起業で成功するには?開業に必要な心構えや手続き、成功者の特徴を紹介

フランチャイズWEBリポート編集部 |2019年01月16日 公開 (2021年08月11日 最終更新)
起業で成功するには?開業に必要な心構えや手続き、成功者の特徴を紹介

働き方の多様化に伴い、副業を解禁する企業や週休3日制を選べる企業が増えてきました。副業を機に、独立開業を考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、起業するとなればまとまった開業資金だけでなく、経営を長続きさせるためのアイディアやスキルが必要です。起業を成功させるために、十分な知識と心構えを持って準備を進めましょう。この記事では、起業の流れやおすすめの業種、開業資金の調達方法を紹介します。

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起業家とはなにか?

起業家とは、新たに事業を立ち上げる人のことをいいます。既にある事業に参入する人のことをいうのが一般的ですが、今までにない事業を新たに生み出す人も起業家です。既に立ち上がっている事業を運営する経営者や事業者とは異なり、事業の立ち上げ(スタートアップ)に集中する人がほとんどです。中には、事業に関心がなくなれば早々に見切りを付けて新たな事業を立ち上げる人もいます。起業した会社を売却することで利益を得ることを主な目的とする人もいるくらいです。

また、「事業」には、営利を目的に商品・サービスを提供する仕事という意味だけでなく、社会貢献につなげる仕事という意味があります。「社会福祉事業」といわれるように、収益を得るだけでなく人の暮らしを豊かにする仕事を目的に事業を立ち上げた人も、起業家の一員です。

経営者、事業者との違いを知る

起業家と同じような意味で経営者・事業者という言葉を使うこともありますが、既に立ち上げられたビジネスを進め発展させる役割を持つ人であり、厳密には起業家とは異なります。しかし、ビジネスそのものに深く関わる点は共通しているため、起業に成功するためには経営者・事業者としての目線を持つことが重要です。

代表的な起業家

起業して成功するためには、これまでに成功してきた起業家を知っておくことも必要です。ここでは、代表的な3人の起業家を紹介します。

【孫正義】

ソフトバンク株式会社の代表取締役会長である孫正義氏は経営者としてのイメージが強いかもしれませんが、もともとは発明家として数々の特許を取得して資金を得てから会社設立しています。起業家として成功した背景には「家族の将来は自分が守る」という強い信念、逆境をバネにする強靭な心、そして年代別に分けた明確な将来設計があります。

【牧浦土雅】

TED「世界の12人の若者」に選ばれたことで知られる牧浦土雅氏は、アフリカの農民の所得向上を目指して精力的に取り組んでいます。農業を軸に新たなビジネスモデルを生み出し、SDGsの目標の一つである経済格差の是正を目指しているのが特徴的です。他人を積極的に巻き込んで豊富な情報を得ることで、多くのチャンスを獲得するきっかけにつなげています。

【スティーブ・ジョブズ】

Apple社を創業したスティーブ・ジョブズは世界的に知られる起業家です。決して常識にとらわれない大胆な発想と行動は、後に続く多くの起業家に影響を与えたといわれています。常識的な考え方を捨て、世界のニーズを感じ取るジョブズ氏のような能力は、起業家にとって不可欠でしょう。

起業に必要なことは何か?

起業を決意する前の段階として、何のために起業という道を選択するのかを十分に考えることが必要です。起業することは決して難しいものではないものの、明確な目標が定まっていなければ考えがブレてしまいます。起業後の運営が波に乗らなかった場合は、軌道修正できないおそれがあります。

起業家になる目的として「金儲け」を挙げる人もいますが、儲けたお金で何をするのかまで決めておかなければ、儲けた時点で事業の発展が止まってしまう可能性が高いです。起業家にとって重要なのは自己実現であり、その道のひとつにお金儲けがあると考えておきましょう。

やりたいことをやる

起業において最も重要で失敗しにくいのは、自分がやりたい仕事で起業することです。起業は誰かに言われてやるものでもありませんし、儲かりそうな仕事だからと始めるべきものでもありません。たとえば「やりたいこと」が自分の得意分野であれば専門知識がありますし、ほかの人には出せないアイデアが生まれる可能性も高まるでしょう。

