厳しい見立てのスイーツ事業に敢えて参入! メガフランチャイジーがヨゴリーノを選んだ理由
継続性の観点からスイーツ事業は厳しい。もともとそう判断していたのは、北関東を中心に飲食FC店を21店舗運営するなど、地域密着型戦略で成長を続けるメガフランチャイジー企業の株式会社アネックスの代表取締役社長である福田明氏。
そんなアネックスが、イタリアンジェラートを提供するヨゴリーノを選んだ理由とは。そして従来、フランチャイズ加盟による事業拡大戦略を図っていたアネックスが感じた、フランチャイズ加盟とライセンス加盟契約による出店の違いなど、その舞台裏を伺いました。
ヨゴリーノカフェとは
株式会社アネックスがライセンス加盟契約をしたヨゴリーノは、イタリア生まれのヘルシージェラートとして、本拠地イタリアで約350店舗展開している人気No.1のヨーグルトフレーバーのジェラートです。そのほか、世界30か国に展開しており、日本でも27店舗がライセンス店舗として運営しているなど、世界で認められている人気ブランド。
そのヨゴリーノのジェラートは、イタリアから原材料を直輸入した本場の味で、若い女性を中心に多くの人々を魅了しています。甘くておいしいだけではなく、一般的なアイスクリームに比べてカロリーが約1/2、脂肪分が約1/5と『低脂肪・低カロリー』のヘルシーなジェラートを提供しているのが特徴です。
ライセンス加盟契約締結の理由は、チャレンジする姿勢への共感
フランチャイズ加盟とライセンス加盟契約の違いなど、その舞台裏を株式会社アネックス代表取締役社長である福田明氏に伺いました。
もともとアネックスの母体である株式会社アメリカヤコーポレーション時代に、サーティワンアイスクリームのフランチャイズを経験していたんです。
自分自身もアイスが好きで、アネックスでもスイーツ系のフランチャイズが展開できないかと考えました。それから2、3年かけて、セミナーなどに参加しながら候補を探していました。
スイーツ系の業態が厳しいことは、我々が別ブランドで出店している他の施設に入っているスイーツ店などでも、契約満了まで続けられないというのを見てきていたので理解していました。
そんななか、どの企業もいいことだけを伝えるので、どうも私自身の心には響かず決め手に欠ける状況になっていました。そのような折に、施設側からの紹介を受けてご縁ができたのがヨゴリーノカフェだったんです。
1つは新しいことをどんどんやっていこうという社長の姿勢に共感したからですね。
そして、紹介いただいたヨゴリーノカフェ1号店を出店した同じ施設に、別のブランドで出店をしていたので、その施設の状況を把握できていました。なので、この施設なら手堅くスイーツ業態でも経営できるだろうと判断できたんです。
社長の姿勢と施設の状況、そして紹介というご縁が決め手となって、ヨゴリーノカフェのライセンス加盟契約に至りました。
裁量の大きさだけじゃない、パートナーとしての魅力
正直、最終的には自己責任であると考えているので、フランチャイズとライセンスの違いはあまり意識していませんでした。
ただ実際に運営し始めてみると、フランチャイズのように定期的に巡回するスーパーバイザーがいない点に最初は戸惑いましたね。オープン初日の朝礼の際にも訪問がなかったので、これがフランチャイズの違いなのかなと感じました。
とはいえ、質問などにはきちんと答えてくれるので、ブランドについて知らないことや分からないことがあれば、直接本部に聞くようにしていました。
商品の価格を自分たちで決められる点や、新メニューの提案も積極的に受け入れてくれる点など、裁量が大きい部分は特徴的だと思います。
価格決定は最後まで悩んだのですが、色々なスイーツの店舗を回りながら「いくらなら食べたくなるだろう?」と考え、提供するまでの工数ベースではなく完全にお客様視点で価格を決定しました。
パンケーキの提供を提案しました。
じつはヨゴリーノカフェの本部でも過去にパンケーキの試作品を作っていたのですが、アイデア段階で止まっていたそうなんです。その試作品を食べさせてもらったら、商品としてとても魅力を感じたので、ショッピングモールのフードコート店舗で提供してはどうかと提案しました。
一定のクオリティを保つことが難しいので、スタッフが慣れないうちは失敗も多く、最初の頃は原価が厳しかったですね。焼き方やチョコレートのかけ方、盛り付け方などをメニュー写真と同じように仕上げるために、かなり練習しましたね。
ジェラートの新フレーバーはよく提案していますね。本部の許可が下りれば、割と自由に作らせてもらえるんです。店長やスタッフ自ら色々と試していますよ。
パンケーキもそうですが、本部がノウハウを持っていないような場合、我々の意見を積極的に聞いてもらえたのは嬉しかったです。
本部にはフードコート型の店舗がほとんどなかったため、20メートル離れていてもパッと目を引くような独自のレイアウトを提案し、採用してもらいました。これは、我々の今までのフランチャイズ店舗運営で経験してきたことが活かされていると思います。
提案をシャットアウトするフランチャイズ本部もある中、話をしっかりと聞いてくれるのはヨゴリーノカフェの強みだと思います。
かわいいお店で働きたい、採用にも変化あり
ヨゴリーノカフェ本部が、現場の指導者である店長の教育をしてくれます。なので、まずは店長が運用をマスターし、現場のスタッフに指導する形になっています。スイーツは見た目も重要なので、商品のクオリティを保つためにも、スタッフ同士で出来をチェックしあうこともあります。
メニューのおすすめポイントは絶対にお客様に伝えられるように指導しています。
スタッフによって好きなメニューは異なりますが、苦手なメニューでもお客様におすすめできてこそ一人前のスタッフです。そのため、それぞれの商品の特徴をしっかりと覚えてもらうようにしていますね。
人気のスイーツ店ということで、人材は集まりやすいです。若い女性からの人気が高く、店長以外のスタッフは全員女性ですね。
今まで運営してきたフランチャイズブランドだと焼肉やラーメンというところで男性が中心でしたが、異なる層の人材を採用できているので、スタッフ育成の仕方や人間関係の築き方は工夫が必要でした。
魅力的なブランドや本部と共に成長していきたい
非常に好調です。いまはタピオカブームの影響を受けて、タピオカドリンクの人気が高いので、一過性にならないよう工夫し続ける必要があると考えています。ジェラートは言うまでも無いですが、パンケーキも強い商品となってくれています。
スイーツ業界は厳しい状況であるものの、ヨゴリーノカフェの本部からは、普通は中々出店できないような施設を紹介してもらえます。好条件の施設に出店できるのは我々にとっても非常に魅力的なポイントです。
そうなるかと思います。
もちろんいいところは条件が高いのでリスクもありますが、緊張感をもって運営することができますし、売上を伸ばせる可能性が高いのでチャレンジしがいがあります。アネックスがここまで大きく成長できたのも、伸びしろのある本部と付き合ってきたおかげです。
ヨゴリーノカフェはもちろん、他のブランドでも意欲的な本部の社長にはワクワクしますし、相乗的に成長していけたらと思います。