FC展開から2年で43店超! 後発の買取店「WAKABA」が加盟店を増やしている理由とは?

株式会社フォーナイン 代表取締役 今井 亮一 |2020年04月12日 公開 (2024年07月26日 最終更新)
買取店WAKABAをFC展開する株式会社フォーナインの今井社長

買取店「WAKABA」を展開する株式会社フォーナイン。多くの競合がしのぎを削るなか、2017年11月にフランチャイズ展開をスタートしてから、わずか2年でFC43店舗、直営店を含めると50店舗以上に拡大するなど、急成長中の買取店です。

なぜ後発ながらこれほどまでに店舗を拡大しているのか──そこには、リユース市場の成長だけでなく、「WAKABA」の競合優位性が関係していました。

拡大を続けるリユース市場で成長するWAKABAとは

2017年におよそ2兆円だった市場規模が、2022年にはおよそ3兆円規模に拡大すると言われているリユース市場。

その拡大の背景にあるのは、メルカリをはじめとしたフリマアプリの存在です。フリマアプリをきっかけに、不要になった中古品の売買をするユーザーが増え、市場規模をさらに押し上げると言われています。

そんなリユース市場の中で、フリマアプリの勢いに劣らない圧倒的な成長率で拡大を続けるのが買取店「WAKABA」です。同社にはどういった競合優位性があるのか。その優位性が市場とどうマッチしているのか。そして、今後の目標などについて、「WAKABA」を運営する株式会社会社フォーナインの代表取締役・今井亮一氏にお聞きしました。

WAKABAの今井 亮一

株式会社フォーナイン 代表取締役
今井 亮一

20代の頃は複数の会社で営業職として従事。大小さまざまな規模の会社で、法人向けから個人向けなどあらゆる商材を扱い、営業経験を積む。その後、30歳にしてリユース業界に足を踏み入れ、リユース業界の大手フランチャイズ本部に勤務したのち、2016年に株式会社フォーナインを設立。

買取は儲かる! トップ営業マンが気づいた業界の可能性

—— もともと、リユース業界の大手フランチャイズ本部に勤務していた経歴をお持ちとお聞きしています。リユース業界に携わったきっかけを教えてください。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

今40歳なんですが、20代のころはずっと営業畑で働いていました。会社の規模はもちろん、法人向けから個人向けまでさまざまな商材の営業を経験し、社内で1番の成績をとったら退職して、ということを繰り返していました。

—— それだけでも営業が天職のようにも思えますが、なぜ営業職から離れたのでしょうか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

30歳になるタイミングで祖父母の体調が悪化しちゃって……。もともとおじいちゃん・おばあちゃんっ子だったので、こういう時くらいはそばで助けてあげたいなって思い、数字や収入などではなく、残業がなく極力定時に帰れて、祖父母の自宅に近い職場を探していました。

その時にたまたま入社したのが、前職の大手フランチャイズ本部とはまた別の買取店を展開する会社でした。

—— 偶然とは言え、買取業界に足を踏み入れるきっかけとなったのはご家族だったんですね!
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

そうなんです。その際にリユースの需要の大きさを感じました。というのも、その会社では8店舗ほど展開していて、すべての商品が集まってくる本店の店長を任されていたんです。そうなると、多くの商品に接する機会があるだけでなく、利益などといった数字も知れたので、買取業界が儲かっているんだと知りました。

転職をきっかけに買取業界の可能性に気が付いたと語る今井社長
—— 10年前というと2010年頃ですが、ちょうどスマホが普及し始めてインターネットが当たり前となり、不景気の影響もあり中古品の人気が出始めたころですよね。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

買取業界は成長真っ只中でしたね。なので、競合となる会社もだんだん増えてきて、私の勤める会社がその競争に勝てず縮小していったんです。

当然なんとかしたいという思いはあったので、20代の頃の営業経験もふまえて、私なりの意見とかを提案していたのですが、その会社で実現することは難しくて、入社から1年半くらい経った頃に買取店で独立をしようと考えました。

—— なるほど。でも、そのあとにすぐに独立はせず、大手買取店のフランチャイズ本部に転職されていますよね。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

そうなんです。独立しようと思って店舗用の物件を探していたのですが、なかなかいい物件が見つからなくて……。かといって同じところで働き続けるつもりはなかったので、営業関係でいい求人があったら転職してもいいかなと、軽い気持ちで求人情報を見ていたんです。その時に前職の求人情報を見つけました。

