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2015-03-03 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
ATカンパニー株式会社 代表取締役
浅野 忍土 |
あなたはどちら向き?フロービジネスとストックビジネス
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このコラムのポイント
フロービジネスとストックビジネスという言葉にお聞き覚えはありませんか?ここでは双方の定義とメリット、注意すべき点について知ることができます。あなたはどちらがいいと思えるのか、それによってビジネスを選択するのもひとつかもしれません。
フランチャイズWEBリポート編集部
フランチャイズを選定する際に、着目すべき視点がいくつかありますが、今回は収益のあげ方に着目して、解説したいと思います。
事業において、収益のあげ方には、大きく分けて2つの視点があります。
それはフロー収入(ビジネス)とストック収入(ビジネス)です。それぞれ特徴があり、経営上、それぞれの特性を理解し、事業ポートフォリオを組むことが重要であります。
フロービジネスは、その時々に応じて収入をあげるスタイル
まずフロー収入に関して。フローとは流れと言った意味です。
フロー収入、フロービジネスとは常に顧客との関係は継続的ではなく、都度顧客と関係を築き、その時々に応じて収益をあげて行くスタイルになります。
一般的なビジネスのほとんどがフロービジネスのスタイルです。
フランチャイズであれば、外食事業やコンビニエンスストアなどの小売り業が代表的な例となります。
ストック収入は、継続的・長期で収入をあげるスタイル
一方で、ストック収入に関して。ストックとは蓄積を意味します。
ストック収入、ストックビジネスとは蓄積型の売上、収入構造を持ったビジネスの事を指します。顧客を囲い込み、持続的にサービスを提供しながら長期的に収入を上げて行こうという考え方です。
具体的には会員ビジネスがそれにあたります。
一定の会員数を確保してしまえば、安定的な収入、収益を見込む事が出来るのがストックビジネスの特徴です。フランチャイズビジネスで言えば、例えば、介護事業や塾事業、そしてフィットネス事業が代表的です。
宅配ビジネスは、フロービジネスとストックビジネスのミックス型
また、宅配関連事業はストックビジネスの側面を持ったフロービジネスとも言えます。
どちらのビジネススタイルが良いと言う訳ではなく、どちらのスタイルにも一長一短があることを先ずは理解しなければなりません。つまり、ビジネススタイルの違いで、経営の仕方も変わってくるのだと言うことを理解しなければなりません。
そして自社の事業ポートフォリオを考える場合、これらのビジネスをバランス良く取り組む事が安定的な収入、収益を上げる上で重要な視点になります。
フロービジネス・ストックビジネス。それぞれのメリット
事業の特徴として、フロービジネスは比較的、展開当初から売上が上がる可能性が高いことが上げられます。故に、運転資金を比較的抑えながら事業展開が可能となります。
一方ストックビジネスは顧客を獲得し、蓄積するまでに、比較的時間を要する可能性がありますが、一旦顧客構造を構築出来れば、安定的な売上を見込むことが可能となります。
フロー収入・ストック収入の気をつけるべきポイント
ストックビジネスの場合、顧客構造を構築するまでに運転資金が必要となる可能性が高いことが上げられます。
もう少し詳しく解説しますと、ストックビジネスで注意すべきは、損益分岐点を超えるまでにどれだけの期間を要するのか? またそれまでにどれだけの費用(運転資金)がかかるのか? と言った点を考慮すべきです。
フランチャイズ事業を選定する際には、損益分岐点を超えるまでに必要とする販売促進費は初期投資に考慮されているのか? されていない場合にはそれを含めた資金を用意するなど、しっかりとした事前準備が必要です。
よって、ストックビジネスは一旦損益分岐点を超えれば、安定した収益が見込めますが、それを実現するまでに期間とコストが掛かる事を十分に考慮しなければなりません。
フロービジネスの場合には、ストックビジネスに比べれば、短期的に売上を上げる事が可能かもしれませんが、顧客との関係が不安定な側面があり、一旦、損益分岐点を超えたとしても、様々な内的、そして外的要因により売上、収益が左右される可能性があります。
どちらのビジネススタイルにせよ、顧客から収益を上げることは変わらず、顧客の満足を勝ち得なければ何れのスタイルでも収益を上げることはできないのは明白ではあります。
以上の特徴を踏まえ、事業ポートフォリオを見直し、法人の方であれば、自社の戦略に沿った事業ポートフォリオを組まれる事、そしてそれぞれの事業スタイルに合ったマネジメントを実践されることをお勧めします。