2015-03-27 小説で起業ノウハウを学ぶ!FCビジネス起業物語
フランチャイズ研究会 中小企業診断士
木村 壮太郎 |
フランチャイズ研究会執筆『元教師が家族とともにフランチャイズで悲願の学習塾開業』
学習塾フランチャイズ加盟と悲願の開校に向けて
起業物語の登場人物
山川明男(42歳):東京都郊外の一軒家に住む、教育系出版社勤務のサラリーマン。パート勤めの妻、孝子(40歳)と中学2年生の息子、学(14歳)との3人暮らし。子供が好きで、昔は公立中学校の英語教師だったが、赴任した学校の環境が悪く退職。出版社に転職し、最近では教育関係のアプリの企画にも関わっているが、息子の将来への不安や、子供の教育への未練が残っている。
明男は学習塾を始めることにはしたが、最終的に西進ゼミナールと山井塾のどちらの本部にするかを決定しなければならない。しかし、明男の中ではまだ決定打がなかった。
孝子も明男が迷っているのが気になって尋ねた。
「あなた、結局どっちの本部に入ろうと思っているの?開校するかも含めて、そろそろ結論を出さないとね。」
明男は答えた。
「実はまだどちらの本部にするか迷っているんだ。初期費用が抑えられる西進ゼミナールか、ここ数年ぐんと教室数を伸ばしている山井塾か。
ここは勘や勢いで決めるべきではないと、本城さんやフランチャイズ加盟希望者向けセミナーの講師からもよく言われていたからね。本部選びについて学んだことも思い返しながら検討してみたいんだ。」
「確かにあなたの言う通りね。ここは腰を据えて、よく考えてみましょう。」
孝子はそう頷いた。
明男は、学んだことのメモや、展示会で買った加盟者向けの書籍『よくわかる!フランチャイズ入門』(同友館)等を読み返した。すると、大事なことが色々思い出された。そして、思い返しながら孝子と話した。
「フランチャイズの本部と加盟店は、経営理念や価値観を共有すべき、パートナー同士と言える関係だ、ということが繰り返し言われていたよね。
条件ももちろん大事だけど、結婚する時のように、この本部と末長く一緒にビジネスをしていけるか、という価値観が合うかがとても大切になるってね。
そして、本部はもちろん加盟店を訪問し、生の声を聞くこと。これも大事なポイントだったよね。」
「僕達は加盟者とはいえ独立した事業者になるんだ。自分でも事業計画や資金計画を立てて、積極的に質問もしながらしっかりと本部を見極めないとね。とにかく後悔だけはないようにしよう。」
そして二人は、これから本部訪問をするにあたって、1.本部の経営姿勢・社会的責任、2.情報公開度、3.事業力、4.加盟店支援力、5.財務力、6.加盟店の成功度の6つのポイントを中心に、自分にふさわしい本部かどうかを評価することを学んだことを基に確認した。