—— 営業職で転職先を探していたということですが、なぜまた買取店に就職したのでしょうか
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

前いた会社が縮小傾向にある一方で、前職の会社は店舗数を拡大していたんですよ。

気になって調べてみたら、フランチャイズ展開で拡大していってたんです。そのノウハウが気になって興味本位で採用面接を受けました。そうしたら、二次面接で即日採用の返事をいただいたので、独立は後まわしにして入社することにしたんです。32歳の時でした。

—— そこでフランチャイズに関わっていくんですね。

自分のことだけでなく部下を育てることに目覚める

—— 2016年の36歳の時にフォーナインを立ち上げているので、4年ほど大手買取専門店のフランチャイズ本部に勤務されていたんですね。その4年間で、「成長を続けるためのノウハウを吸収する」という目的は達成できましたか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

ヒントはもらいましたが、特別なことをしているというわけではありませんでした。というのも、前の前にいた買取店で改善すべきポイントを私なりに考えていたんですが、割とそれをそのまま実行しているだけだったんです。

—— では、そこで吸収できるものはないと考えて独立されたんですか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

いえ、そういうわけではありません。ひと言で説明すると、私はどんどん新しいことにチャレンジしたいタイプなんですが、2つ前の会社ほどではないにしろ、前の会社も意外と保守的な考え方で……。要はリスクを恐れてチャレンジすらしない。

例えば、そのチャレンジに莫大なお金や時間がかかるなら尻込むのも分かりますが、たかだか数十万円なら一度挑戦してみるべきだよなって。それで、もしダメなら辞めればいい話なんですが、それすらも判断に時間がかかっていました。

—— 営業職として次々と新しいことにチャレンジしてきた今井代表にとっては、保守的な考え方は合わなかったんですね。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

フランチャイズ含めて200店舗以上展開している会社だったので、あれだけ規模が大きくなると、舵を切ることが難しいのは確かなんです。それもあって保守的になるのも分かるんですが、その他にも、いろいろと思うことがあって……。今すぐではないにしても、一生いる会社ではないと思っていました。

—— 結果的には4年ほど勤務されていたんですよね。今井代表の経歴の中では長いと思うのですが、4年間も続けていた理由はなんなのでしょうか。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

20代のころは自分のパフォーマンス重視でずっと自分の数字しか追っていない営業マンで。要は、一匹狼のようなスタイルで働いてきました。

ただ、あるとき会社から「スタッフを育成してほしい」と言われたんです。本格的に部下を育てた経験もないので、試行錯誤しながらマネジメントしていたんですが、成長する人もいればなかなか伸びない人もいて。それでも、時間がかかっても成長したりモチベーションが上がっていったりする姿を見てるとかわいくなってくるんですよ。

—— 営業として自分の成績を考えるのではなく、育てることを考えるようになったんですね。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

そうですね。そういったなかで、私個人の目標よりも、みんなでひとつの目標を達成した時のほうが喜びが大きいことに気づきました。

自分の中では、部下を育てることが働いている一番の意味になっていましたね。なので、自分が教えられることはすべて伝え、部下の半数以上を昇格させてから独立する。本格的に独立を考えてからは、これを目標にし、達成してから独立に踏み切りました。

これまでの常識を打ち破るシンプルおしゃれな店舗空間

シンプルでおしゃれな店舗外観
—— 独立後、2016年に買取店「WAKABA」を立ち上げましたが、その時点ですでに競合は多く存在していましたよね。後発としてどのような戦略を打ち立てたのでしょうか
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

まずは、フランチャイズ展開するか否か。直営店だけではどうしても時間的にも資金的にもコストがかさむので、スピード感をもって店舗展開していくためには、フランチャイズ展開は避けては通れないなって。

なかには、直営店舗を出さずにフランチャイズ展開している本部もありますが、それだと説得力に欠けるので、まずは直営店舗をオープンさせ、実績を作ることが最初の戦略でした。

—— 直営1号店をオープンする頃にはすでにコンセプトなどは決まっていたのでしょうか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

たくさんある競合とどのように差別化を図るかは考えていました。

その一つが、買取店って、利用者からするとどうしても入りづらいんですよね。質屋のイメージがあって、お金がないからモノを売りにいく、みたいな。なので、クリーンなイメージのある緑をコンセプトにしようと。