あるいは、自分が経験した困りごとの解決を目標に掲げて起業するなら、どんな悩みがあって、解決するにはどうしたら良いかまで理解しているはずです。ビジネスモデルがある程度確立されているため、スムーズに起業でき、社会貢献にもつながります。いずれにしても「やりたいこと」と「起業の目標」を明確に設定できれば、迷いがなくなって真っすぐに進むことができます。

やりたいことを探す

「やりたいことをやる」のは起業家にとって必要不可欠な考え方ですが、中には「やりたくないことから逃げる」ために起業を選ぶ人もいるようです。「逃げるが勝ち」というように、思い切って会社を辞めて起業することも自己実現のあり方といえます。しかし、せっかく起業するなら「やりたいことを探す」のも一つの方法なのではないでしょうか。

起業するには、相当の精神力・体力や資金が必要です。逃げ癖がついてしまうと、起業後に事業が失敗した局面で状況を好転させる努力をしないで再び逃げ出し、これまで注いだエネルギーを無駄にしてしまう恐れがあります。

やりたいことが具体化できない場合でも、会社員時代に得た経験を活かす形で起業することは可能です。例えば、営業代行などの代行ビジネスという形でスモールスタートして、新たなニーズに気づいた時点でビジネスモデルを変える方法もあるでしょう。既存のビジネスモデルを真似するのも一つの方法です。

既存のビジネスに独自の視点を織り交ぜて、新たな価値を創り出した事例も数多くあります。起業しようかどうか迷っている人はまずは起業して、次の事業展開に備えてビジネスの視野や人脈を広げるのもよいでしょう。

起業のメリットとデメリット

起業した場合のメリット

起業することで会社のプレッシャーから解放され、事業展開への新たなアイディアが生まれやすくなるのがメリットです。誰にも指示されずに自分の意思で事業の進め方を決めることができ、成功した際には大きな感動と自信にもつながります。

自分の働いた成果がそのまま収入に反映されるため、収入面でも有利になる可能性もあります。会社員として働いていると、上司の意向によって自分の実力が十分に発揮できなかったり、給与に自分の頑張りが反映されづらかったりするケースが少なくありません。しかし起業後は、事業の成功によって大きな収入が期待できます。仮に思うような収入が得られなかった場合でも自分の仕事の結果だと納得し、次のチャレンジにつなげられるでしょう。

起業した場合のデメリット

起業後は事業展開の自由度が格段に高くなる反面、事業に関するすべての責任を自分自身が負う点がデメリットになる場合もあります。時間やお金の使い方、商品・サービスの提供方法なども自分で決めていくため、行動の軸が曖昧なままだと失敗につながる恐れがあるので注意が必要です。

会社員時代は上司の指示を待って行動していたという人は、起業後にビジネスをうまく進められず収入を得るチャンスを見逃す懸念もあります。営業先や人脈を一から築いて信頼を積み重ねていくことになるため、日頃からビジネスの成果を考えながら行動する姿勢も必要です。

仕事とプライベートの境目が曖昧になり、ストレスを抱える人もいるかもしれません。 また、起業当初は思うように収入が得られないケースが多いです。融資を受けようとしても、必要な金額を借りられるとは限りません。収入がゼロの月でも生活費や事業関係の支払いは必ず発生するため、起業前に数ヶ月分の生活費や運転資金を確保しておく必要があります。

