ブックオフ子会社、中古家電販売の「ハードオフ」とフランチャイズ契約を解除

フランチャイズWEBリポート編集部 |2015年02月24日 公開 (2021年11月18日 最終更新)
ブックオフ

中古本販売ショップを運営するブックオフコーポレーションの子会社が、中古家電販売ショップを運営するハードオフコーポレーションとのフランチャイズ契約を解除しました。社長同士が友好関係にあって、それぞれのフランチャイズに加盟したという経緯があったようですね。

「HARD OFF」と「BOOK OFF」の関係性は兄弟にも似ている

「HARD OFF」は新潟県で1993年に一号店が生まれたことをきっかけに始まりました。元々オーディオ専門店を経営していた山本善政現社長が、ブックオフにインスピレーションを受けて創業したのです。

余談ですが、山本氏はブックオフ創業者の坂本孝氏主催の起業勉強会に出席し、彼との親交を持ち始めたそうです。そこから親しくなり、ハードオフ創業につながったのでしょう。

写真を見てもらえばわかるように(写真はWikipediaより転載)、ロゴマークもどことなく似ています。また、店舗の内装までそっくりなようです。

友好関係にある双方の社長は、直接的な資本関係を結ぶことはなかったものの(まったく別の会社です)、お互いのフランチャイズに加盟し合っていました。併設店が多いのもそういったことが背景にあるのでしょう。同チェーンの関係性は、兄弟にも例えられそうです。

フランチャイズ契約を解除した後の店舗はどうなるのか

ハードオフのフランチャイズ店舗は、ブックオフコーポレーションの子会社、株式会社B&Hが運営していました。契約店舗は10店舗。解除を申し出たのは、B&Hの方からだったそうです。

これによってブックオフ側は、ハードオフに対して3億円の違約金(解決金)を支払うことが決定しています。 フランチャイズ契約を解除した時によく出てくる問題として、競業避止義務というのがあるので、こちらを負わないための対応とも言えるでしょう。“営業差止請求及び損害賠償請求等の金銭を要求しない”というカタチで双方合意しています。

そしてハードオフ側の合意のもと、B&Hが運営する店舗では今まで通りの営業を行い、ハードオフ店舗で扱っていた商品を扱い続けるようです。

今までブックオフ側は、ハードオフとフランチャイズ契約をしていたので、独自で中古家電を扱うことができませんでしたが、この契約解除によって、そうした市場にも参入できる・・ということで、ハードオフにとっては兄弟のような関係だったとはいえ、手強いライバルができたようなものですね。

ハードオフの加盟者はエリアフランチャイジーが多い

ハードオフはエリアフランチャイザーを抱えている数が多いフランチャイズです。例えば、愛媛県今治市に本社があるありがとうサービス株式会社。ここは、愛媛県と九州で店舗展開をしています。ありがとうサービスは他にも飲食フランチャイズなどに加盟し、今治市初の上場企業達成をした企業でもあります。 このようなビッグな企業と加盟契約をいくつも結ぶことで、全国展開の駒を進めるといった戦略ですね。

ブックオフはヤフオクと資本・業務提携していた

今回の契約解除とつながるニュースかもしれませんが、2014年にブックオフはヤフオクと資本・業務提携をしていました。これによって2014年9月には双方のサービスのコラボ店、「ヤフOFF!」が渋谷にオープンしたのです。“リアルとネットの融合”ですね。

こちらのショップでは、ヤフオク!への出品代行を店舗で行うサービスも実施しているのだとか。また、Yahoo!プレミアムに登録すると、毎月3冊まで108円(税別)の本を無料でもらえる特典などもあるようです。

ヤフー側としても、リアルに飛び出すことで新たなマーケットが開拓できて、ブックオフ側にとっても店舗で売れなかった本がネットで売れるなどのメリットができる。ネットなら商圏や販売機会のロスを逃すことがありません。双方にとってメリットのあるカタチで提携しています。

ブックオフもハードオフも提携を重ねつつマーケットを拡大している

対するハードオフはというと、リサイクル着物業界最大手である東京山喜株式会社に資本参加したことが2014年12月に明らかになりました。どうやら東京山喜株式会社の発行株式、11.09%を2500万円で取得したようです。

東京山喜株式会社は、リユース着物ショップを全国に100店舗以上展開しています。およそ半分がフランチャイズ店舗です。チェーン名を「たんす屋」といいます。

面白いのが、東京山喜株式会社の中村健一社長も、ブックオフにインスピレーションを受けて「たんす屋」のサービスを始めたのだとか。

ブックオフはネットから。ハードオフは着物のマーケットにまで入り込むことによって、それぞれリユース業界自体のマーケット拡大につながる動きをしています。兄弟のような関係だった両社の動きに今後ますます目が離せません。

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