—— たしかに、入りにくさや気軽に行きにくいというイメージはありますね。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

あとは、シンプルさも重視しました。きらびやかで、やけにゴージャスな買取店ってありますよね。それだと、費用的に高額になってフランチャイズ展開には向いていないんです。

なので、無駄な装飾を極力省いたうえで、買取店らしくないおしゃれな空間にし、誰もが利用しやすいシンプルな店舗デザインにしようと考えました。

木目と緑をイメージコンセプトとし、商談スペースを入口から見える場所にすることで、入りやすくオープンな雰囲気になっている
木目と緑をイメージコンセプトとし、商談スペースを入口から見える場所にすることで、入りやすくオープンな雰囲気になっている
—— WAKABAの店舗デザインは、木目調と緑色を基調としているので、カフェのような雰囲気がありますよね。店舗デザイン以外で競合買取店に勝つために意識されたことはありますか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

これらハードの部分ももちろん重要ですが、それよりもソフトの部分が大事なんです。では、それはなんなのかというと「接客」です。前職時代にも感じていましたが、なかにはひどい接客をしている店舗もあった。

具体的には、店舗にご来店いただいてるにもかかわらず、なんのやり取りや会話もなく金額だけを伝えたり。はたまた、お客様から「もうちょっと高く買い取っていただけませんか?」と言われても、「そんなんだったらうちでは買い取れません」とか。

—— 無機質というかマニュアル的というか……。第一線で営業をしてきた今井代表だからこその接客のコツみたいなのはあるのでしょうか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

買取ビジネスは、飛び込み営業をするわけでも無いですし、お客様側から目的を持って店に来てくれるわけなので、営業としてこんなに楽なことはありません。

接客というソフトの部分を徹底するだけで競合との差別化にもなりますから、プロ意識を持った接客をしていこうと指導しています。

例えば、来店するお客様の一人が、1ヶ月間で受ける接客やサービスを想像し、その中でWAKABAに来たときが一番気分がいいと思ってもらえるような接客をする。人の心を動かすには、リアリティと言葉の抑揚が大事なんです。

プロ意識を持った接客を心掛けている

大きな夢を叶えるためのスピーディなフランチャイズ展開

フランチャイズ1号店として2017年にオープンした「WAKABA ワンズモール稲毛店」
フランチャイズ1号店として2017年にオープンした「WAKABA ワンズモール稲毛店」
—— 開業2年目からは早速フランチャイズ展開を始めたということですが、直営とフランチャイズではどのような違いがありましたか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

2017年にフランチャイズ展開に踏み切りましたが、フランチャイズ本部の人員と直営店の人員とでは、必要になってくる経験もスキルも戦略も違います。

また、当時はWAKABAが業界最後発のフランチャイズというポジションでしたから、本部の人員そのものが競合他社との差別化となるようなことも意識してました。

買取業界のプロであるWAKABAのスタッフによるオーナー研修があるから、未経験でも査定ができるようになる
買取業界のプロであるWAKABAのスタッフによるオーナー研修があるから、未経験でも査定ができるようになる
—— フランチャイズ展開のためにプロの社員を新たに揃えたんですね。2年でFC43店舗にまで拡大できたのはプロによる指導の賜物ということでしょうか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

それももちろんありますが、他にも理由があって。他の買取系フランチャイズと比べても、WAKABAのフランチャイズパッケージはシンプルなんです。

例えば、加盟金0円って言ってるフランチャイズでも、システム利用料などの名目でお金取ってたりしますよね。でもWAKABAは加盟金にすべて含まれているので、それ以外のお金はいただきません。

—— シンプルでわかりやすいパッケージというのは、加盟検討者にとっても安心できますね。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

そうですね。わかりやすく安心なパッケージにするために、中間マージンも取っていません。なかには、ボールペン1本に至るまですべて本部を経由して買わないといけないフランチャイズ本部もあります。すると、中間マージンがかかるので、必然的にコストが膨れ上がります。

一方「WAKABA」では、内装業者などすべてご紹介はしますが、あくまで紹介するだけでそこに依頼する必要はないんです。安くやってくれる知り合いの内装業者がいれば、そこにお願いしてもいい。ボールペンなどの備品なら自分で好きなところから調達してもいい。

必要な物のリストはお渡ししますが、オーナー様が自由に選べるので中間マージンはかかりません。

中間マージンをなくすためにFC加盟オーナーに渡している備品リストの写真
中間マージンをなくすためにFC加盟オーナーに渡している備品リストの写真
—— 加盟店としてはありがたいですが、それで本部の利益は確保できるのでしょうか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

