デイリーヤマザキを運営する山崎製パンとは? 世界の食を支える食品メーカーとしての使命
フランチャイズWEBリポートでも、オーナー募集情報を紹介しているデイリーヤマザキ。その運営元の山崎製パン株式会社は、創業71年という歴史を誇る食品メーカーであることをご存知ですか?
スーパーやコンビニで売っているパンやお菓子をはじめ、惣菜やお弁当。じつは目にしない日はないくらいに様々なところでヤマザキグループの商品が溢れ、今も昔も食を支える存在として地位を築いています。
そんな日本を代表する食品メーカーだからこそのアプローチで社会に貢献するヤマザキグループについて、山崎製パン株式会社 デイリーヤマザキ事業統括本部開発部の小池課長にお伺いしました。
山崎製パン株式会社とは
今回は、そんな山崎製パン株式会社の食品メーカーとしての取り組みや・理念などを山崎製パン株式会社 デイリーヤマザキ事業統括本部 営業本部開発部課長 小池一仁に語っていただきました。
デイリーヤマザキに流れる山崎製パンのDNA
実は、コンビニチェーンのなかで食品メーカーが展開しているコンビニは「デイリーヤマザキ」だけなんです。
セブン-イレブンやファミマリーマート、ローソンをはじめとした大手コンビニは、親会社が流通業であるケースが一般的です。一方、デイリーヤマザキを展開する山崎製パン株式会社は流通ではなく、製造からはじまっている会社です。
違いの一つとしては、商品を届ける力が全く違います。もちろん、通常時であればどこのコンビニも充分な量の商品を置いています。しかし、メーカーと取引をして商品を仕入れているほかのコンビニでは、大規模震災などでメーカーの工場や流通がストップしてしまうと、店舗は開いているのに商品が届かない、といった事態になりがちです。
その点、山崎製パンのコンビニは、もし被災地の工場がストップした場合でも、全国に自社工場があるので、交通インフラさえ無事であれば、他の工場から店舗に商品を送り届けることができるんですよ。
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大規模災害が起きたときに被災地へ食料を届けることは、食品メーカーとしてのヤマザキの使命ですからね。
現在、山崎製パン株式会社では、大規模震災のときに救援食糧を供給できるように国と契約を結んでいて、東日本大震災の際は翌日の3月12日には社長が現地入りし、救援食糧の提供を即座に決断しました。
はい、宮城県の南部に位置するデイリーヤマザキ仙台工場も大きな被害を受け、生産停止に陥りました。
しかし、震災直後に政府からの緊急救援食糧の要請を受け、本社内に即座に「緊急救援食糧本部」を設置。そして、震災翌日の3月12日には、仙台工場が地震発生までに生産していた24万個のパンと、急きょ関東や関西の各工場で増産した36万個、トータル60万個のパンを供給しています。
工場から山崎製パンのトラックで、救援物質集積所や避難所・行政機関へ届けました。翌日以降の3月15日から関東では計画停電が実施されことにより、関東に位置する工場も影響を受けたので、中京および関西エリアの各工場で生産されたパンを、愛知県にある航空自衛隊小牧基地までトラックで運送。その後、自衛隊の輸送機によって宮城県に空輸という方法をとりました。
そして、東日本大震災からじつに1ヶ月以上経った4月17日にようやく仙台工場が復旧し、その度は、被害の大きかった石巻市や気仙沼市、南三陸町などに、山崎製パンの配送トラックで直接、救援食糧のパンをお届けしました。
この活動は、避難所が閉鎖されるまでの8ヶ月間に渡り継続されました。ヤマザキグループ全体で、じつにパン約1500万個、おにぎり約800万個、飲料約100万本などを供給しました。
山崎製パン株式会社の大規模震災時の対応力が高い理由
40年以上前の話なのですが、当時国内最大のパン工場だった武蔵野工場が全焼して、パンは作れないし、お客さまに届けることも出来なくなったんです。それまで順調に業績を伸ばしていたんですが、事業本位で進めてきた結果というか、神の戒めのような感じで……。
火災の3日後には別工場の稼働を増やして供給を再開しましたが、そのときの教訓から、「どんな試練や困難に出会うことがあっても、良品廉価・顧客本位の精神でその品を製造し、お客さまに提供する」という企業精神が蘇ったんです。
1995年の阪神・淡路大震災のときは国との契約がされておらず、山崎製パン側としては救援食糧を供給する準備はしていたのですが、政府からの要請はありませんでした。大規模震災のときに救援食糧を供給する、という国との契約が成立したのは新潟県中越地震以降ですね。
そうですね。これは山崎製パン株式会社が直営工場を経営しているということだけでなく、全国に工場があるからこそ、なにか起きてもカバーできるんです。他のコンビニでは同じような状況ではメーカーに掛け合う必要がありますが、山崎製パンのコンビニなら自社で製造して調達できますからね。
それに、万が一配送ができない場合でも、デイリーヤマザキなら「デイリーホット」用の備蓄があるので、店内商品がなくなってしまっても数日間は弁当などを作ることができるんです。
デイリーヤマザキでは、パンやお弁当、サンドウィッチ、惣菜などを店舗内で作る、独自の店内調理「デイリーホット」があるんですが、デイリーホットを取り入れている店舗内には備蓄があるんです。
工場の整備ももちろんですが、こういった緊急時に温かい食事を届けられるように、食生活の一端を担うメーカーの“使命”として、これからも緊急食糧供給体制の整備に努めていきます。
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良品廉価・顧客本位を掲げるヤマザキのこだわりと約束
そうなんです。じつは、みなさんもよく知っている「サーティワンアイスクリーム」や、ケーキなどの洋菓子をメインに製造・販売する「不二家」、キャラメルコーンで知られる「東ハト」などもヤマザキグループであることをご存じでしょうか。
たとえば、不二家は2008年に山崎製パンの子会社になりましたが、それ以降も『不二家』の名称を活かしたまま展開しています。
私達はメーカーとして、日本を代表するブランドを残したいんです。通常、子会社化すると名称が変更されるだけでなく、従来とはコンセプトまで変わってしまうことが珍しくありませんが、ヤマザキグループでは子会社化しても従来通りに展開しています。
というのも、吸収合併してすべて「山崎製パン」になったら消費者としては楽しみがなくなりますよね。たとえば、いまは複数あるコンビニチェーンが、デイリーヤマザキひとつになってしまうようなもの。
そうですね。いままで皆さんが慣れ親しんできたブランドや、日本で育ったブランドがなくなってしまうのは寂しいですよね。
なので、同じヤマザキグループ内でも、元のメーカー名を残して展開しているのが特徴です。こうした『顧客本位』の考え方の一環として、大切にしています
今回お話した内容は、山崎製パン1社で行なうことではなくヤマザキグループや、さらにはお客さまと接する現場のオーナー様・スタッフの方々の協力があって成立するものです。ですので、一人でも多くの方にヤマザキの取り組みに賛同いただけると嬉しく思います。
ここまで食品を届けるメーカーの使命という話をメインでさせていただきましたが、メーカー集団として良いものを安く届けたいという『良品廉価』への新たな取り組みとして、2019年7月以降「特撰シリーズ」の本格展開をしていきます。この特撰シリーズは、ヤマザキグループの商品開発力、原料調達力などを最大限に活用して、お客さまに驚きを与える高品質、高付加価値の商品。現時点ではデイリーヤマザキとYショップ以外では販売されません。
こうした食品メーカーである山崎製パンならではのコンビニ展開にご期待いただければ幸いです。