目標は4年で200店舗! 本部に訊く「介護レンタカーさくら」誕生とFC展開の舞台裏
ガッツ石松氏をイメージキャラクターに起用したインパクトある看板と、1ヶ月24,800円〜という価格設定を武器に、フランチャイズ展開わずか3年半で150店舗まで拡大した「ガッツレンタカー」。
ありそうでなかった格安レンタカービジネスで、多くの長期レンタルユーザーを獲得するなど、いまもっとも注目すべきフランチャイズの一つに急成長しています。
そのガッツレンタカーの姉妹ブランドとして、2017年に福祉車両専門のレンタカー店「介護レンタカーさくら」をスタート。2019年から本格的なフランチャイズ展開を進めるということで、運営元であるガッツ・ジャパンにお話を伺いました。
本格的なFC展開を加速させるという「介護レンタカーさくら」についてお伺いします
ガッツ石松氏をイメージキャラクターに起用するなど、サービス以外でも注目を集める格安レンタカー店のフランチャイズ「ガッツレンタカー」。その姉妹ブランドとして、福祉車両を専門に取り扱うレンタカー店「介護レンタカーさくら」が2017年5月に誕生。
今後ますます深刻化する高齢化問題を前に、本格的なフランチャイズ展開をスタートさせる「介護レンタカーさくら」。そのビジネスモデルや競合優位性、そして今後目指す未来などを、株式会社ガッツ・ジャパンで新規開発業務などを務める廣橋氏と、ガッツレンタカー直営店4店舗を取りまとめる鍔本統括店長、名古屋中央店・小坂店長の3人に話を伺いました。
自動車関連企業を経て、株式会社ガッツ・ジャパンに入社。現在はおもに「介護レンタカーさくら」の事業の立ち上げおよび加盟店開発を担当。ガッツレンタカーの拡大にも大きく貢献している。
「ガッツレンタカー」と「介護レンタカーさくら」のユニット店である本店の店長と、名古屋市内にある直営店3店舗(いずれもユニット店)の統括店長を務める。私生活では一児のパパ。
ユニット店の大宮店を経て、2018年12月から「名古屋中央店」に異動。店長として従事する。実は、バンドマン出身という異色の経歴の持ち主でもある。
まずはじめに、『介護レンタカーさくら』のサービス内容などについて教えてください
「介護レンタカーさくら」は、福祉車輌のレンタカー専門店として2017年5月にスタートした事業です。他社では割高な福祉車両を、格安レンタカーとして展開している『ガッツレンタカー』と同様に、リーズナブルな料金体系でご提供しています。
軽自動車タイプであれば、24時間4,800円、一ヶ月48,000円でレンタルできるので、1ヶ月などの長期でレンタルされるお客さまが多いのも特徴です。
「リーズナブルな料金体系」と「長期レンタル」を武器に、事業スタートからおよそ1年で、直営店を中心に15店舗にまで拡大しました。
今後はFC展開で出店を加速していく計画が進んでいます。
福祉車輌にはいくつかタイプがありますが、「介護レンタカーさくら」では、車いすのまま乗り降りできる介護車輌を取り扱っております。
軽自動車タイプであれば2名+車いす1台、ワゴンタイプであれば最大8名+車いす1台〜2台まで乗車できるので、用途によって使い分けられるのも「介護レンタカーさくら」の特徴ですね。
難しい操作は一切ありません。後部座席とトランクルームが車いすのスペースになっていて、スロープやリフトを使って乗り降りさせるだけ。
リフトの場合もいたって簡単で、リモコン一つでリフトが上下するので、車いすをきちんとワイヤーで固定するなどして操作をすれば、これまで介護車輌を扱ったことのない方でも簡単に乗り降りさせられます。
私自身もそうでしたが、介護車輌をはじめて扱う方の場合、煩わしい操作をイメージしてしまいがちです。
でも、実際にレンタルをされた方からは「簡単に乗り降りさせられました」と言っていただくことがほとんどですね。それも「介護レンタカーさくら」の魅力の一つだと思います。
格安レンタカーのFCを全国に展開していた『ガッツ・ジャパン』が、福祉車輌のレンタル事業に参入したのは、どのような背景があるのでしょうか?
