います。次回は、フランチャイズ本部の選定の基準についてさらに詳しくお話をします。