起業成功に必要なスキルと起業の成功率

起業成功に必要なスキルと起業の成功率

起業した後、成果が十分に出ない時期があったとしても努力次第で成功を目指せます。ここでは、起業するために求められるスキルや成功率、起業後の想定年収を紹介します。

成功するタイプ

起業して成功する人には、いくつかの特徴があります。自分に照らし合わせて考えてみましょう。

【物事をシンプルに明確に捉えられる人】

複雑な問題に直面しても、最短距離で解決方法を見つけられるので、起業しても上手くいくケースが多いです。

【考えがブレない人】

起業する際に具体的な目標を立てて、紆余曲折してもブレずに目標達成のために行動できる人は成功に近づけます。

【チャレンジ精神を常に持ち続けている人】

起業家の個人的な目標ではなく、社会貢献につながる目標を立てて行動するなどチャレンジ精神で大きな目標に向かう姿勢を持っていれば、共感してくれる人が増えやすく起業が成功する可能性が高まります。

起業成功に必要なスキル

目標に独自性がなかったり仕事で手を抜く習慣が付いていたりすると、起業しても失敗する恐れが高まるので要注意です。結果を含め、事業を進める責任はすべて自分が負うことになります。最低でも以下のスキルを身につけておくのが、起業成功への第一歩です。

【事業計画を立てる力】

起業に成功するためには、実現可能な事業計画を立てるのが必要不可欠です。創業時に金融機関から融資を受ける場合は、事業内容や将来の展望についても審査対象となります。起業を通じて実現したいことや、収入の目標を明確に決めるようにしましょう。

【マーケティング力】

起業後に安定した収入を得るには、顧客に受け入れられる商品・サービスを提供し、市場の動向や消費者のニーズに応じて改善を続ける姿勢が大切です。確固たるコンセプトを持ちながらも、顧客の意見を積極的に取り入れる柔軟さも求められるでしょう。

【管理能力】

起業後は時間やお金の使い方など、事業展開の自由度が格段に高まります。事業に必要な各種手続きも自分で行いますが、手続きを怠ると事業を進められない事態も想定されます。仕事とプライベートの境目をはっきりさせるだけでなく、時間や期限を守る意識も起業を成功させるためには重要です。なお従業員を雇った場合には、働く環境の整備や組織全体の管理も加わります。

起業の成功率は?

2017年版中小企業白書(中小企業庁)によると、起業5年後も事業を継続している企業の割合は81.7%でドイツの2倍、世界的に見ても起業成功率は高い水準です。すなわち、起業した人の8割が独立開業に成功しているといえます。

なかでも宿泊や飲食・生活関連サービス業といった、比較的簡単に参入できる業態の開業率が高いのが特徴です。しかし直近10年の開業率は4~5%台で推移しており、主要国と比べると起業を決断する人が少ないといえるでしょう。

廃業率は3~4%台と低く、慎重な準備を経て起業していることがうかがえます。

起業での収入は?

日本政策金融公庫のデータ(※)によると、起業した人の58.9%が月商50万円未満ですが、100万円以上の月商を実現している人も23.2%にのぼっています。月商の半分が経費だと考えても、起業後の月収は20~25万円前後、年収に換算すると240~300万円前後が相場です。また、起業した人の約7割が黒字基調の採算だと認識しているデータもあり、努力次第で収入アップが期待できると考えられます。

起業の手順を知る

ここでは、起業するまでの手順について解説します。起業におすすめの業種や創業融資に関する情報も紹介するので、参考にしてみてください。

起業したい理由を考える

起業後にビジネスを展開する軸として、起業したい理由をはっきりさせておくことが成功への第一歩です。会社に所属したままでは自分のやりたいことを実現できないのか、独立開業することで自分にとってどんなメリットが得られるかなどを深掘りしてみましょう。副業に取り組んでいる人の場合は、どうして本業化したいのかも考える必要があります。

起業には社会的責任が伴うだけでなく、お金の面でもリスクを負うことになります。起業に対する思いの丈を声に出したり紙に書き出したりして、起業に関する考えを念入りに整理しましょう。

売るもの・売る相手を考える

起業後に安定した収益を得るために、取り扱う商品・サービスについても具体化しておきましょう。ゼロの状態から全く新しい商品・サービスを開発するには時間や費用がかかるので、既存の商品・サービスの提供に参入するのが現実的です。

激しい競争の中に飛び込んでいくことになるため、競合相手の強み・弱みや商圏などを細かく分析して、自分ならではの差別化戦略を考えましょう。自分にしかできないことが、ビジネスでは強みになり収益源につながります。

