【本部取材】タコとハイボールが挑む全国200店!揚げないふわとろたこ焼きの勝算とは

宮原 史知 |2026年07月27日 公開 (2026年08月05日 最終更新)
タコとハイボールのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

インバウンド需要を背景にたこ焼き人気が高まる一方、たこ焼きを軸にした酒場業態はまだ担い手が限られています。そこへ「揚げないふわとろたこ焼き」とハイボールで挑むのが「タコとハイボール」です。運営元のヴィーナスダイニングは、10年間の加盟者経験を経て自ら本部となり、全国200店を掲げています。

フランチャイズ・ショー大阪2026のブースで、その勝算とパッケージの中身をうかがいました。

加盟者10年の経験を携え、本部として全国へ

――まず、どんなフランチャイズなのか教えてください。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

運営しているのは、2012年に発足したヴィーナスダイニングという会社です。もともと私どもは10年間、加盟者の立場でこの業態を運営してきました。坪効率がかなり良く、坪あたり100万円を超える水準で販売できていたのです。

これをもっと日本に広げたいという思いから、昨年6月に本部と一緒になり、加盟者側から本部側へと立場を変えました。システムも商品もそのままに社名を変えて再スタートし、直営ではなくフランチャイズという形で全国展開を目指すことにしました。

――現在の店舗数と目標を教えてください。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

現在は31店舗、うち8店舗が直営です。ここから200店までどれだけ持っていけるか、と考えています。200店というのはこの業態でほぼ全国一番になる規模ですが、決して無理な数字ではなく、手が届く範囲の事業計画です。

――全国展開となると、かなり大きな挑戦だと感じます。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

はい。本気度を示すためにも、優秀な人員を積極的にスカウトしています。オペレーションのヘッドには元大阪王将の取締役を、店舗開発には元コンビニの開発部長を迎え、市場で負けないオペレーションと店舗開発のスキルを備えました。

もちろん金銭的な部分もありますが、それだけで大きな会社の方が来てくれるわけではありません。熱意と情熱、そして夢が一番です。私どもの目標は、全国に出店することそのものではなく、加盟者とともに本部も成長していくことにあります。

揚げないふわとろたこ焼きという勝ち筋

――商品の強みはどこにありますか。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

私どもがこだわっているのは「揚げないたこ焼き」です。高温でも低温でもなく中温で仕上げて油を極力抑え、生地を4回足し継ぐことで、あのふわとろ感を出す。これが一番のモデルです。

私自身、この業態に加わるときに徹底して各店のたこ焼きを食べ、味にこだわりました。これだけ担い手の少ない市場ですから、おいしいものはまだまだ勝てる、成長できる余力のあるスペースだと感じています。

――大阪はトロトロのたこ焼きが好まれますよね。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

大阪以外の地域でも、トロトロを支持される方は多いです。健康寿命も伸びていますので、油を抑えたふわとろこそ日本のたこ焼きであるべきだと考えています。

ちなみに、一番人気はチーズたこ焼きで、次いで明太子。私どもはふわとろですので、チーズの熱々のトロトロ感や味変わりがよく活きます。一度食べていただくと印象がかなり変わると思います。

――インバウンド人気も追い風になりそうです。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

そうですね。上野の御徒町店という店では、月に500万〜700万円ほど売り上げますが、その約60%がインバウンドのお客様です。日本でインバウンドがいらっしゃらない街はありませんので、ここも全国展開しやすいポイントだと思っています。

メインの客層は、いわゆる0.5次会です。たこ焼きで3時間は飲めませんから、合間のちょい飲みをどれだけ拾えるか。客単価は1800円ほどです。ハイボールとタコで少し時間を過ごし、次のお店へ移る、これが原点です。

――営業時間にも特徴があるとか。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

はい、11時から営業しています。たこ焼きを軸にした既存の酒場業態は夕方からの営業が中心ですから、そこも差別化の一つです。

展示会での反響と、求める加盟者像

――フランチャイズ・ショー大阪での手応えはいかがですか。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

昨日だけで44組の方が来場され、1時間以上お話しした方が10組いらっしゃいました。私はコンビニの人間として、この手のフランチャイズには30年以上参加してきましたが、本来なら1日1組あればいい方です。おかげさまでメンバーもそろい、次のアポイントにつながっています。

店舗数が少ないこともメリットに感じていただけているようです。地図をお見せすると「自分の県にまだない、最初に出せる」というお話になります。私どもは大阪に店がないのですが、逆に大阪の方にもかなり関心を持っていただけました。

――どんな方に加盟してほしいですか。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

企業として、あるいは個人として、共に成長していきたい方にぜひ加わっていただきたいです。リスクの少ない副業として考える方よりも、成長を目指すオーナー様と一緒に歩んでいければと思っています。

もちろん個人の方も歓迎です。昨日は脱サラを機に出店を考える方や、同業のたこ焼き店の方もいらっしゃいました。同業の方には、これまで感覚でやっていた4回足し継ぎの焼き方をマニュアル化してお伝えします。一定の品質を保つ技術を整えるのが、本部の役目ですから。

――母体やキャンペーンについても教えてください。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

母体はアミューズメント、パチンコの事業です。本来この業界はフランチャイズ・ショーに出にくいのですが、審査基準をしっかりクリアしたうえで参加させていただきました。企業として基盤を固めることが前提です。また、私どもはサントリーの特販店として、サントリーのお酒を扱っています。

