2013-03-08 専門家が語る。フランチャイズ・独立開業コラム
フランチャイズ研究会 中小企業診断士
高木仁 |
6つのチェックで見極める、自分でできるフランチャイズ本部評価
このコラムのポイント
加盟店契約とは「結婚」に例えられます。結婚を考える時は、「相手は自分にピッタリの相手なのか?」と自分自身でじっくり考えたり、第三者の客観的な意見を聞いたりする場面があるでしょう。フランチャイズ契約においても、主観的かつ客観的に加盟を判断する必要があるということです。では具体的にどのようなアクションをしていけばそのような目を養えるのか?を解説しています。加盟検討初心者の方におすすめの内容です!
フランチャイズWEBリポート編集部
本部評価をする上で知っておきたい、三つのこと
1.本部選びは人生の大きな投資である
フランチャイズ加盟は、お金だけでなくそれ相応の時間もかかる。
そういった意味で、人生において大きな買い物となるので、じっくり吟味する必要がある。
客観的な第三者の意見も聞いてみよう。
2.本部とは長期の付き合いとなる
加盟して終わりではない。その後、本部とは長い付き合いをすることになる。
自分と「相性の合う」、フランチャイズ本部を見つけよう。
(相性は、自分の主観で見極める)
3.フランチャイズで独立するための成功への近道は、本部選びである
客観、主観両方の側面で、自分の加盟したいフランチャイズを吟味することが成功には必要
本部選びのステップ
自分に合ったフランチャイズを見つけるためには、以下のようなステップをふんで、優良なフランチャイズ本部を見極めるとよいだろう。
STEP1: 情報収集
新聞や雑誌・書籍、HPなど、様々な手段を用いて情報収集する。
また、「フランチャイズ・ショー」などフランチャイズ本部が多数そろう場に足を運んでみるのも、参考になるだろう。
- 新聞…「日経MJ」、「日本経済新聞」
- 雑誌…「FRANJA」
- 書籍…「新版 よくわかるフランチャイズ入門」(日本フランチャイズチェーン協会編)
- ホームページ…「日本フランチャイズチェーン協会」(新聞や書籍のニュースの見出しが見れる)、「フランチャイズ研究会」、フランチャイズ募集情報比較サイト「フランチャイズWEBリポート」
- セミナー…「フランチャイズ・ショー」(日本経済社主催)
- その他…帝国データバンク、東京商工リサーチ
STEP2: 本部情報を収集
自分の加盟したいと思うフランチャイズを見つけたら、次は、その本部について知識を深めよう。
その本部を知る手段としては、下記のようなものがある。
- 本部の企業HP
→ 本部企業の売上高や店舗数・理念などを確認 - 事業説明会
→ 複数の説明会に参加し、他本部との違いを見る。本部にとって、不利な情報の開示度をチェック - フランチャイズ本部企業を訪問
→ 受付従業員の対応や本部幹部層の経営姿勢を見る。意外に見ておくべきところが、会社のトイレ。会社の中が綺麗に保たれていると、どのような会社か少し見えてくる。 - 複数の加盟店を訪問(本部紹介以外も)
→ 実際に加盟しているオーナーの声を聞くことで、本部サイドの話と食い違いがないかを確認。また、お店の繁盛度なども見る。本部紹介の加盟店以外も、見学に行ってみるといいだろう。 - 法定開示書面のチェック
→ 法定開示書面は、フランチャイズ契約を結ぶにあたって契約内容に関する一定の事項を記載した書面である。直近のフランチャイズ店舗の推移数、訴訟の件数、ロイヤルティに関する事項など重要なことが表記されているので、確認する必要がある。
STEP3: 6つの視点で本部を評価
加盟したい本部が見つかったら、STEP2 で挙げたような、調査も大事だが、そういった客観的な評価だけでなく、自分が加盟したいと思える本部であるかという主観的評価も重要である。
収集した情報(評価項目)を整理し、評価する
評価項目には、定量的項目と定性的項目の二種類がある。定量的項目は、データ等に基づき、客観的に判断する項目で、定性的項目は、本部や加盟店と会ってみて価値観が似ていたとか、数字では表せないような項目である。
評価方法
評価方法としては、加盟したいと思うフランチャイズ本部に対して まず、全体的な客観的評価を行った上で、自分の主観的評価を行なう。 このフランチャイズ本部は、自分にぴったりなフランチャイズかを見極める上では やはり慎重にならなくてはならない。
自分の目で見て、聞いて、感じる。
納得するまで調べ、分析し、自分自身で加盟を決断するまでは加盟しない。
その中で、迷いが生まれたら、専門家に相談するのも手である。
本部評価の6つの視点とは
- 本部経営姿勢…フランチャイズ本部が、どのような経営理念のもとFC事業を展開しているのか。
→ 「FCチェーン理念」「経営者の資質」「将来ビジョン」「会社の品格、印象」 - 情報公開度…加盟希望者に向け、フランチャイズ本部が経営実態をありのままに開示しているか。
→ 「ホームページの充実度」「資本金、従業員数、店舗数、直営店比率の公開度」「FC事業年数、起業設立年月、沿革の公開度」「出店数・閉店数(年間新規加盟数・解約数)」 - 店舗展開可能…加盟後、多店舗展開できる見込みがあるか。
→ 「モデル店舗」「商品力」「商品供給の安定度」「商品開発力」「複数出店可能性」 - 加盟店支援力…フランチャイズ本部が、加盟店の成功に不可欠な支援機能を備えているか。
→ 「開業サポート、開業前研修内容」「加盟店会の有無」「スーパーバイザー」「本部実施の販促内容」「不振店対策」「マニュアル」 - 店舗収益性…加盟店の成功の可能性と成功の度合い。
→ 「モデル損益、営業利益率」「ロイヤルティ・その他の本部徴収金」「生産性(売上/人、売上/坪)」「初期投資額(投資回収期間)」 - 加盟店満足度…既存加盟店の満足度を客観的にはかる。
→ 「複数店舗経営率」「途中解約率」「加盟店からの訴訟率」「契約更新率」
終わりに
冒頭でも述べたが、客観的かつ主体的な目線で、フランチャイズ本部を見て自分自身で判断することが必要となる。
では、どのような視点から見ていけばよいのかというポイントも、高木氏のセミナーでは挙げられていたので、こちらのポイントをもとに加盟の検討を進めていくとよいだろう。