起業の形を決める

起業の形は、個人事業主・法人の2通りです。個人事業主の場合は税務署に開業届を出すだけで開業できるメリットがある反面、事業が成功して収入が多くなると支払う所得税が高額になるデメリットも潜んでいます。

法人で起業する場合は登記などの手続きが煩雑になるものの、対外的な信用度は高めです。法人でなければ起業できない業種もあるため、やりたいことに応じて個人開業・法人開業のどちらにするかを決めましょう。フランチャイズチェーンに加盟して、経営や販売のノウハウを提供を受けながらビジネスを展開するのも一つの方法です。

起業資金の集め方

自分の貯金や退職金を起業資金に充てる人も多いですが、日本政策金融公庫では起業する人を対象にした「新創業融資制度」を提供しています。起業当初の設備投資や運転資金として、最大3,000万円まで融資を受けられる制度で、創業計画書の内容などをもとに融資可否が審査されます。

自治体によっては、テナントの家賃補助などの制度を用意している場合もあるため、市役所・役場の商工課に相談してみるとよいでしょう。なお、クラウドファウンディングという仕組みを使って、起業内容に賛同する人からインターネットを通じて起業資金を集める人もいます。

コロナ禍のおすすめ助成金

起業する人を対象に、創業融資を受けた際の利子や信用保証協会に支払う保証料を補助する制度を設ける自治体が多いです。コロナ禍の起業に特化した助成金制度はありませんが、既存の企業に対しては事業再構築助成金など、事業の継続をサポートする助成金・補助金が提供されています。

また、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するサイト「J-Net21」では、起業・創業向けの補助金制度に関する情報を入手できます。起業を考えている人は情報収集に活用してみてください。

じつは資本金1円でも会社を設立できる

2006年に会社法が改正され、会社の設立に必要な資本金の制限は撤廃されています。そのため、最低1円の資本金があれば誰でも株式会社の設立が可能です。

しかし、実際に事業を行う場合、たった1円では何もできません。業種によって必要額は異なりますが、例えば事務所や店舗を構える場合には、家賃や光熱費といった維持費用が必要です。自社物件と賃貸とではかかる費用が異なるうえに、賃貸の場合は居抜き物件かスケルトン物件かでも必要となる費用に違いが生じます。

また、備品が必要な事業の場合は設備投資や保守管理にかかる費用が必要になるでしょう。もちろん、従業員を雇用する場合は人件費が必要となります。

起業に必要な書類や手続き

会社設立に必要なものは、資金だけではありません。個人事業の場合は開業届を所管の税務署に提出するだけですが、法人として開業する場合は商業登記の手続きも必要です。手続きの流れを簡単に紹介します。合同会社を設立する場合は定款の認証が不要ですが、基本的な手続きは株式会社の設立と大差ありません。

・定款を作成する
・公証人役場で定款を認証してもらう
・事業で使用する口座へ資本金を用意する
・登記申請書、登録免許税分の収入印紙、認証済みの定款、発起人の決定書、取締役の就任承諾書、代表取締役の就任承諾書、監査役の就任承諾書、取締役の印鑑証明書、資本金の払込を証明する書類、そして印鑑届出書を用意し、法務局へ登記を行う

これら以外にも、業種によっては資格や届出がさらに必要なものもあります。業種によっては、必要な手続きや費用が加わることもあります。必要となる設備やノウハウに関しても、業種によって千差万別です。 したがって、自分が始めたい仕事では起業にあたってどんな手続きが必要であるのかを下調べしておくことが必要です。

起業におすすめの業種

コロナ禍に伴い、起業のトレンドも変化しています。家庭教師や外国語・趣味といったオンライン教室なら時間の柔軟度が高く、しかも低コストです。これまでテナント料や移動時間などの制約で開業できなかった人の参入が予想されます。

