第2次米粉ブーム到来!背景や今後のビジネスの可能性を解説

お米から作られた粉である米粉ですが、実はブームになっていることをご存じでしょうか。最近はスーパーやコンビニでも米粉を使った商品の取り扱いが増加しており、食べたことがなくても見かけたことがある方は多いと思います。米粉は2009年に1度目のブームが起こりましたが、2023年3月現在、再びブームが再来している注目の食材です。
今回は気になる2度目の米粉ブームの裏側を調査しました。ビジネスとしても注目されている米粉について、ぜひご一読ください!
米粉が「大ブーム」って本当?

2023年3月現在、第2次米粉ブームが起きているといわれています。農水省の調べによると米粉の需要は2018年に前年度比25%増の3万1,000トンと5年ぶりに過去最多を更新しました。2018年から起きた第2次米粉ブームは現在も続いており、年々需要と生産量が高まり続けていますが、どのような背景があるのでしょうか。まずは米粉ブームがどのような要因で起こったのかについて解説します。
米粉が流行っている理由
2023年3月現在、ウクライナ情勢によって小麦粉の安定した輸入・供給が難しくなったことで、小麦粉の価格が高騰しています。そこで、小麦粉の代替品として米粉が注目されるようになりました。
日本は小麦の生産量は多くない一方、米の生産量は世界的に見ても多く、安定しています。そのため、米粉の生産は小麦粉に比べると日本にはハードルが低いといえるでしょう。
また、近年は製粉や食品加工技術も発展していることから、以前よりも品質がよく、効率的に米粉を生産できるようになりました。米粉用の品種である「ミズホチカラ」や「こなだもん」などの品種開発も進み、米粉による小麦粉依存からの離脱、食料自給率アップへの期待もされています。
現在では、日本国内だけでなく、ノングルテン市場が急成長している欧米諸国への輸出用としての生産量も増加しています。
美味しい・低カロリー・安心も「米粉」需要拡大の理由
米粉とは米を粉状にしたもので、歴史は古く、奈良時代から和菓子などの材料として用いられてきました。近年は製粉技術が発展したことから、より細かな粉にできるようになり、洋菓子や麺類など幅広い製品に用いられるようになりました。
米粉にもさまざまな種類がありますが、いずれも小麦粉とは異なる、独特のもっちりとした食感が特徴です。米粉と小麦粉は同量の場合、カロリーはほとんど変わりませんが、米粉のほうが水分量は低く、油を吸収しにくい特性があるので、出来上がった商品を比較すると低カロリーかつヘルシーに仕上がります。
また、小麦粉アレルギーの人でも食べられることからも、米粉の需要が高まっています。
米粉ビジネスの今後はどうなるの?

第1次ブームと第2次ブームの違い
それでは、「なぜ第1次米粉ブームが終わったのか」と疑問に思う人もいるでしょう。それは第1次米粉ブームと現在では、注目のされ方が違うからです。以前の米粉ブームでは「米粉パン」のみが注目されていたのに対して、第2次ブームでは多様な「米粉〇〇」が誕生しました。第1次では米粉ではなく、米粉パンブームと考えたほうが適切かもしれません。
第2次米粉ブームでは、小麦粉に比べて油を吸いにくく、腹持ちがいいヘルシーな食品として、米粉そのものが注目されています。もちっとした米粉特有の食感も人気が高く、たとえば、「からあげ」や「米粉麺」、「米粉スイーツ」など米粉を使ったさまざまな商品が普及するようになりました。
アレルギーへの理解・関心が高まっている
さらに、近年は「小麦アレルギー」にも米粉が活躍しています。2021年7月に理化学研究所が発表した情報によると、小麦アレルギーは子供を中心に発症しており、成人も500人に1人程度がアレルギーを抱えているとされています。そのような調査が進むなかで、小麦を使用しない「グルテンフリー」食品の需要が拡大しており、米粉は小麦粉と同じような製品が作れ、小麦アレルギーでも安心して食べられることから注目されています。
近年は、小麦アレルギーの人だけでなく、健康や美容への意識から「グルテンフリー」を支持する人も増えており、今後さらに米粉への需要が高まるかもしれません。米粉専用の米の品種開発も進み、多くの種類が誕生しています。日本では米離れが懸念されていますが、米粉ブームによって一過性の人気で終わるのではなく、小麦粉・片栗粉のように文化・生活レベルで根付くことも期待されています。
「第1次米粉ブーム」はなぜ終わったのか
第1次米粉ブームが起きたのは、2009年頃。当時は米粉用の米ではなく、主食用の米が米粉の原料として使われていましたが、主食用の米は粉砕時にデンプンの損傷が多く、パンを作っても水分が多く膨らまないなど、今よりも使い勝手がよくありませんでした。
そのため、第1次米粉ブームは長くあまり人気が続かず、2014年度からは生産量が激減し、停滞期に入ってしまいました。
第2次米粉ブームでは、以前の主食用米の課題を解決するべく米粉専用米が開発・生産されることとなり、現在も人気が続いています。近年はスーパーなどでも取り扱いが増えており、家庭でも簡単に取り入れられるようになりました。
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米粉ビジネスを開始するなら

すでに米粉は小麦粉のように日常的に用いられるシーンも増えており、徐々に生活に浸透しています。そのため、新たに爆発的なブームが起きる可能性もありますが、どちらかというと安定した需要を得られるビジネスになっていく可能性のほうが高いでしょう。
これから新たに米粉ビジネスに参入するのであれば、早い段階の今は競合が少なく、チャンスかもしれません。
フランチャイズWEBリポートでは、米粉のほかにもビジネス情報を発信しています。新たなビジネスに興味がある方は、ぜひほかの記事も参考にしてみてください!
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