激戦区こそ勝てる──マーケのプロが異業種から「精神と時のジム」にFC加盟した理由とは?

幸谷 亮 |2026年04月20日 公開
精神と時のジムのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

初期費用を抑えて開業できることから、脱サラはもちろん法人の新規事業としても注目されているパーソナルジム。「精神と時のジム」はサブスク型パーソナルジムで、所属トレーナーの8割が未経験からのスタートであるなど、異業種からでも参入しやすいフランチャイズです。

本記事では、2025年11月に「精神と時のジム 恵比寿店」をオープンさせた僕と私と株式会社の今瀧 健登CEOにインタビュー。Z世代特化の企画・マーケティング会社である同社が、異業種でもある「精神と時のジム」のフランチャイズに加盟したきっかけや、激戦区での集客戦略、気になる集客の実態、今後の展望についてお聞きしました。

いち会員として惚れ込み、「精神と時のジム」のフランチャイズに加盟

精神と時のジムの幸谷 亮

僕と私と株式会社 CEO
今瀧 健登

2020年11月にZ世代に特化した企画・マーケティング事業を手掛ける僕と私と株式会社を設立。2025年10月に「精神と時のジム」のフランチャイズに加盟し、翌11月に「精神と時のジム 恵比寿店」をオープン。2026年3月には2店舗目となる「精神と時のジム 福岡天神店」をオープンしている。

──新規事業として「精神と時のジム」のフランチャイズに加盟したとお聞きしています。まずは僕と私と株式会社について教えてください。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

弊社は、Z世代に特化した企画・マーケティング会社です。2020年の創業以来、SNS運用やパッケージデザイン、CM制作などをメインに事業を展開してきました。手掛けたプロジェクトのなかには、YouTubeでの累計再生回数が5,000万回を超えるものもあり、Z世代という文脈においては、日本で最もメディア露出が多い企画会社だと自負しております。

──マーケティングを主軸にした会社ということですが、「精神と時のジム」にフランチャイズ加盟したきっかけを教えてください。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

近年、身体のメンテナンスだけでなく、リフレッシュや仲間との交流といった“心の健康づくり”への関心が高まっています。弊社でも“健康経営”を掲げており、メンバーの心身を整える環境づくりを大切にしてきました。こうした背景から、2024年からはメインのマーケティング事業に加え、実店舗の運営もスタートしており、スキンケアサロンや麻辣湯専門店など、心と体の健康を軸としたブランド展開を行っています。

──今回、新たに「精神と時のジム」のフランチャイズに加盟した理由を教えてください。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

もともとは、私自身が「精神と時のジム 渋谷店」の会員として通っており、多くの植物に囲まれたあの環境に惹かれたことがきっかけです。自宅でも50鉢以上を育てるほど植物が好きなのですが、渋谷店の植物はどれも元気で生き生きとしていました。また、漆喰を使ったナチュラルな壁面と木目調のインテリアデザインも、従来のジムにはない世界観で、ひと目で気に入りましたね。

──もともと会員として通っていたことがきっかけになっているのですね。マーケターの視点から見て、ビジネスとしての魅力はどこに感じましたか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

まず、名前が独特で一発で覚えられる点です。世の中の多くのパーソナルジムはカタカナのおしゃれな名前が多いですが、どれも似通っていて記憶に残りづらい傾向にあります。その点、「精神と時のジム」というネーミングはインパクトが大きく、一度聞いたら忘れません。想起のしやすさは、マーケティングにおいて非常に強力な武器になります。

──確かに、一度聞いたら忘れない名前です。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

加えて、サービス内容が差別化できている点も加盟したきっかけのひとつです。「精神と時のジム」はトレーニングだけでなく、マッサージや整体も受け放題で、さらに会員同士が交流できる懇親会が定期的に開催されています。実は、「精神と時のジム 渋谷店」に会員として入会する前に、周辺の競合ジムをひと通り体験して比較検討したのですが、この世界観と独自サービスがあれば、競合が多いエリアでも十分に勝てると実感しました。

──実際に消費者目線で競合と比較した上での判断だったのですね。

そうですね。しかも、パーソナルジム市場は今後さらに拡大していくと考えています。AIなどのテクノロジーが普及し、世の中が便利になればなるほど、人は自分自身を磨き上げることに本質的な価値を見出すようになるはずです。そうした自己投資の行き着く先が、自分自身の健康や体づくりという分野だと思っています。

──フィットネス市場のデータを見ても、パーソナルジムのような特化型施設の需要は順調に上がっています。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

