chocoZAPがフランチャイズを始める理由とは?RIZAP大西氏に聞く、日本の健康の未来

宮原 史知 |2025年08月12日 公開 (2025年08月13日 最終更新)
フランチャイズWEBリポートのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

「簡単」「便利」「楽しい」をコンセプトに、2022年7月のサービス開始からわずか3年で全国1800店舗(2025年5月20日時点)へと急拡大したコンビニジム「chocoZAP(チョコザップ)」。そんなchocoZAPが2025年5月、ついにフランチャイズ展開を開始すると発表しました。

なぜ今、フランチャイズ化するのか?そしてどのような未来を描いているのか?今回は、RIZAP株式会社でchocoZAPのフランチャイズ事業を手がける大西真治さんに、真相を伺いました。

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さらなる飛躍へ!直営1800店舗からの新たな挑戦

――本日はお忙しい中ありがとうございます。早速ですが、chocoZAPはなぜこのタイミングでフランチャイズ展開を始めたのでしょうか?
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

chocoZAPは現在、全国47都道府県に1800店舗ありますが、すべて直営で運営しています。chocoZAPは“コンビニジム”というコンセプトのもと、健康を社会のインフラとして根付かせていくことを目指しています。そういった観点から見ると、特に地方を中心に、まだまだ店舗がない地域が多いと感じています。
というのも、運動を継続することって、実はとても難しいことだと思うんです。だからこそ、継続をサポートするためには、生活の導線上にジムがあることが重要で、日常生活の中に自然に運動を取り入れられる環境づくりが欠かせません。その意味でも、もっと多くの方々にとって身近な存在になるためには、まだまだ店舗数を増やしていく必要があると考えています。

フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

では、なぜこのタイミングで新たな取組を始めたのかという点についてですが、chocoZAPの事業がスタートしてから、ちょうど3年が経過しました。この3年間は、直営店舗を中心にアジャイル的な手法で、機動力を重視しながら事業を成長させてきました。ようやく無人での店舗運営の仕組みが整ってきて、持続的な成長に向けた基盤がようやく形になってきたところです。
こうした背景を踏まえ、今後さらに事業を再成長させていくためには、出店効率の向上や、地域に根ざした出店戦略がより重要になると考えています。そこで今回、FC(フランチャイズ)展開のトライアルをスタートさせることにしました。

――すでに1800店舗が出店済みですが、まだ出店余地はあるのでしょうか。
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

地域にもよりますが、chocoZAPの商圏は比較的小さいという特徴もあり、意外と隙間はたくさんあります。徒歩や自転車を少し走らせれば行ける、という距離感が好まれるため、まだまだ出店できる場所は多いんですよ。
現在、全国に6,000店舗ほどの出店余地があると試算しています。また地方自治体や企業、医療法人などさまざまな機関と連携出店の可能性も考えると、それ以上のポテンシャルが見込めるものと捉えています。(出典:2025年5月15日RIZAPグループ株式会社「2025年3月期 通期決算説明会資料」)

――「コンビニジム」という言葉を広めたのも、chocoZAPさんですよね。
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

そのとおりです。コンビニジムは弊社が考えた言葉で、特許庁への商標登録も行ないました。(登録番号:第6712237号)

非公表の「投資と収益」情報、成功の鍵は地域密着

――どういった方に加盟していただきたいとお考えですか?
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

やはり「健康に関するビジネスをやってみたい」という意欲のある方ですね。そして、chocoZAPのコンセプトに共感し、「地域の人たちを本当に健康にしたい」という想いを持った方を求めています。

――個人の方からのお問い合わせも多いと思いますが、いかがですか?
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

個人の方の場合、加盟にあたっては法人化していただくのが条件にはなりますが、「無人運営」エコシステムが確立されているので、人の採用が不要な点や、高い認知度があるため集客効率が良い点に、魅力を感じていただいていると思っております。

――気になるのが開業費用や売上の目安です。お話しいただける範囲で教えていただけますか?
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

加盟金や開業費用については個別相談にてご案内しておりますので、ぜひお問い合わせください。

――投資回収を短くするためには、具体的にどのような努力が必要でしょうか。
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