われわれのフランチャイズ事業が成功するか否かは、莫大な加盟金や中間マージンなどで得られる利益ではなく、ロイヤリティにかかってる。そもそも、フランチャイズ事業って加盟店が儲かることで、本部も儲かるシステムじゃないといけないんですよ。加盟金ビジネスではなく、ロイヤリティビジネスでないといけない。

—— ロイヤリティビジネスと言っても、WAKABAのロイヤリティは毎月固定の25万円で、変動制ではないので、加盟店の頑張りが本部の利益に直結するわけではないですよね?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

ロイヤリティは固定ですが、加盟店がより早く初期費用を回収できれば、次の階段が見えてくる。オーナー様に2店舗目、3店舗目と展開していただければ、その分オーナー様の利益にも本部の利益にもなりますからね。

なので、「WAKABA」では、加盟を検討していただく最初の段階で、1店舗で満足するのではなく、多店舗展開を目指してほしいとお話させていただいています。

—— 検討段階で早々と多店舗展開のお話をされるんですね。実際どのくらいの加盟店が多店舗展開しているのでしょうか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

契約ベースでは、半分以上のオーナー様が2店舗目以降の加盟契約を締結してます。

2店舗目以降の出店のタイミングは、物件との巡り合わせなどもあるので正確な統計は取れてませんが、1店舗目オープンから3ヶ月目の方もいれば、半年の人もいる。なかには1店舗目オープンの翌月に2店舗目出店という方もいらっしゃいますね。

—— 投資回収の目処が立つからこそ、早々に多店舗展開を目指せるんですね! 今後の目標などはあるのでしょうか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

近々の目標としては、直営店を含めて2020年の11月までに100店舗を達成したいと思っています。

それ以降は、おそらく業界ナンバー1の店舗数を目指すとは思うんですが、それが何店舗でどのタイミングでなど具体的には考えていません。

まだわれわれは大きな山を登っている最中で、それを10年も20年もかけて登り切るのでは意味がないんです。なので、できる限り早く実現することに意味があります。なぜなら、オーナー様はもちろん、スタッフが実現したい未来があるとして、それが10年や20年かけて叶っても、思い描いていた未来とは違うかもしれないですからね。

—— 今井代表の熱量とWAKABAの成長を支えているスタッフ方もすごいと思うのですが、普段は社員の方にどのようなお話をされているのでしょうか?
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

いつもスタッフには会社のためでなく、自分の大切なことのために働いてほしいと伝えています。

旅行に行きたい、家を買いたい、子供をいい学校に行かせたい……と言った具合に。それぞれの夢を叶えるために会社を利用してくれればいい。

—— 利用者や加盟店オーナーを第一に考えろ、とは言わないんですね。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

一般的にはそうですね(笑)。というのもあるので、変な捉え方されないか不安もありますが、スタッフが自分自身のために働くには、「WAKABA」を利用するお客様に喜んでもらい、加盟してくれたオーナー様を成功させなければ勝ち取れません。

だからスタッフには、普通の努力ではなく、常にアンテナを貼り、高い意識をもったプロとして努力してもらい、人間的に成長してほしいと思っています。普通でないことをしないと大手には勝てませんからね。

忘年会で社員を表彰する今井代表
忘年会で社員を表彰する今井代表
—— スタッフが成長しなければオーナーを引き上げることはできない。人を育てることを第一と考えるようになった今井代表らしい会社方針ですね。最後に、現在フランチャイズ加盟を検討している方へのメッセージをお願いします。
WAKABAの今井 亮一

今井 亮一

一流の営業マンならどんな商材でも売れるように、どこのフランチャイズに加盟しても成功する人は成功しますし、失敗する人は失敗します。どんなフランチャイズであっても、成功するのは他人のせいにせず、自分自身で努力できる人です。

そんな方のさらなる成功を支えるために、WAKABAではそれぞれの分野で徹底的にこだわったプロフェッショナルを用意しているので、もっと壮大な夢を叶えたい・手に入れたいという方をお待ちしています。

—— 今井代表の思いを継いだスタッフとオーナーによって作り上げる今後のWAKABAの展開が楽しみですね。ありがとうございました。

買取店WAKABAをFC展開する株式会社フォーナインの今井社長

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