【コロナ禍の副業意識調査】約6割が副業に興味あり、コロナ禍で副業を始めてよかったが9割超
2018年の「働き方改革」の一環として厚生労働省が「モデル就業規則」を改訂し、「副業禁止」の項目を削除したことにより、大手企業を中心に副業解禁などが進められていた流れがありました。
しかし、ここにきて、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、収入の減少や、将来への不安など様々な要因で、働き方や働くことへの意識変化が大手企業以外でも加速しています。そうした現状を紐解くため、コロナ禍の副業検討について調査を実施しました。
コロナ禍で副業についてどのように考えていますか?
4,057名を対象に行なった【副業に関するアンケート調査】では、「副業に興味がある」に59.6%、「副業に興味はない」に37.3%、続く「その他」が3.1%(「コロナ禍で副業をやめた」「コロナ禍で副業を検討することをやめた」など)という回答結果になりました。 全体では、コロナ禍で副業を前向きに検討している人の割合が多い結果となりました。
先の問で【副業に興味がある】と回答した2,417人の検討状況は、「既に副業を開始している人」と「現在副業を検討中の人」などを合わせて59.3%が副業検討などを前向きに進めており、「副業を始めてみたいが会社に禁止されている」と40.7%が回答し、興味があるものの検討を進められていないということがわかりました。
副業を検討し始めた理由はなんですか?
【コロナ禍で副業の検討を始めた】と答えた341名に【副業を検討し始めた理由】を質問したところ最も多かった回答は、「収入の減少」で39.7%でした。次点は「収入を増やすため」が24.4%が続くなど、金銭的な理由が半数以上を占めました。
金銭的な理由の以降は、「将来への不安」13.3%、「時間に余裕ができた」11.9%、「リモートワーク」6.1%と続き、多くの回答から、新型コロナウイルスが影響していることがわかりました。
回答例:コロナ禍で副業を検討し始めた理由
・世帯月収が通常の30%くらいになってしまった
・本業において手当が減り、少しでも補填できればと思った
・資産を増やしたい
・先行きが不安な日本経済で収入の柱は多い方が安心
・リモートワークで些末な社内業務に時間が割かれなくなった
・空き時間が増えたから
・新しいことに始めるタイミング
・脱サラのための準備も含めて始動したい
検討段階から進んでいない理由を教えて下さい
【コロナ禍で副業の検討を始めた】と答えた341名に【副業を始めていない理由】を聞いたところ、回答で一番多かったものは、「良いと思えるものに出会えていない」で35.6%でした。
「良いと思えるものに出会えていない」と類似した回答で「探し方・始め方がわからない」 と回答した方が11.25%いるなど情報収集の段階で苦戦している人が多いことがわかりました。
回答例:副業をまだ始めていない理由
・これといったものに出会えていない
・しっかりとした収入に繋がるものが分からない
・どれにしたら良いか分からない
・忙しくて時間が確保できていない
・本業の業務が忙しく、さける時間がない
・何から手をつければいいのか
・始め方がわからないし、仕事がどこにあるのかわからない
・確定申告が面倒くさい
・開業届などの届け出が面倒
・少しづつはじめている
・準備中のため
・リスクがこわいから
・踏ん切りが付かない
・資金がない
・初期費用が貯まらない
検討中の副業や働き方について教えて下さい
次に【コロナ禍で副業の検討を始めた】と答えた341名のうち、具体的な検討を進めていると回答した60人に【検討中の副業はなんですか】と聞いたところ、ネット販売やYouTubeなどWeb関連の副業が注目されていることがわかりました。
また、【副業検討で重視するポイント】についての回答は、大きく分類して4つに分けられました。
最も多かった回答は、56.3%で「場所を問わず働ける」ことでした。その次に「短時間で行えるアルバイト」が18.8%、「スキルが身に付く」が15.6%、「本業に支障がでない」が9.3%という結果となりました。
続いて【コロナ禍で副業を始めた】と回答した247名に、副業について伺ったアンケートをの結果をまとめていきます。
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コロナ禍で副業を始めた理由を教えて下さい。
次に【副業の検討状況】への質問で、「コロナ禍で副業を始めた」と回答のあった6.1%(247人)に対し、【コロナ禍で副業を始めた理由】を聞いたところ221人から回答がありました。
その内訳は、副業検討中の人と同じく「収入の減少」が43.1%と最も多い結果となりました。「プラス収入を得るため」と回答した人が20.3%と、63.4%が金銭的な理由をきっかけに副業を始めたと回答しています。
その他の回答として、「コロナ禍で時間に余裕ができた」が25.2%と全体の1/4を超えており、勤務形態がテレワークとなったことや残業時間が減ったことなど本業の影響が見られる結果となりました。
回答例:コロナ禍で副業を始めた理由
・収入が安定しないため、稼がないとという不安感から始めた
・会社がコロナでダメージを受け収入減になった
・収入が少なく、生活が苦しくなった
・時間ができたので、新しいことをしようと考えた
・時短や残業が無くなって以前より収入が減り、時間があったので始めた
・家にいる増えた時間で稼ぎたいと思った
・収入増加と将来の仕事確保
・生活の足しになればと思った
・今後を見据えて新しいことにチャレンジしようと思った
・複数の稼ぎ方をしていきたいと考えた
・本業の会社から副業が許可された
・景気も会社も先行き不透明なのでリスクヘッジのため
副業をはじめた時期について教えて下さい
続いて、【コロナ禍で副業を始めた】と回答した221名に【副業を始めた時期】について聞いたところ、新型コロナウイルス第1波及び第1回目の緊急事態宣言にあたる2020年4月が、副業開始時期として最も多い結果となりました。
コロナ禍で副業を始めたことで感じるデメリットはありますか?
続いて【コロナ禍で副業を始めた】と回答した221名に聞いた【コロナ禍で副業を始めたことで感じるデメリット】については、約半数となる49.7%が「デメリットはない」と回答。一方で「忙しい・時間がない」が約30%がプライベート時間の確保や時間にゆとりがなくなったがことをデメリットとして挙げていました。
その他13.4%が「体・心の疲れ」をデメリットとして挙げており、回答詳細をみると本来休養にあてていた時間を副業にあてたことなどで、心身の疲労を感じている方が一定数いることもわかりました。
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副業をはじめてよかったと思いますか?
続く【コロナ禍で副業を始めた】と回答した221名に【副業を始めてよかったと感じるか】と聞いた問いには、92.2%が「始めてよかった」と回答しています。
前項で取り上げたように、コロナ禍で副業を始めたことによるデメリットなどネガティブな意見も見られたものの、結果として9割以上の人がコロナ禍で副業を開始したことについて「よかった」と感じていることがわかりました。
調査方法:ネットリサーチでのアンケート調査
調査対象:25歳〜59歳の男女4057名
調査実施日:2021/03/08~ 2021/03/26
まとめ
コロナ禍で「副業に興味を示している人」の割合は全体の約60%となり、回答者の半数以上の方が副業を検討または開始していることがわかりました。その理由には、「コロナ禍での収入の減少」や「新しいことを始める時間ができた」など、多くの回答からコロナ禍の影響が見受けられました。
また実際に「コロナ禍で副業を始めた」という人の、実に90%超が「副業を初めて良かった」という回答が集まりました。しかし一方で、副業を始めたことによるデメリットとして、「時間に余裕がなくなった」「心・身体への負担」などの回答が寄せられました。このことから副業を始める場合、自身にあった副業の検討・見極めが大切と言えそうです。
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