(株)ユニバーサルホーム 代表取締役 加藤 充 氏

FCに加盟するということは時間を買うこと

インタビューを通じて受ける印象は「穏和」の二文字。
フランチャイズ本部の代表者であり、なおかつ人生で二度も会社を上場させた方という事前情報だけをもってお会いすると恐らく多くの人は拍子抜けするだろう。それほどにその語り口調は穏やかそのものなのだ。きっと社団法人日本フランチャイズチェーン協会(以下JFA)の会長に推挙された理由もそういったところが会員の支持を集めたのではなかろうか。

─会長になられて何年目でしょうか。

今年で二年目です。

─そうですか、私はてっきり4年目くらいかなという印象でしたが。

いえ、それはないです。この会長職は原則一期二年で交代ですから。そういう印象をお持ちなのは私が副会長職を二期4年間務めていたからじゃないでしょうか。

─そうかもしれません、JFAの会長にずっといらっしゃったかの印象をもっていました。 ところで、今回の講演にはどうしてこのタイトルをお選びになったんでしょうか?

いやもうわたし自身がフランチャイズってなんですかってよく尋ねられるわけですけど、その時いつも言ってるのがこれなんです。一番伝えたいことでもあるわけです。加盟する人はね、ノウハウにお金を出すのか、商品にお金を出すのか、あるいは商売する権利にだとかってね、いろいろ考えるんですよね。ときどき質問もされます。そんなとき私は一番特徴を表しているのは、時間を買うことですよって言うんです。そういうと皆さんに割と直ぐに分かってもらえます。わたし自身それが特徴も表していますし本質も突いていると思っていますから、FCはなに?って聞かれたら、時間を買うことって言ってます。ですからこれを演題として使わせてもらいました。

加藤社長

─フランチャイズシステムに時間を対比させるというのはとても面白いですね。従来はフランチャイズに対して本部のノウハウだとか商標だとか個々の有利な点をあげることはよくやられていましたが、それを「時間」という誰もが共有して持っているものに置き換えてやるととても分かりやすくて、すっきりします。 今までとは違う側面から光を当てることで全体がポッと浮かびあがったような感じです。
ところで、加藤会長は現在JFAの会長であると同時に(株)ユニバーサルホームという住宅関係フランチャイズ本部の代表者でもあります。 また先ほどの講演の最初のご紹介の時に会長は過去二回、会社を上場されたご経験があるということをアナウンサーの方が話されていました。このこととフランチャイズとは何か関係があるのでしょうか。

はい、それは一部関係があったと言えます。といいますのも先ほどFCに加盟することは時間を買うことと言いましたが、これは加盟希望者だけではなく本部にも言えることなんです。本部も他人の資本を利用しますから早く成長できるんですね。 本部自身もフランチャイズシステムを採用することで短時間のうちに業務を広げることができるんです。 最初の会社が7年4ヶ月で上場、二度目が4年チョットでした。一度目に上場した会社も二度目もフランチャイズシステムを採用していましたからそれから考えるとやはり一部関係していたでしょうね。

─そうするとフランチャイズというのは加盟店にとっても本部にとっても優れたシステムだと思えます。

そうなんです。フランチャイズというのは、日本には地域に密着した業種ってあるんですけど、ただ密着しただけで近代化されていない業種っていっぱいあるんです。そんな業種はフランチャイズシステムを採用するとうまくいくだろうといのがいっぱいあるんです。ですから、まだまだ日本の産業を近代化する上ではとても優れたシステムだと思っています。 フランチャイズは本部にとっても、加盟される側にとっても可能性のある分野だと思っています。