ストック型ビジネスとフロー型ビジネスの違いとは?事業例で分かりやすく紹介

フランチャイズWEBリポート編集部 |2018年04月18日 公開 (2024年08月31日 最終更新)
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ビジネスモデルには、単発的に収益を上げるフロー型と、継続的に収益を上げるストック型があります。いずれにもメリットとデメリットがあるものの、近年ではサブスクリプション方式のサービスが多くなってきているように、フロー型よりもストック型を採用する企業が増えてきました。

この記事では、フロー型とストック型の違いを確認したうえで、安定収益を狙えるストック型を深掘りしていきます。さらに、ストック型の新規開業で成功するためのポイントを紹介します。

フロー型ビジネスとストック型ビジネスの違い

ビジネスモデルは、フロー型とストック型に分けることができますが、それぞれがどんな経営手法でどのような特徴があるのかを知らない人も多いでしょう。そこで、例を取り上げつつ、フロー型ビジネスとストック型ビジネスの違いについて解説します。

ラーメン屋さんはフロー型

フロー型とは、商品を販売したりサービスを提供したりして、単発的に収益を上げるビジネスモデルのことです。たとえば、小売店やコンビニ、飲食店、美容室などは、お客さんの数が増えるほど収益が上がる一方で、お客さんが減ってしまえば儲けがなくなるといった変動があるモデルです。

フロー型ビジネス例
フロー型ビジネスの収益は、外的要因に左右されやすい

ラーメン店の場合、新店オープンの際にチラシを配れば認知度向上につながりやすく、新規の店舗に対して興味を持って足を運んでくれるでしょう。俗に言う「オープン景気」といわれるもので利益確保をしやすいタイミングですが、オープン景気の波が過ぎ去った後に客数が減ってしまうと、収益も激減してしまいます。

フロー型のラーメン屋は、ラーメン1杯の売れ行きが利益に関わってくるため、どれだけリピーターを増やせるか、どうやって新規客を呼び込むかをしっかりと検討する必要があります。

学習塾はストック型

ストック型とは、インフラや仕組みを先に作って継続的に収益を上げるビジネスモデルのことです。不動産の賃貸やスポーツジム、学習塾、高齢者向け介護サービスなど、利用客と一度契約を交わせば契約が続く限り継続的に収益が上がります。新規の利用客が増えればさらに収益アップにつながっていくというビジネスモデルです。

ストック型ビジネスは外的要因に左右されにくい
ストック型ビジネスは外的要因に左右されにくい

たとえば、学習塾では新教室オープンのチラシを配っても、利用客である生徒や親御さんが長蛇の列をつくるケースはあまりありません。ただし、複数名の生徒を1年契約でスタートすれば人数分の月謝だけは毎月のように入ってきます。

その後、生徒が増えるにつれて収益も増えていく仕組みですから、安定的な事業の継続が可能です。ただし、一定の収益を上げるまでに時間がかかることもあるため、十分な準備資金を用意しておかなければなりません。

フロー型・ストック型のメリットとデメリット

フロー型とストック型には以下のようなメリットとデメリットがあります。

フロー型 ストック型
メリット ・収益を上げるまでに時間がかからないので、運転資金の準備が比較的少なく済む。
・行列のできる繁盛店になれば収益の激増も見込める。
・初期の営業活動だけで顧客が付きやすく安定した事業の継続可能となる。
・一度仕組みを作ってしまうと安定的に収益が上がる。
デメリット ・収益に安定性がない。
・都度の営業、単発的な取引のため新規顧客とリピートに繋がる営業力が必要となる。
・一定の収益が上がるまでに時間を要するため、十分な準備資金を用意しておかなければ危険。
・仕組みを構築するまでに一定の時間と資金が必要。

サブスクリプションサービスを取り入れストック型へ

サブスクリプションサービスは、広義にはストック型とも言えるため両者を同じものだと考えている人もいるかもしれませんが、サブスクリプションサービスは代金回収方法(定額課金)のひとつであり、ビジネス手法ではありません。よくあるサブスクリプションサービスとしては、毎月決められた金額を支払うことで好みの動画が見放題になったり、音楽を無制限で聴けたりするサービスがあります。

一方のストック型は、定額ではなくアップセルを行なってどんどん利益を積み上げていくことも可能です。飲食店でも定額制のサービスをする事業者も増えていることから、フロー型ビジネスもストック型を組み合わせていく流れになってきています。

たとえば、サブスクリプションサービスを提供するカフェのなかには、月額3,000円の定額プランを利用すると、来店1回につきコーヒー1杯が無料になるところもあります。こうした店舗ではストック型も取り入れ、店内POPで魅力的な商品を紹介できれば売り上げにつながる期待があるでしょう。カフェのようなフロー型でも、サブスクリプションサービスとストック型を取り入れることにより、大きな利益を狙うことができるのです。

