チョコザップのフランチャイズは開業できる?気になるビジネスモデルや影響を解説

宮原 史知 |2024年05月22日 公開 (2024年10月01日 最終更新)
チョコザップはフランチャイズ開業できる?ビジネスモデルや影響を解説!

近年注目を集めている「チョコザップ」。その手軽さと、フィットネスジムとは思えないようなサービスの数々で多くのユーザーから人気を集めていますが、独立開業を目指す人にとって気になるのは「自分もチョコザップを開業できるのか」という点ですよね。

そこで本記事では、チョコザップはフランチャイズで開業できるのか、ビジネスモデル・収益方法、そしてフィットネスジム業界の今後についても詳しく解説します!

チョコザップとは?

チョコザップ(chocoZAP)は、パーソナルトレーニングジムで知られるRIZAPグループが提供するフィットネスジムです。サービス開始は2022年7月で、小型店舗・無人運営・低価格の運営スタイルを採用しています。これにより、利用者は24時間いつでも好きなときに手軽にフィットネスを楽しむことができるのが特長です。

運営企業 RIZAPグループ株式会社
サービス開始 2022年7月
店舗数 1,540店舗(2024年5月時点)
会員数 120万人(2024年5月時点)

競合他社を圧倒する出店速度でも非常に話題となっており、サービス開始から1年足らずで店舗数570店を突破。国内一のフィットネスジム会員数を獲得しました(RIZAP社調べ)。

チョコザップで受けられるサービス

チョコザップは、月額料金だけですべてのサービスを利用できます。また、会員は追加の費用負担なしで日本全国のすべての店舗も利用可能。お仕事の前やお出かけ帰りなど、日々のスキマ時間に気軽に立ち寄ることができます。

現在、チョコザップはフィットネスジムの枠を超えた「スマートライフジム」を合言葉に、数多くのサービスを追加料金なしで提供しています。以下はチョコザップで提供しているサービスです(店舗により対応しているサービスは異なります)。

トレーニング/セルフエステ/セルフ脱毛/セルフホワイトニング/セルフネイル/マッサージチェア/ゴルフ/ドリンクバー/ワークスペース/カラオケ/洗濯機・乾燥機/ピラティス/セルフフォト/キッズパーク/トレサポ/chocoZAPメディカル

チョコザップはフランチャイズではない

チョコザップに興味を持つ方のなかには、「フランチャイズで開業できるのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。

結論からお伝えすると、チョコザップはフランチャイズ募集を行なっていません。すべての店舗はRIZAP社が直営で出店しています。この直営方式により、チョコザップは圧倒的な出店スピードと高品質なサービスを保っているのです。

すでに多くの店舗が全国に展開されており、今後もRIZAPが自らの手で新規店舗を開設していく方針のため、フランチャイズ募集を始める可能性は低いといえるでしょう。

開業するなら「コンビニジム」業態を要チェック

もし、チョコザップのようなフィットネスジムを開業したいとお考えなら、「コンビニジム」という業態をチェックするのがオススメです。コンビニジムとは、チョコザップのように24時間営業・小型店舗・無人運営を特徴とするジムのことです。この業態は、低コストでの開業・運営が可能であり、利便性が高いため、近年非常に注目を集めています。

チョコザップのビジネスモデル・仕組み

低コスト・急拡大を実現するコンビニジム業態

チョコザップはフィットネスジムのなかでも「コンビニジム」と呼ばれる業態で店舗を展開しています。コンビニジムとは、コンビニのように日常のなかで気軽に利用できるジムのこと。具体的には、24時間営業・着替え不要・全店舗利用可能・低価格といった特長が挙げられます。

さらに、チョコザップは無人運営を採用しており、スタッフが常駐しないため人件費を大幅に削減しています。加えて、小型店舗として運営されているため、初期投資と運営コストが低く抑えられます。商業施設の一角や駅前など、小規模なスペースでも開業でき、立地選びの柔軟性も高いのです。

収益は「会員料」と「広告料」の2種類

チョコザップの主な収益源は月々の会員料です。月額3,278円(税込)というリーズナブルな料金設定で、ライトユーザーを多く獲得し、低価格でも安定した収益を確保しています。

さらに、チョコザップは広告収入も重要な収益源です。店舗内のデジタルサイネージや、会員向けアプリに広告枠が設けられており、これらに企業の広告を表示することで広告収入を得ています。また、パートナー企業からの試供品を会員に配布したり、会員向けに送られるダイレクトメール(DM)にも広告を掲載するなど、幅広い媒体で広告枠を設けています。

フレンドリー会員制度でランニングコストを抑える

チョコザップでは、一部の店舗で「フレンドリー会員制度」を実施しています。この制度は、会員に店舗の清掃を手伝ってもらう代わりに、月額費用を割り引くというものです。この取り組みにより、店舗のランニングコストを抑えることができ、会員にもお得な料金でサービスを利用できるメリットがあります。会員の協力を得ることで、運営コストを削減しつつ、クリーンで快適なジム環境を維持することができています。

