餃子の王将のフランチャイズの特徴とは？フランチャイズの市場性などもあわせて解説

餃子の王将は、1967年に京都市四条大宮で1号店をオープンしました。その後、関西を中心に店舗を拡大し、現在では全国に700店舗以上を展開するまでに成長しています。この成長の背景には、地元密着型の店舗運営と、本格中華をリーズナブルに提供するという一貫した経営方針が挙げられます。

近年では、国内1,000店舗体制の実現を目指し、さらなる店舗拡大に力を入れています。このように、餃子の王将のフランチャイズビジネスは、着実な成長を遂げているといえるでしょう。

餃子の王将のフランチャイズには、他のチェーン店とは一線を画すさまざまな特徴があります。以下では、店舗運営の独自性や食材へのこだわり、社員教育など、フランチャイズの特徴について具体的に紹介します。

餃子の王将のフランチャイズの大きな特徴の1つに、各店舗の独立性が非常に高いことが挙げられます。餃子の王将では、本部が運営を完全に管理するのではなく、各店舗に大きな権限を委ねるスタイルを採用しています。

たとえば、定番の餃子やラーメンといった共通メニューは全国どの店舗でも提供されていますが、その他のメニューについては各店舗が独自に展開することが可能です。また、季節限定メニューやイベントの企画なども、店長の裁量で行なわれる場合が多くなっています。このように、フランチャイズ店でありながら、店舗ごとに個性を発揮できる点が大きな魅力といえるでしょう。

ただし、以前は仕入れ先の選定を自由に選ぶことができたものの、近年では本部が指定する仕入れ先から食材を調達する形に変わっているという話もあるようです。これは品質管理を徹底するための施策であり、顧客に安定した味を提供するための工夫といえるでしょう。

餃子の王将の最大の魅力といえば、看板商品の餃子です。この餃子には、すべて国産の主要食材が使用されています。とくに、青森県産にんにくや北海道産小麦粉など、素材の選定には徹底してこだわっていることが伺えます。

また、餃子の皮と餡はセントラルキッチンで製造され、各店舗に毎日配送されています。これにより、味のばらつきを最小限に抑えつつ、冷凍保存をしない新鮮な状態で餃子を提供できる仕組みが整っています。このように、餃子の王将は食材や調理への妥協を許さない姿勢を貫いています。

餃子の王将は、フランチャイズ店舗で働く社員の教育にも力を注いでいます。その象徴的な取り組みとして、社内教育機関「王将大学」や調理技術向上のための「王将調理道場」が挙げられます。これらの施設では、調理技術だけでなく、経営ノウハウや接客スキルなどを学ぶことができます。また、餃子の王将は、以下のような労働環境の改善にも積極的に取り組んでいます。

◆有給休暇の取得推進
◆労働時間の適正化
◆給与アップ
◆社会保険の充実　など

このような取り組みにより、働きやすい職場環境の実現を目指すことで、社員のモチベーションを高め、店舗運営の質を向上させています。

餃子の王将では、社員が独立してフランチャイズ店を開業することを積極的に支援しています。この独立支援制度を利用した場合、通常フランチャイズ契約で発生するロイヤリティや加盟料が無料となります。すでに200名以上の社員がこの制度を活用しており、餃子の王将のオーナーとして成功を収めています。この制度は、社員のキャリアアップをサポートするだけでなく、フランチャイズ店舗の増加にも貢献している重要な取り組みといえるでしょう。

新規加盟者に対しては、店舗運営の基礎を学ぶためのオープン前研修が用意されています。この研修では、中華料理店の経営ノウハウや調理配膳オペレーションを、短期間で習得できる内容が提供されます。また、研修終了後も本部から継続的なサポートを受けることができるため、未経験者でも安心して店舗を運営することが可能です。

餃子の王将のフランチャイズに加盟する方法には、先述した社員独立制度と一般加盟の2種類があります。社員独立制度は、餃子の王将で勤務経験のある社員が対象となる一方、一般加盟では外部の希望者も応募が可能です。

加盟条件や契約内容の詳細については公開されていないため、本部への問い合わせが必要ですが、オープン前研修や運営サポートなど、初めての飲食店経営にも対応した体制が整っているようです。

京都新聞が2023年5月16日に公開した記事によると、2022年度に「餃子の王将」のチェーン全体の総売上高が初めて1,000億円を突破したとのことです。原材料やエネルギー費の高騰を受け、2度にわたる値上げを実施する厳しい状況下でも、直営店の来店客数は前年比5.3％増を記録しています。値上げによる「客離れ」は一切起きず、むしろさらなる支持を集める結果となりました。また、2022年3月末時点で餃子の王将は直営店540店舗、フランチャイズ店190店舗の合計730店舗を展開しており、直営店の総売上高は前年比9.8％増の848億1,700万円、フランチャイズ店は10.4％増の226億円と、いずれも過去最高を更新しました。

これらの結果は、餃子の王将が提供する「高品質な料理」「リーズナブルな価格」、そして「圧倒的なブランド力」が多くの顧客から支持されていることを示しています。度重なる値上げにもかかわらず来店客数が増加している事実は、安定した品質や信頼の証といえるでしょう。今後も国内1,000店舗体制を目指しさらなる成長が期待される餃子の王将は、飲食業界の注目を集め続けていくことが予想されます。

餃子の王将の開業費用やオーナーの年収は、情報が公開されていないため不明となっております。そこで、以下では目安として『フランチャイズWEBリポート』にて掲載されている、同業態の紅虎餃子房の加盟プランを紹介いたします。

＜詳細は紅虎餃子房の収支モデルをご確認ください＞

紅虎餃子房は本格派の中華料理が味わえるお店であり、内装にも非常に力を入れています。そのため、餃子の王将と比べて内外装費が高くなっている可能性があります。また餃子の王将は、小規模なビルインタイプやフードコート、ロードサイドまで幅広い立地で開業できるため、開業費用が立地に応じて大きく上下します。立地によっては1000万円程度から開業できる可能性もありますので、気になる方は「餃子の王将」のフランチャイズ本部に問い合わせてみてください。

餃子の王将のフランチャイズは、店舗運営の自由度の高さや食材・調理へのこだわり、充実した社員教育が魅力です。これにより、全国700店舗以上の成長を実現し、顧客満足度の向上に成功しています。2022年度には売上高1,000億円を突破するなど、ブランド力の強さを示し、さらなる店舗拡大を進めています。充実したサポート体制も整っているなど、飲食業界でのフランチャイズビジネスを検討する上で、餃子の王将のフランチャイズモデルは大きな参考になるモデルといえるでしょう。