2015-01-23 小説で起業ノウハウを学ぶ!FCビジネス起業物語
フランチャイズ研究会 社会保険労務士・人材育成トレーナー
安紗弥香 |
フランチャイズ研究会執筆『夫婦の脱サラ・コンビニ開業で夢を現実に』
加盟店訪問とコンビニフランチャイズ契約の決意
起業物語の登場人物
高田 元(たかだ はじめ)49歳
高田 由美子(たかだ ゆみこ)47歳
高田元は、静岡県の大学を卒業後、県内の中堅会社で営業の仕事をしている。以前から今の会社で定年を迎えることに不安があったのと、独立して夫婦で事業をやりたい、という思いから50歳を機に会社を辞めることを決心。この年齢から夫婦で始めるなら、比較的容易に始められるフランチャイズチェーンにしよう…と検討している。
「いらっしゃいま…あ、こんにちは〜!」
ある日の午後の、コンビニ店。その店をよく利用する常連顧客が入ってきた。
「あ…こんにちは」
この物語の主人公、高田元(たかだはじめ)だった。
「本日、15時よりお約束を頂いていた、高田と申しますが、店長さんは…」
「あ、お待ちしておりました!今呼んできますね〜」
店舗スタッフがそう言って、いったん事務所へと消える。
「店長〜!高田さん、お見えになりましたよ〜」
程なくして、店長と呼ばれた男性が出てきた。
「これはこれは。いつもご利用ありがとうございます。お待ちしてましたよ」
「こんにちは。すみません、お忙しいときに」
「何をおっしゃいますか。いつも来てくださるあなたのおかげで、ここを続けられていますから」
思った以上に明るく、話好きの人物のようだ。
店長・増田は、元を店舗の外へ連れ出し、端へと誘導した。
「ここでもいいですかな?」
「あ…はい。改めまして、高田と申します」
そう言って、元は増田に名刺と、用意していた手土産を渡し、事情を話し始めた。
「いやあ、嬉しいですねぇ。しかもウチと同じAとは。もう契約はお済みなんですか?」
「いえ、これからです。BもCも話を聞きに行ったんですけど、やっぱりここみたいに接客に力を入れているAがいいな、と思って。それで、お店をやってみて、実際はどうですか」
「そうですねぇ。やっぱり、コンビニは物流のシステムや、レジや発注端末などの機械、業務のマニュアルが整ってるのはいいですね。広告も本部が打ってくれる。これだけの機械や広告を自分で入れるとなると、一気に何千万円ですよ。その意味では圧倒的なブランド力があるコンビニはすごいですよ。
その分、ロイヤリティが毎月、契約に基づいて引かれますので、そこの収支がちゃんと取れそうかどうかは、本部としっかり話し合ったほうがいいでしょうね。そこを怠ると、開けてびっくり、予測日商40万円って言われたのに、30万も行かない!なんてことになるかもしれませんから」
「そうですか、それは厳しい!ちなみに本部は、その予測の売上をどうやって決めているんですか?」