動画編集やWebライティングといったクリエイティブ系の業種も、会社や個人の情報発信をサポートするビジネスとして注目されています。家事代行サービスの需要も堅調で、フランチャイズに加盟して独立を目指す人も増加傾向です。

失敗しやすい起業のケース

通常、独立による開業から5年後の存続率は25%程度といわれています。起業後、安定して事業を継続するためにも、失敗しやすい事例をあらかじめ押さえておくことは重要です。

出るお金と入るお金のバランスが取れていない

主な失敗の事例として、初期投資にお金をかけすぎているケースがあります。もちろん、必要な初期投資を削減するわけにはいきません。しかし、売上げ予測とのバランスを考慮しないと、すぐに事業が成り立たなくなるでしょう。

こうした失敗を防ぐためにも、いきなり大規模な事業を行うのは避け、無理のない範囲で事業を開始するのが大切です。その後、利益が大きくなるにつれて事業を拡大していけば、失敗するリスクも少なくなるでしょう。

もちろん、あらかじめ立地や客層を十分に調査しておき、初期投資を回収できるような収支バランスの予測を立てておくことが必要です。

また、一時的に利益が大きくなったことで、つい浪費してしまうことも、よくある失敗のひとつといえます。 たとえ個人事業であったとしても、自分の報酬については定額としておくか、もしくは利益における報酬の割合を一定にしておくことが重要です。なお、もし利益に対する報酬の割合をどのくらいに設定すればいいのか気になる場合は、税理士に確認してもらうのも良いでしょう。

休日や始業時間の管理が甘い

さらに、休日や営業時間の管理が甘くて失敗するケースもあります。確かに、休日を自由に設定できるのは起業におけるメリットのひとつです。

しかし、事務所や店舗を構える場合、多くの客は営業時間を頼りにやってくるものです。そのため、営業時間や定休日をたびたび変更することは、客離れを起こす原因にもなりかねません。営業日を明確にするのはもちろんのこと、客が増える曜日や時間帯はきちんと開店しておくことが大切です。

また、従業員をおくことで、予期せぬ事態が生じた場合でも急な休みを作らずに済みます。

十分な資金を用意できていない

いきなり失敗しないようにするためにも、わずかな資金の用意だけで起業することも避けましょう。会社を継続するために資金が必要であるのはもちろんのこと、事業が軌道に乗るまでにはそれなりの時間がかかります。

融資を利用するのもひとつですが、実績がなく不安定な会社へ気前よく融資してくれるような銀行はありません。まずは小さな範囲で、無理のない事業計画を立てることが大切です。もちろん、何かしたいものがないという心境では、何もうまくいきません。起業してまで自分がしたい仕事は何なのかを考え、実際に起業するにはどんな知識やノウハウが必要なのかをきちんと整理し、計画に起こすことが必要です。

フランチャイズなら未経験でも失敗しにくい

フランチャイズとは

特に、店舗を構えて経営する必要がある場合、フランチャイズ契約は有効な方法のひとつです。

フランチャイズ契約とは、フランチャイザーと呼ばれる本部と、フランチャイジーと呼ばれる加盟店との間で結び、それぞれ独立した経営者としての共同事業の契約を指します。

フランチャイザーは、企業のブランド力や商品、商標利用、さらには経営に関するアドバイスなどをひとつのパッケージとして、フランチャイジーに提供します。フランチャイジーはこうしたパッケージをもとにした店舗を、自分で経営することが可能になるのです。

フランチャイズの仕組み

ただし、支援を受けられるとはいえフランチャイズ契約により経営者になれば、自分で考え先頭に立って行動しなければなりません。この意味においては、フランチャイズ契約をしたビジネスオーナーと起業家は同じだと言えます。はじめから自分一人で起業するのが難しいと思うなら、フランチャイズを利用した「半起業」するのもおすすめです。フランチャイズ本部の力を借りながら、起業家としての経験を積みましょう。