はい。また、サウナブームなどを見てもわかる通り、ウェルネス市場は決してなくなることのない市場だと感じています。だからこそ、パーソナルジム市場に参入することの面白さと可能性を感じ、当時はフランチャイズ展開していませんでしたが、「精神と時のジム」の山口代表に懇願してフランチャイズ加盟させていただきました。

──マーケティングのプロフェッショナルである今瀧CEOなら、自社で似たコンセプトのジムを立ち上げる選択肢もあったはずです。あえてフランチャイズ加盟を選んだのはなぜでしょうか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

確かに、自分たちでゼロから作ることも不可能ではありませんでした。ただ、何よりも「精神と時のジム」のコンセプトと世界観に強く共感していましたし、山口代表のお人柄に惚れ込んだのが大きかったですね。山口さんはビジネスライクではなく、人としてのつながりを大事にされる方なんです。そんな山口さんと一緒に、フランチャイズ1号店として共に作り上げ、広めていくプロセスに魅力を感じてフランチャイズ加盟を選びました。

恵比寿という好立地にもかかわらず600万円弱の初期費用でオープン

──2025年11月に「精神と時のジム 恵比寿店」をオープンしています。オープンまでの経緯を教えてください。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

まず、物件探しは本部と弊社の両方で行い、最終的には本部から紹介いただいた不動産会社を通じて決定しました。路面店は認知向上には有利ですが、賃料が割高になりがちです。「精神と時のジム 恵比寿店」は事業ビルの5階ということもあり、固定費である家賃をある程度抑えてオープンすることができました。

──固定費を抑えられるのは、安定経営にとって重要なポイントのひとつですね。採用面はいかがでしたか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

オープンに向けて、まずはリファラル(紹介)で1名、そして2人目は業界特化型の求人サイトを通じて決まりました。「精神と時のジム」の方針として、業界経験よりもコミュニケーション能力を優先しています。実際に、恵比寿店のトレーナー2名もパーソナルトレーニングのトレーナー経験はありませんでした。

──「精神と時のジム」の所属トレーナーの8割が未経験からのスタートと聞いています。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

そうですね。業界未経験の方を積極的に採用して教育していくスタンスなので、他のビジネスに比べても採用のハードルは低く、オーナーとしてはポジティブに捉えて良い部分だと思います。

──どこの業界も人手不足ですので、その点は安心ですね。オープンまでにかかった費用はどれくらいでしたか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

物件取得費も含めて、総額で600万円弱といったところですね。内訳としては、加盟金、物件の保証金や仲介手数料、内装費、トレーニングマシンの導入費用、そして初期の広告宣伝費などが含まれます。

──恵比寿という立地を考えると、かなりコストを抑えられている印象です。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

そうですね。内装の一部を自分たちで手掛けることでコストを削減できました。例えば、床のクッション材を敷いてその上に木材を張る作業や、壁の塗装などは、本部のレクチャーを受けながら弊社の若いメンバーがDIYで行いました。外注すれば100万円ほどかかる工事も、自分たちで施工すれば材料代の10〜20万円程度で収まります。もちろん手間はかかりますが、費用を抑えて開業したい場合は有効です。

チラシとGoogle広告をメインに、オープンから4ヶ月で32名の会員を獲得

──フランチャイズ加盟を検討している方にとって、やはり集客が気になるポイントかと思います。まだオープンして4ヶ月ですが、集客面はいかがでしょうか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

損益分岐点は会員数40名程度に設定していますが、オープンからわずか4ヶ月で32名なのでかなり順調な滑り出しです。徒歩5分圏内に10店舗以上のパーソナルジムがありますが、私自身がそうだったように、お客様が複数のジムを比較検討すればするほど、独自のコンセプトと世界観を持つ「精神と時のジム」が選ばれるのだと実感しています。

──確かに、今瀧CEOも比較検討したうえで「精神と時のジム」に決めていますもんね。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

はい。しかも、体験にお越しいただいた方は35名なので、成約率は90%を超えています。入会に至らなかった3名についてもこちら側の判断でお断りしたので、希望者のほぼ全員にご入会いただけている状態です。こうした実績からも、あえてニーズが集中し、競合がひしめき合っているエリアで開業することをおすすめします。比較検討されればされるほど、「精神と時のジム」の独自性が際立って選ばれますからね。

──なるほど。激戦区を避けるのではなく、あえて激戦区でオープンするわけですね。集客はどのようにされていますか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

3ヶ月に1回のポスティングと、月10万円に満たない程度のリスティング広告がメインです。ホットペッパービューティーにも標準的なプランで掲載しているほか、MEO対策も並行して行っています。

──広告費を過剰に投じているわけではないのに、着実に成果が出ているのですね。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

