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2016-09-28 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
販路企画 代表
田口 勝 |
多店舗展開を成功させる5つの秘訣!〜FC展開やのれん分けの活用〜
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このコラムのポイント
『多店舗展開を成功させる5つの秘訣!』第5弾!今回のコラムでは、多店舗展開を行う上でぶち当たる事もある融資限界の壁。銀行からの借り入れができなくなると、新店舗への投資も難しいです。その際、フランチャイズ展開やのれん分けというシステムが多店舗展開を大きく進めてくれることもあります!
フランチャイズWEBリポート編集部
急速な多店舗展開に見える融資限界
今回は、成功する多店舗展開の5つの秘訣の第5回目となります。
前回までのコラムでは、多店舗展開の秘訣として『成功モデルの明確化』『出店戦略が生命線』『人材採用と育成の仕組み』『スケールメリットの活かし方』についてご説明いたしました。
今回は、『多店舗展開の融資限界』について解説させていただきます。
融資が受けられない?
1店舗目が成功すれば2店舗目、3店舗目と進めていく多店舗展開ですが、初めは直営店で拡大を行う場合が非常に多いです。急激に店舗数を増加していくと、金融機関からの融資が『少し待った』がかかる融資限界を迎える場合があるんです。
これは、必ず迎えるという訳ではありませんが、店舗というのは投資金額が大きく、累積の借り入れ金額が高くなる傾向が強いというのが原因です。
ほとんどの中小企業では、法人であっても、会社だけでなく、代表者も保証人としてつける場合が多いので、この法人代表者の信用と、現在の会社の経営数値状況が融資に限界をつくる要因となります。
そこで、多店舗展開がある程度促進されると次に検討されるのが、フランチャイズ展開となります。フランチャイズ募集を行っている企業の多くは、直営店の成功を経て、更に急速に拡大を図るため、フランチャイズ展開を行い、オーナー様の資本で店舗を開設して頂き、更に多店舗展開を加速させていくというのが現状です。
直営店での拡大を図ることを目的としているのであれば、利益の出る仕組みをしっかり検討しておかなければなりません。特に重要なポイントが投資回収月数と標準利益モデルになるでしょう。
投資回収が早いモデルであれば、フランチャイズでの展開をせずとも、直営店で一気に拡大を図ることも可能です。また、月の経費が低いモデルで、且つ、売上が上がるモデルであれば、利益が出やすく、それが次の多店舗展開の原資となり、最終的に融資なしでも多店舗展開ができる店舗もあります。全ては、成功モデルがどのようなモデルになっているかで直営か、フランチャイズかを検討すべき内容でしょう。
これは、起業段階から検討できることでもあるので、是非、検討して頂きたい点です。
フランチャイズ展開とのれん分け
ここで少しフランチャイズ本部としての店舗展開についてご説明いたします。
フランチャイズ本部とは、自社の成功モデルを他の企業や個人に提供し、その対価として加盟金やロイヤリティ等の収益を本部が得るビジネスモデルを持ちます。
のれん分けとは、自社の社員等とフランチャイズ契約を結びはするが、加盟金や研修費、ロイヤリティ等にはインセンティブ報酬を与えて、社員の独立支援を行ったりする制度となります。
フランチャイズは全く別の経営者が加盟しますが、のれん分けは方法によっては、自社の社員であったりすることがあり、社内でもお互いによく理解していることが多いため、比較的容易に多店舗展開ができる方法となります。
私は、フランチャイズ展開を行う際には、この『のれん分け』制度を構築し、店舗拡大を行う方が、容易に拡大できると考えております、特に初期段階のフランチャイズ本部であれば尚更でしょう。
まずは、フランチャイズとしての実績を積み、それから一般公募をかけて拡大を行った方が、本部・加盟店の両方の成功確率が上がると考えております。
関心のある方は是非、このフランチャイズ本部展開やのれん分けを検討して頂くことが、多店舗展開を加速させるポイントになると思っています。
最終的に、皆様独自のビジネスモデルをお持ちであれば、こういった対応も検討していく必要が出てくるでしょう。
多店舗展開を成功させる5つの秘訣 まとめ
ここまでのコラムで多店舗展開の5の秘訣についてご説明いたしました。
店舗型ビジネスをされているのであれば、この多店舗展開は独自のビジネスモデルであろうと、フランチャイズ加盟店であろうと是非、目指して頂きたいポイントである考えております。
しかし、多店舗展開は、リターンも大きければ、リスクも大きいというのが実情です。今回までに解説してきた5つのポイントをしっかりご検討いただき、失敗しない多店舗展開を行って頂ければ幸甚です。
フランチャイズ加盟店としての多店舗展開の場合は、本部との相談にもなりますが、メガフランチャイジーとして違う業態での多店舗展開もおおいに考えられます。
いずれにしても個人経営から会社経営に変わることが多店舗展開の一番重要なポイントです。
是非、店舗型ビジネスで起業されるされる際は多店舗展開を目標として頂ければ幸いです。