さまざまな業種業態のフランチャイズ

フランチャイズ契約は主にコンビニやカフェ、レストランといった飲食店のほかに、エステや学習塾、ホテル、さらには介護事業といったものにも用いられています。業種や契約形態には左右されるものの、少ない自己資金で開始できるものがあるのもポイントです。 また、フランチャイザーが提供する研修やセミナーに参加することにより、その業種が未経験でもノウハウを学びながら起業できるのが大きな魅力といえます。

ブランド力だけでなくサポートも充実

大手のフランチャイザーはブランド力だけではなく、売れ筋のメニューや商品を持っています。また、起業後の研修やサポートが充実しているので、ゼロから1人で起業するよりもフランチャイズによる加盟店のほうが失敗しにくいのが特徴です。

なお、加盟店となるためには、フランチャイザーが持つ商標利用などの権利や、利用にあたっての義務が書かれた契約書に同意する必要があります。

起業に備えてセミナーや説明会を活用

個人事業主の場合は税務署に開業届を出すだけで起業できますし、法人を設立する場合でも資本金1円でも登記できるなど、起業のハードルは下がっています。しかし、会社の維持には毎月費用がかかり、顧客に支持される商品・サービスを提供し続けていくことになるため、起業後に安定して事業を続けていくのは並大抵のことではありません。そのため、何を目的として、どのような方法で起業するのかをあらかじめ計画に起こしておくことが非常に大切です。

フランチャイズによる起業であっても、こうした計画を立てておくことの重要性は同じといえます。フランチャイズ本部には、加盟を検討している人を対象に無料の事業説明会やセミナーを実施しているところも多いものです。なかには一人ひとりと個別に話す説明会を実施しているところもあります。

コロナ禍に伴う生活スタイルや働き方の変化を受け、自宅で取り組めるオンライン教室や動画配信などの情報発信ビジネスで起業する人も増えています。これから起業を考えている人は、興味がある業種の事業説明会にいって気軽に聞いてみるのも良いでしょう。そうすることで、自分のやりたいことが明らかになり、起業の方向性がイメージしやすくなります。

起業についてのよくある質問

起業に関する、よくある質問を紹介します。

事業計画書ってどうやって作ればいいのですか?

事業計画書には、起業後に展開したいビジネスの内容や収支見込みをまとめます。特に収支見込みは、金融機関で創業融資を受ける際に重点的にチェックされる項目です。商品・サービスの単価や見込みの客数、想定される経費などを細かく分析した上で、実現可能な数字を示すようにしましょう。起業の動機や、展開するビジネスが顧客や地域にもたらすメリットも盛り込めば、事業の具体性も深まります。

専門家のアドバイスはもらえるのでしょうか?

起業支援を専門とする中小企業診断士や税理士などに相談することで、事業の実現可能性や将来的な収支計画などのアドバイスを受けられます。自治体に設置された創業支援センターでも、各種アドバイスを受けられます。例えば「Startup Hub Tokyo」では、起業家が開催するイベントやワークショップを通じて情報収集ができる他、コンシェルジュによる起業相談を受けることも可能です。

自分の企画を聞いてもらえる場はあるのでしょうか?

国や公的機関が設置するインキュベーション施設で、創業相談などの支援を受けられます。全国で開催される「ベンチャープラザ」では、投資家や経営者に自分の企画を発表することも可能です。また、全国の商工会議所や、国が設置する「よろず支援拠点」でも創業相談に対応しているので、積極的な活用をおすすめします。裏技的な方法ですが、起業準備にコワーキングスペースを利用して、オープンスペースで誰かに企画を聞いてもらう方法もあります。起業の、業種別の具体的な方法を知りたいです。

業種別の起業の具体例を知りたいです。

「J-Net21」では300業種以上の開業ガイドが数値データ付きで公開されています。立地条件や営業上の留意点、必要な許認可について詳しく解説されています。飲食業や物販・サービス業の消費者動向データも無料で活用可能です。先に開業した同業者に、起業時の注意点を教えてもらうのもよいでしょう。なお、フランチャイズチェーンに加盟した場合は説明会で開業までの流れを詳しく案内してもらえます。

起業で成功するには?開業に必要な心構えや手続き、成功者の特徴を紹介

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