チョコザップが急成長している理由

この章では、チョコザップがなぜこれほどまでに急拡大できたのか。そしてなぜ多くの方に受け入れられているのか、フランチャイズWEBリポート編集部が考察していきます。

コロナ禍で健康意識が大きく向上した

チョコザップが急成長した大きな理由の1つが、コロナ禍による健康意識の高まりだと考えられます。従来のフィットネスジムの利用目的といえば、筋肉を大きくすることや痩せることなどが中心でした。ジムの利用者は、身体を鍛えるために自動車や電車で最寄りの大型店舗に通い、インストラクターのアドバイスのもとで高度・高負荷のトレーニングを行なっていました。

しかし、2020年以降の新型コロナウイルスの流行をきっかけに、今までフィットネスジムに通っていなかった層までもが健康管理の重要性を再認識し、自宅や職場の近くで気軽に通えるジムを求めるようになりました。チョコザップの「コンビニジム」スタイルは、このニーズにぴったりと合致し、多くの利用者を引き付けることに成功したのです。

手頃な価格で続けやすい

もう1つの重要な要因は、チョコザップの手頃な価格設定です。月額3,278円(税込)というリーズナブルな料金により、ライトユーザーでも無理なく続けられる点が大きな魅力となっています。運動する時間が取れない月でも、経済的な負担が少なく継続しやすいのが魅力です。また、運動する気分ではない日でも私服で気軽に立ち寄れる雰囲気が、会員の利用頻度を高めています。これにより、チョコザップは多くの会員を安定的に確保することができています。

圧倒的な出店スピード

さらに、チョコザップの急成長を支えているのが圧倒的な出店スピードです。サービス開始直後から赤字覚悟で数百億円規模の資金を投入し、わずか1年で業界最大手に成長。その勢いは他の追随を許しませんでした。

チョコザップが人々に受け入れられている背景には、スピード感を重視したドミナント戦略が重要な役割をはたしています。ドミナント戦略とは、特定のエリアに集中して店舗を展開し、その地域での認知度とシェアを一気に高める手法です。これにより、チョコザップは短期間でブランド力を高め、「どこに出かけてもチョコザップを利用できる」というコンビニジムとしての圧倒的な利便性を確立できたのです。

チョコザップによるフィットネス業界への影響は?

わずか1年で業界最多の店舗数にまでのし上がったチョコザップ。驚異的な成長は、フィットネスジム業界以外の業界にも大きな影響を与えています。

まず、チョコザップも採用している「コンビニジム」業態への影響が懸念されるでしょう。24時間営業・無人運営・小型店舗といった強みを持つコンビニジムは、チョコザップ以外にも多く存在します。しかし、チョコザップほどの規模感でドミナント出店を行なうのは難しく、今後も競合は参入しづらい状況が続くと予想されます。

さらに、チョコザップは一部の店舗でフィットネス以外のサービスも提供し始めています。ランドリー・カラオケ・ドリンクバー・ゴルフ・ワークスペースなど、多様なサービスを追加することで、単なるフィットネスジム以上の価値を提供しています。これらのサービスがどれほどユーザーに受け入れられるかは未知数ですが、コインランドリー・カラオケボックス・インドアゴルフ練習場・コワーキングスペースなどの関連業界にも影響をおよぼす可能性があります。

一方で、チョコザップはあくまでライトなフィットネス需要に特化しているため、「筋肉を鍛える」「痩せる」ことに重点を置いた本格的なフィットネスジムは、需要を保ち続けるとみられます。本格的なトレーニングを求めるユーザーや、専門的な指導を受けたいと考えるユーザーは、引き続き従来のフィットネスジムを利用し続けるでしょう。

チョコザップの出店による影響は多岐にわたります。ユーザーにとっては便利で多機能な施設が増える一方で、既存の業態にとっては競争が激化する場面もみられるでしょう。フィットネスジム業界以外の方も、チョコザップの動向に注目していく必要があるでしょう。

まとめ

チョコザップは、手軽さと多機能性で急成長を遂げています。利用者にとっては便利で多機能な施設が増えるのは喜ばしいことですが、一方で既存の業態にとっては非常に手強い競合となりえます。

チョコザップの存在はもはや、フィットネスジム業界だけのトピックではなく、サービス業全体にまで影響をおよぼしかねません。ビジネスに関わるすべての人が、チョコザップの今後の展開を注意深くみていく必要があるでしょう。

他にもこんな記事が読まれています
フランチャイズWEBリポートの宮原 史知

フランチャイズメディア 編集者兼ライター
宮原 史知

大阪府堺市出身の編集者・ライター。これまで100以上のフランチャイズ関連コンテンツの制作に携わる。Webプログラミングや動画編集・SEO分析をはじめとした、幅広い業務経験を活かした記事制作が強み。既知のテーマに対して新しい視点を提供し、読み手が「ワクワクする」ようなコンテンツ作りを信条としている。

チョコザップはフランチャイズ開業できる?ビジネスモデルや影響を解説!

記事は気に入っていただけましたか?
「いいね!」で応援よろしくお願いします

新着情報をお届けします♪