はい。このペースなら、4月中には損益分岐点である40名に到達する見込みです。弊社はマーケティング会社ですので、自社で細かい運用やクリエイティブの調整も少なからず行っていますが、集客のノウハウのない方でも本部のアドバイスを忠実に実行するだけで、十分に集客できるはずですよ。

本業と両立できる“経営型”の運営スタイル

──今瀧CEOご自身は、どのくらいの稼働で店舗を運営されていますか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

恵比寿店にはほとんど行っていません。基本的には報告を受けるだけです。現場の運営は、マーケ担当、契約管理、経理、広告ランナー、デザイナーといったメンバーが担当していますが、全員が本業のマーケティング業務との兼務です。1人あたり月5万円もかかっていないコスト感ですね。

──かなり手離れが良さそうです。現場のメンバーにはどのような指標を伝えていますか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

現場に求めているのは顧客満足度と継続率の2つだけです。損益分岐の会員数は伝えていますが、集客ノルマは一切課していません。集客責任はオーナー側にあると考えているので、現場にはお客さんの満足度を高めて辞めさせないことに集中してもらっています。

──経営型でFC店舗をうまく回すためのポイントを教えてください。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

大事なのは、現場と経営の間に1人でも事務処理ができる人を置くことです。現場のトレーナーはお客様対応に集中するため、本部への報告書作成や各種事務処理は担えない前提で設計すべき。個人オーナーの場合はその役割を自分でやるか、1名管理者を置く必要があると思います。そこが仕組み化されると手離れは相当良くなりますよ。

──ちなみに、今瀧CEOご自身も会員として通われていますが、身体の変化は感じていますか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

通い始めて半年で筋肉量が6キロ増えました。10年間変わらなかった体が変わったんです。自分を好きになる機会が増えたというのは、このジムの価値をよく表していると思います。

──ご自身の実体験があると、オーナーとしての説得力も増しますね。

4ヶ月で2店舗目をオープン、最終的には30店舗を目指す

──2026年3月には御社として2店舗目となる「精神と時のジム 福岡天神店」をオープンしました。なぜ、福岡なのでしょうか。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

実は、もともと福岡にあった店舗を買い取る形でオープンしました。弊社はフルリモート体制のため、福岡をはじめ全国にメンバーが住んでいます。福岡には信頼できるメンバーがおり、現地のリアルな情報を吸い上げながらマネジメントができる体制があったこと。そして、恵比寿店をオープンしたことで激戦区でも比較検討されれば集客できることがわかりました。地方の主要都市でも勝てることがわかったので福岡天神店のオープンを決めました。

──そういう経緯があったのですね。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

はい。なので、今後も主要なエリアでは積極的に展開していきたいと考えています。都内であれば三軒茶屋、そのほか大阪や名古屋といったニーズが集中する都市部を中心に、まずは10店舗ほどまで広げていきたいですね。

──10店舗!かなりスピード感のある計画ですね。
精神と時のジムの幸谷 亮

今瀧 健登

パーソナルジムというのは、顧客のニーズを起点に考える「マーケットイン」の世界です。どれだけ良いプロダクトであっても、そもそもニーズがある場所でなければ成立しません。だからこそ、人が集まる主要エリアに絞って店舗数を拡大していこうと思っています。

──ありがとうございました。

取材を終えて

マーケティングやクリエイティブに関わる人なら、多くの人が耳にしたことのある「僕と私と株式会社」。なぜ、第一線で活躍するマーケ集団を率いる今瀧CEOが完全に異業種のパーソナルジム、しかもフランチャイズ加盟という形を選んだのか。取材前にはそんな疑問がありました。

しかし、今瀧CEO自身が消費者目線で比較検討し、結果として「精神と時のジム」に通い、世界観やコンセプトに惚れ込んで「勝てる」と確信したエピソードなどを聞くうちに、マーケティングのプロフェッショナルである今瀧CEOだからこそ加盟したということがわかりました。

今後は10店舗を目標にしているという言葉からも、この事業への熱い想いが伝わってきました。本部の山口代表、そして今瀧CEOと共にブランドを創り上げ、広めていきたい――そんな志を持つ方にぜひ検討していただきたいフランチャイズです。

精神と時のジムの幸谷 亮

株式会社Wordeal 代表取締役
幸谷 亮

10年の雑誌編集部経験を経て、2016年にフリー編集者・ライターとして独立しました。その後の2023年にオウンドメディア支援(記事制作代行)をメイン事業とする「株式会社Wordeal」を設立。“上位表示だけでなくCV獲得まで伴走型でサポート”をモットーに、フランチャイズWEBリポートをはじめ多くのWEBメディアで記事を制作しています。