たとえば、店舗周辺での集客活動です。本部ではこれまでも、テレビCMやWeb広告といった大規模なプロモーションを行なってきましたが、個別の店舗への誘導、たとえば「ここに店舗がありますよ」といった最寄駅や屋外看板の細やかな案内設置などは行なっていませんでした。
ですからその土地の地理や特性をよく理解しているオーナー様が、地域に合わせた集客努力をされることで、飛躍的に会員数を伸ばせる可能性があると考えています。

――加盟店の稼働はいつ頃から始まる予定ですか?
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

現時点(2025年7月)では未定ですが、できる限り早期にテスト開始したいと思っております。

――オーナーは実際にどれくらいの労力で店舗を運営できるのでしょうか?
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

基本的には、無人運営の仕組みが整っておりますので、オーナー様の運営工数はほとんどかかりません。具体的には、「フレンドリー会員」という、清掃にご協力いただく代わりに月会費が割引になる会員様がいらっしゃるので、他の無人ビジネスと比べてかなり手間の少ないモデルになっていると思います。

目指すは「生活インフラ」chocoZAPが描く日本の健康の未来

――今後のchocoZAPの戦略についてお聞かせください。
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

私たちは、これまでジムに通ったことのない「フィットネス初心者層」をメインターゲットに、日本のフィットネス参加率を底上げしたいと考えています。
ご存知の通り、日本は人口減少が進んでいます。そんな日本を元気にするには、いま働いている方々が健康で長く活躍し続けることが重要で、運動へのハードルを極限まで下げる必要があります。chocoZAPをきっかけに、少しでも多くの方に健康への意識を高めていただきたい。その思いで、全国に店舗を増やし、オーナー様と共にWin-Winの関係を築いていきたいです。

――chocoZAPでは現在カラオケやランドリーといったサービスも導入されています。その狙いは何ですか?
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

「運動だけ」を目的にすると、どうしても億劫になってしまうことがあります。でも、「洗濯のついでに」「カラオケのついでに」となれば、来店へのハードルはぐっと下がります。実は、chocoZAPに来るために歩いたり自転車をこいだりする、その行動も立派な運動だと考えているんです。ですからカラオケだけの利用でも大歓迎です。chocoZAPが、皆様の生活に溶け込む「インフラ」のような存在になることを目指しています。

――日本のフィットネス人口は約3%と、欧米諸国に比べて非常に低いと聞きます。
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

そうなんです。欧米の先進国では20%を超える国もあるようですが、日本は極端に低い。背景には、社会保障のあり方の違いや、仕事優先の文化があったと考えられます。しかしコロナ禍を経て人々の健康意識は大きく変わりました。自分の健康は自分で守らなければいけない。でも、いきなり本格的なジムに通うのは勇気がいる。
そのハードルを一気に下げ、さらにセルフ脱毛やセルフネイルといった自己投資の需要にも応えられるよう、さまざまなサービスを月額料金に含めました。運動するのか、自分を磨くのか、その日の気分で選べる。それがchocoZAPの強みです。

加盟を検討されている方へのメッセージ

――最後に、加盟を検討している方へメッセージをお願いします。
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

大西 真治

chocoZAPは、特定のスキルを必要としない「非属人化」された無人運営モデルです。手間がかからず人件費を抑えながら、会員制によるストック型の安定した収益が見込めます。
そして何より、ご自身のビジネスが、ご家族や友人が住む地域の皆様の健康に貢献することに繋がります。健康を提供しながら、ご自身の収益と健康も手に入れる。そういった視点でご検討いただけると、このビジネスの大きな価値を感じていただけるのではないでしょうか。「お金を稼ぎたい」という動機でも全く問題ありません。結果的に、それが地域貢献に直結します。

――本日は貴重なお話をありがとうございました。

取材を終えて

大西さんの言葉の端々から感じられたのは、「日本の健康を本気で変えたい」という純粋で力強い想いです。フィットネスを一部の人のための特別なものではなく、誰もが気軽に立ち寄れる「コンビニ」のような存在にしたいという考えから、無人運営やフランチャイズというビジネスモデルは、そのための手段に過ぎないのでしょう。

フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

フランチャイズメディア 編集者兼ライター
宮原 史知

大阪府堺市出身の編集者・ライター。これまで100以上のフランチャイズ関連コンテンツの制作に携わる。Webプログラミングや動画編集・SEO分析をはじめとした、幅広い業務経験を活かした記事制作が強み。既知のテーマに対して新しい視点を提供し、読み手が「ワクワクする」ようなコンテンツ作りを信条としている。