ストック型ビジネスの事業例

ストック型ビジネスと一口に言っても範囲は広く、新規開業を考えている人にとって頭を悩ますポイントになるでしょう。ここでは、ストック型ビジネスの事業例を紹介するので参考にしてみてください。

賃貸:アパート、マンション、シェアオフィスなど

所有する不動産を第三者に貸し出すビジネスモデルです。毎月決められた日に家賃収入があるので、安定した経営を続けられます。建物を管理するのが大変に感じるようであれば、駐車場経営をするのも良いでしょう。ただし、いずれの場合も借りてくれる人が現れるのを待たなければならず、収益化までの期間が長引くおそれがあります。

教室:スポーツクラブ、学習塾、英会話教室など

習い事は毎月定額の料金が発生するストック型ビジネスで、直接指導をする方法とネットを通じて指導をする方法の2つがあります。好きな時間に場所を選ばずに授業を受けられるメリットがあるうえに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、ネットを介した教室スタイルの需要が高くなっています。

顧問:弁護士、税理士との顧問契約など

企業と顧問契約を結んで一定額の料金を受け取るのもストック型です。利用回数を設けずに一定額にしたほうが契約数の増加を見込めるほか、特別に交渉が必要な案件などは別料金にするなどの契約にしておくと増収増益も可能になります。

保険:生命保険、損害保険、セキュリティサービス

万が一に備える保険関連サービスも需要の高いストック型です。基本的な補償に関する部分に特約などを上乗せする形で契約金額を高くするのが一般的な手法です。契約期間が長い商品が多く、一旦契約にこぎつけると安定して収益を得られるビジネスモデルと言えます。

ASP:定額課金型のアプリサービス

一昔前まではスマホやパソコンで使用するソフトは、購入するのが当たり前でしたが、最近では月額制のストック型が一般的になってきました。購入者としては、毎月の料金が発生するものの、バージョンアップするたびに数万円するソフトを購入しなくても、常に最新版を利用できるなどのメリットがあります。

ITインフラ:電話、クラウドサービス、ISPなど

通信回線を提供するサービスやクラウドサービスなども、契約しているあいだは月額料金が発生するストック型ビジネスです。大手企業が元受け事業者となり、中小企業が下請けとして工事を担当するのが一般的な仕組みになっています。

定期購入:消耗品、会報、メルマガ

生活をするうえで定期的に購入する消耗品、定期購読をする会報やメルマガなどのサービスもストック型ビジネスです。サプリメントの通販や牛乳の配達、新聞の購読など普段の暮らしに溶け込んでいるものもあり、ストック型という言葉ができる以前から自然に使われていたサービスと言えます。

会員制:ファンクラブ、勉強会、サロン、コミュニティ

会員になっていなければ商品を購入できなかったり、サービスを受けられなかったりするのが会員制のストック型ビジネスです。会員だけに提供される商品やサービスなどを好むニーズがあるほど収益性を高められます。ただし、会員を集められなければストック型の仕組みが機能しません。

レンタル・リース:定額での利用権

必要なときにだけ利用したい、あれば便利でも購入する必要はない、などのニーズに応えるのがレンタル・リースのストック型ビジネスです。オフィスの緑化を進める企業が増加している状況を背景に、植物をレンタルするストック型のサービスも登場しています。また、レンタルオフィスや月極駐車場など、レンタル・リースのストック型ビジネスは多岐にわたります。

使用料:著作権などの使用料

音楽や写真などの著作権を使用したいなどのニーズに対応するストック型ビジネスは、需要が伸びてきているサービスのひとつです。フランチャイズに加盟すると発生するロイヤリティもストック型に含まれます。ただし、フランチャイズ本部のロイヤリティーは、月額固定制や売上の〇%、あるいは両方など仕組みが異なります。

フランチャイズで参入できるストック型ビジネス

フロー型ビジネスとストック型ビジネスのどちらにもメリット・デメリットがあるものの、どちらかといえば収益を安定させやすいストック型ビジネスのほうがおすすめです。ただし、ストック型ビジネスには、仕組みの構築が大変だったり、安定した収益を得るまでに時間がかかりやすく資金を多めに用意しておく必要があったりするなどの問題点もあります。

そこで注目したいのが、商材やビジネスモデル、集客手法などが確立したストック型のフランチャイズへの加盟です。フランチャイズなら、ストック型のデメリット部分をカバーしながら利益を積み重ねていくことが可能です。

格安スマホ代理店、宅配弁当、塾、介護など多様なフランチャイズがあるので、独立開業を目指す人にとってピッタリのフランチャイズを見つけられるでしょう。以下のストック型フランチャイズ特集ページも参考にしてみてください。

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