ガッツレンタカーをFCで全国展開していくなかで、福祉車輌を求める声があったんですが、その需要を満たせていないと感じたことが大きなきっかけです。
福祉車輌のレンタルを取り扱う事業者が全くいないわけではありませんが、決して多くありませんでした。しかも福祉車輌を取り扱っていたとしても、十分な台数を保有していなかったり、実際に店舗に配備していなかったり、何より料金が高いなど気軽に利用しにくい、ということが分かりました。
また、ガッツ・ジャパンではレンタカー事業のほかにも、グループ会社でデイサービス事業を手がけていることから、そうした需要が今後高まっていくであろうことへの理解は難しくありませんでした。
このような背景から、ガッツレンタカーと同様にリーズナブルな料金体系で、誰でも気軽に利用できる福祉車輌レンタカーの専門店として「介護レンタカーさくら」を立ち上げました。
格安レンタカーの「ガッツレンタカー」は、インパクトがあって覚えやすい点を踏まえてネーミングされました。
今回も同様で、ひと目で覚えてもらえるような分かりやすい名前且つ、介護車輌を取り扱う特性上、優しくて柔らかい雰囲気を込められたら、という思いから「さくら」とネーミングされました。
[PR]集客力に違いがある
介護レンタカーさくらの誕生から1年が経過しましたが、福祉車輌のレンタルに対するニーズの変化や、手応えはいかがですか?
当初は全く認知がない状況からスタートしたというのもありますが、この1年間だけを見ても「介護車両をレンタルしたい」など、興味を持たれた方からのお問い合わせが増えていますね。
直営店である「本店」と「名駅店」「ナゴヤドーム前矢田店」「名古屋中央店」の4店舗合わせて30台の福祉車輌を保有し運用していますが、現在の予約状況を踏まえると、保有車両の追加を検討しないといけないくらいになってきています。
この1年かけて「介護レンタカーさくら」の認知度が少しずつあがってきたことも1つですが、大きいのはガッツ・ジャパンの強みであるweb集客力のおかげです。
格安レンタカーとして展開している「ガッツレンタカー」で培ってきたweb集客や、独自の予約システムなどのノウハウを活かした施策の結果、webへの訪問者は1年で3倍以上に増え、来店のおよそ8割がwebからのお問い合わせになりました。
web集客が切り離せない昨今、webが苦手な方でも集客できる仕組みを提供できるのは、さくらの加盟店さんにとっても強みの一つと言えますね。また、こうしたweb集客の実績も、介護・福祉車両レンタル需要の裏付けと言えるでしょうね。
その他にも、店舗にお越しいただいてのレンタルはもちろん、介護車輌をご自宅までのお届けと引き受けもする「配車サービス」も承っており、サービスに満足いただいてリピートいただくお客さまも多いです。
福祉車両のレンタルをされる方はどういう人ですか? どういう用途で利用されることが多いのでしょうか?
利用用途はさまざまですが、通院やちょっとした買い物など日常的に利用いただくお客さまが多いようです。
なかには、いつも軽自動車タイプをレンタルされていたのですが、ご家族で旅行へ出かけるためにとワゴンタイプ(ハイエース)をレンタルされる方もいらっしゃいました。
車いすの方も含めてご家族全員で旅行に出かけるのは、そう簡単なことではないようで、返却の際に「家族で遠くに行けてよかった」と喜んでいただいたときは嬉しかったですね。
介護タクシーの方は少しずつ認知度が高まっていますが、一方で、料金が高いというデメリットがあります。
「介護レンタカーさくら」であれば、介護タクシーはもちろん、競合の福祉車両のレンタカーよりも、リーズナブルな料金体系で利用できます。実際に、介護タクシーを利用していたお客様から「かなり安く利用できて助かっている」と言っていただけたんですよね。
そういった方たちに「介護レンタカーさくら」を知ってもらい、利用していただければ、もっと多くの方に必要としている人に知っていただけて、喜んでいただけるサービスになると思います。
今後の需要が増えていくのは国の制度も関係しています。というのも、法律的にも国の施策的にも、今後は在宅での介護に切り替わると言われており、通院などで福祉車輌が必要なシーンが必然的に多くなってくる。今後、福祉車両を求める人が増えるのは間違いないでしょうね。
直営店では「介護レンタカーさくら」と「ガッツレンタカー」という2つのレンタカー事業を併設されていますが、業務の内容や利用される方にどのような違いを感じますか?