今後はそうした組織力も活かし、タレントを起用したキャンペーンも構想しています。詳細はまだ申し上げられませんが、1年間キャンペーンを張って、一気に店舗を増やしていくつもりです。

開業資金と高収益モデル

――初期費用をうかがってもよいですか。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

契約金が300万円、研修費が50万円でスタートしていただいています。このほかに保証金があり、こちらは個別に対応します。基本は300万円です。

この契約金は、近々行うキャンペーンの中では減額してスタートしようと考えています。私どもは味にも人にも自信がありますが、知名度はまだない挑戦者です。他のチェーンと同じ金額の加盟金ではハードルを高くするだけで意味がありませんから、減額して募っていきます。

――店舗の工事費はどうでしょう。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

これは物件によって大きく変わります。居抜きの案件などであれば200万円前後からでも可能ですが、フルに造作すると2000万円弱かかる可能性もあります。

リース会社などを活用すれば、おおむね500万〜800万円ほどのキャッシュフローで加盟が可能かなと思っています。融資関係のご相談も、立地の選定も、場合によっては物件の交渉代行も、すべて一緒に行います。コンビニ出身のメンバーが多いので、審査や交渉には強い体制です。

――自己資金の目安を教えてください。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

お問い合わせをいただくのは、自己資金2000万円ほどの方が多いです。一方で、最小額でいえば500万円からもスタートできます。

――収益モデルは公開されていますか。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

はい、公開しています。粗利益は71%と高い水準です。この収益モデルですと、日商13万円ほどの店でも月90万円ほどの利益になります。月商1000万円を超える店ですと、月200万円以上の利益が取れます。

ただし、これから店数が増えていくと、収益率は少し下がっていくとは思います。それでも粉物の強さは変わりませんので、そこは強みだと感じています。

研修と、本部が伴走するサポート体制

――研修の内容を教えてください。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

研修でとくに重要だと考えているのは2つです。タコとハイボールのお店は5坪から30坪と小さく、お客様との距離が近いので、接客次第で坪効率が大きく変わります。その接客と、タコの返しや焼き方。この2つが起点です。

期間は2週間。接客と焼き方に絞っていますので、あとはお店での実践で身につけていただけます。私どもの接客はアミューズメント業界で培ったもので、お客様の意思を尊重するところから始まります。同じ商品でも売り上げに差が出るのは、この接客の力です。

――開業前のサポートはどうなっていますか。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

開業前は、マーケットリサーチも周辺への挨拶回りも一緒に行います。まだ若いチェーンでルールを固めすぎず、全社員・全加盟者で一緒に作っていくという形をとっています。

リサーチはコンビニの手法を参考に、居酒屋業態では考えられないような組み立てをします。私どもはランチもやりますので、その需要を掘り起こす訪問活動やご挨拶回りを、営業スタッフと一緒に地域を回りながら重ねていきます。

――開業後のサポートは。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

通常の飲食店の巡回は月1回や半年に1回ということも多いのですが、私どもは最初の1年は毎月、現実的には週1回ほど巡回し、ご相談や教育のサポートをします。オープンしたばかりの店ほど熟練が必要ですので、定期的に支えます。

あわせて「フォロークローバー」と呼ぶ活動も続けます。売り上げを見ながら周辺の商店へ改めてお声がけをする取り組みで、ネット広告やポスティングに頼らず、対人対面での働きかけを丹念に重ねていく。これも本部が一緒に行います。

――ありがとうございました。最後に、検討している方へ一言お願いいたします。
タコとハイボールの宮原 史知

遠藤さん

変わったメンバーがそろっていますので、まずは話を聞いてみてください、とお伝えしたいです。お話を聞いて、そして食べていただければ一番です。コンビニに30年以上いた私が、正直においしいと思いました。

良い味があること、そして情熱があること。この2点が私どものチェーンの一番の推進力です。加盟店も本部も同じ思いで、いずれは上場も目指したい。共に成長することが、何より大切だと考えています。

取材を終えて

「早く形にしたい」と笑いながらも、元大手チェーンの幹部を次々にスカウトした本気度と、コンビニ育ちならではの現実的な視点が印象に残る取材でした。揚げないふわとろという商品の軸に、粗利益71%という数字、そして11時開店やちょい飲みという使われ方の設計が重なり、まだ担い手の少ない市場での勝ち筋が見えてきます。

ルールを固めすぎず「共に育てる」という姿勢は、店舗数が少ない今だからこそ味わえる関わり方かもしれません。挑戦の初期に加わる面白さに惹かれた方は、まず話を聞き、一度その味を確かめてみてはいかがでしょうか。

タコとハイボールの宮原 史知

フランチャイズメディア 編集者兼ライター
宮原 史知

大阪府堺市出身の編集者・ライター。フランチャイズWEBリポートの運営メンバーとしてディレクション業務に携わり、現在は合同会社デジタル屋さん代表を務めている。これまで100以上のフランチャイズ関連コンテンツの制作を担当。Web制作やSEO分析など幅広い技術的バックグラウンドを活かし、「実装まで見える編集者」として記事制作に取り組む。既知のテーマに新しい視点を持ち込み、読み手が「ワクワクする」コンテンツ作りを信条としている。