一般車輌を取り扱うガッツレンタカーとさくらの違う点は、お客さまとのコミュニケーションが多いところだと思います。
「介護レンタカーさくら」の場合、貸渡の際に車輌の取り扱い説明が必要なので、自然とコミュニケーションが生まれます。
しかも、長期でレンタルをされる場合は、どういった用途で利用するのか、などをヒアリングすることで、より距離の近い人間関係を構築することができるんです。ガッツレンタカーも同様ですが、接客が好きな方には向いている仕事かもしれないですね。
ガッツレンタカーもそうですが、やっぱり格安レンタカーとなると、やむを得ないトラブルがあったりします。
でも、「介護レンタカーさくら」に関しては、そういったトラブルはほぼ皆無に近いんです。はっきりとした理由は定かではありませんが、利用する層の違いはもちろん、車いすの方を乗せるということで、より慎重に運転するのかな、と。
あとは、単純に感謝していただけるんです。やっぱりニーズに対して絶対的な数が足りてない。それでいて、ほかよりも低料金で利用できるのは利用者にとって大きなメリットですよね。
必要とされるているから喜ばれる、やりがいのあるビジネスだと思います。
今後も『ガッツレンタカー』とのユニット出店がメインになるのでしょうか?
ガッツレンタカーとのユニット出店も可能ですが、今後はさくら単独での出店も広く募集していく予定です。
その理由は、「介護レンタカーさくら」の事業がスタートしてこの1年で、デイサービスを運営している法人やクリニックに付随している調剤薬局の担当者さまから『単独でさくらに加盟したい』という要望をいただくようになったことです。
そういった方々に共通しているのは、介護車輌を所有しているものの、そのすべてがフルで稼働しているわけではないということ。
たとえば、平日の一定の時間は利用するけど、それ以外の時間帯や土日は利用しない。または、介護車輌を3台所有しているけど、ある日は1台しか利用しないから、残りの2台をもっと有効活用したいといった声が多くありました。
要望が多かったのはもちろんですが、我々が考えていたビジネスモデルとも一致しているので、こういった方々とタッグを組めば、ビジネスチャンスが広がると考えています。
「介護レンタカーさくら」のフランチャイズ加盟条件や開業の流れ、開業資金の目安などについて教えてください
介護レンタカーさくらの開業の流れとしては、開業準備説明を受けていただき、次に物件取得や駐車場の確保、そして店長研修を経て、店舗設営という流れになります。
もちろん、すべて本部がサポートいたしますので、未経験の方でも問題なく手続きを経て開業いただけます。
福祉車輌を所有していて建物もあるのであれば、ナンバーや看板を変えていただくだけ。もちろん、研修も受けていただきますが、早ければ1ヶ月半くらいでオープンできると思います。
福祉車輌を所有している事業者であれば、それらを活用していただけます。ですので、加盟金などを含めてもおよそ500万円くらいで開業できます。
もし所有していない場合でも、1000万円を目安にしていただければ開業可能です。
ガッツレンタカーとのユニットの場合は、2000万円〜2500万円くらいになりますね。
[PR]複数店経営がしやすいフランチャイズ
ガッツレンタカーはFC展開スタートから3年半で150店舗を展開していて、2019年には200店舗を目標に掲げているとのことですが、「介護レンタカーさくら」の出店目標はありますか
店舗数でいうと2年で100店舗、3年で150店舗、4年で200店舗まで展開していく計画です。
ガッツレンタカーの場合、多い方で7店舗を運営しているFCオーナー様がいますし、2店舗以上を運営しているオーナー様も全体の3割を超えているなど、複数店舗展開をしている方が多くいらっしゃるのも特徴です。
ガッツレンタカーは、加盟歴が1年や2年で他店舗展開に踏み切るオーナーさんが多いんです。というのも、1エリアを30〜50万人の商圏に区切ってエリア分けしているので、サテライト出店をするカタチで多店舗展開できるんです。
ガッツレンタカーとのユニット出店にはなりますが、1エリア1000万円の売り上げを作れるビジネスモデルを目標にしていましたが、直営店ではこの1年間で1000万円に限りなく近いビジネスモデルを作ることができました。
その実績を踏まえて、本格的に「介護レンタカーさくら」のフランチャイズを募集をさせていただくことになりました。
「介護レンタカーさくら」が目指す未来について教えてください
これからは在宅介護に切り替わって福祉車輌のニーズが高まります。でも、いざ必要になったときに、車を福祉車輌に買い替えるのは、使う期間が限られているわりに、金銭面のハードルが高いですよね。
そういったなかで、目標である200店舗の「介護レンタカーさくら」を知っていただければ、自然と活用していただけるでしょうし、ご利用者さまにも満足していただけるはずです。
今でも十分需要があるビジネスですが、今後に期待できると思います。そして、これまでも「ガッツレンタカー」はもちろん、「介護レンタカーさくら」でも我々は十分な実績とノウハウを作ってきています。
今後もそのスピードを落とすことなく、『ガッツレンタカー』と『さくら』の両ブランドで5年後、500店舗という目標に向かって、参画いただくオーナー様と一丸になって頑張っていきたいですね。