【2020年上半期の動向調査】アンケート結果とウェブリポ利用者傾向から見えたコロナ時代の意識変化

フランチャイズWEBリポート編集部 |2020年07月22日 公開 (2024年07月29日 最終更新)
フランチャイズWEBリポートのフランチャイズに加盟されたオーナーの写真

緊急事態宣言など新型コロナウイルス感染症の影響により、独立開業や新規事業の検討にどのような意識変化が生じているのか、事業を検討している「フランチャイズWEBリポート」の会員や利用者を対象にアンケートを実施していました。

アンケート結果の一部は中間報告や、飲食ビジネス検討者のサイト利用傾向で紹介してきましたが、今回は全期間のアンケート結果と2020年上半期のフランチャイズWEBリポートを通じて行なわれたフランチャイズ事業検討に関する資料請求などの問い合わせ動向についてもまとめました。

アンケート調査概要

調査概要

調査方法 インターネット上でのアンケート調査
調査対象 フランチャイズWEBリポートを利用している独立開業や新規事業検討者142名
調査実施日 2020年5月1日~2020年6月6日まで

回答者属性

今回のアンケートは、ウェブリポ利用者の40代~50代に多く回答をいただき、法人・個人の割合はほぼ半数となりました。法人個人に関わらず、新型コロナウイルスの影響を受けて新たなビジネスを検討していることがわかりました。

アンケート回答者は40代、50代が大半を占めた
アンケート回答者の年代

回答者の現在関わっている業種業態で最も多かったのが卸売・小売業で、次に飲食業に関わっている方です。

回答者が関わっている業種業態
回答者が関わっている業種業態

新型コロナウイルスの影響で独立や新規事業への意識に変化はありましたか?

新型コロナウイルスの影響が出てからも84%以上がビジネスの検討を続けている
新型コロナウイルスの影響による新規事業検討の意識変化

アンケート期間は緊急事態宣言が発令されている期間が多く含まれていましたが、コロナ禍でも独立開業・新規事業開業の検討を続けている人は85%を超えていました。検討継続や見送りの理由について伺いました。

「変わらず/やや慎重に検討」の理由

・勤め先の存続など将来に不安を感じたため
・FC本部が本気になって話を聞いてくれる
・自営業の大変さ責任の重さを感じやや慎重に

「積極的に検討」の理由

・融資が出やすい、人材流出がある
・優良物件、テナントが出てくるチャンス
・多角化経営の必要性を感じる

「見送った/見送り検討」の理由

・見通しが立つまでは動かない事にした
・検討していた業種が今回のコロナで打撃を受けた
・先行きが不透明

検討を継続している理由には、現在の事業や仕事が立ち行かないなどの不安から新しいビジネス始めようとしているという回答だけでなく、テナントの空きや人材の流出など、今ならではのチャンスを利用したいと回答もありました。

新規事業検討を続けている人の個人法人の割合

検討を継続している人の個人法人の割合
検討を継続している人の個人法人の割合

検討継続と解答した84%の回答者に、個人事業主または法人での開業どちらを検討しているのかを質問したところ、解答はほぼ半数ずつという結果になりました。ここからのアンケート回答は、個人と法人それぞれの属性にわけたものもご紹介します。

コロナ禍の新規事業検討に関する調査アンケート結果

新規事業の開業予定時期はいつごろですか?

アンケート回答者の開業予定時期
アンケート回答者の開業予定時期

新規開業の検討を続けている方に開業予定時期を聞いたところ、【コロナ終息もしくは終息の目処が出てから】という回答が最も多くなりました。一方で、今すぐ~1年以内と早めの開業を検討している人が合わせて半数以上を超えていました。

個人法人の開業予定時期
個人法人の開業予定時期

法人・個人に分けてみると、法人の方が【今すぐ】や【半年以内】と早期での検討が多くみられ、一方で個人での検討は【1年】や【3年以内】が多いという結果となりました。個人事業主として検討させての方は、新型コロナの影響を踏まえ、開業や脱サラのタイミングを慎重に検討している傾向が伺えました。

新規事業で検討している業種業態はなんですか?

アンケート回答者が検討している業種業態
アンケート回答者が検討している業種業態

withコロナ時代で店舗型のビジネスは、営業時間の短縮や換気・消毒の徹底など、営業するためには様々な対策が必要になるなど、これから開業を検討する方の懸念が想像されますが、検討業種として一番多く票を集めたのが【飲食業(外食・中食)】で、次点で【各種サービス】となるなど、飲食業の根強い人気が伺えました。

個人法人が検討している業種業態
個人法人が検討している業種業態

こちらも個人法人でデータを分けたところ、飲食業を検討しているのは個人が多いということがわかりました。また、こちらの質問は複数回答可でしたが、個人は平均2.2票入れ、法人は平均1.8票いれていたので、個人のほうがさまざまな業種業態を検討していて、法人はある程度検討する業種業態を絞っているようです。

新規事業でどのようなビジネスに興味がありますか?

検討者が興味のあるビジネス
検討者が興味のあるビジネス

現在のビジネスへの関心として最も注目を集めたのは【初期投資を抑えられる】ビジネス。次点では【安定経営できる】【早期投資回収できる】ビジネスへの興味を持っている方が多い結果となりました。新型コロナの影響もあり、コストを抑えることや、景気に左右されず安定経営できることがポイントとなっているようです。

個人と法人がそれぞれ興味のあるビジネス
個人と法人がそれぞれ興味のあるビジネス

個人と法人に分けてみると、個人が重要視しているのは【初期投資を抑えられること】で、法人が重要視しているのは【安定経営できる】ということでした。個人法人でそれぞれ求めるポイントが違うようです。

回答者がビジネスの情報収集で利用しているメディア

回答者がビジネスの情報収集で利用しているメディア

情報収集にはさまざまなツールや手段がありますが、1番利用しているのは【ニュースサイト・ニュースまとめサイト】という回答でした。多くの人が日常的にスマホやパソコンなどインターネットを利用して情報収集をしていることがわかりました。

2020年上半期のウェブリポお問い合わせ数の推移

1月~6月のウェブリポを通した問い合わせの推移
1月~6月のウェブリポを通した問い合わせの推移

2020年上半期のフランチャイズWEBリポートを通して行なわれた、加盟検討に関する問い合わせ変動をみたところ、新型コロナウイルスの影響で不安が広がり始めた3月には問い合わせ数が減少しました。しかし、5月ごろから緊急事態宣言の解除が予測されるようになってからは徐々に増加し始め、6月には年間を通して問い合わせが多くなる1月を上回りました。

6月業種業態ごとの問い合わせ数
6月の業種業態ごとの問い合わせ数

2020年6月の問い合わせ先の分類(業種業態)は、外食・中食を含めた飲食ビジネスが最も多く、次点で各種サービスや福祉・介護が入りました。飲食業やサービス業などの店舗を構えるビジネスは客足が遠のくなど、新型コロナの影響が日常的に報じられたことから、新規事業を検討する方へのネガティブな影響が懸念されていました。

しかし、アンケートの回答にもあったように、事業多角化の必要性を感じていたり、倒産や廃業が増える今だからこそ優良物件やテナント、人材が流出しているというチャンスを狙って店舗系ビジネスを検討している声を象徴するような結果となりました。

時代に合わせたビジネスを選ぶために

新規事業に関するアンケート結果と、フランチャイズWEBリポートを通じた加盟検討に関する問い合わせ動向から、現在のコロナ不況に立ち止まることなくビジネスを検討している人が春先に比べ増加傾向にあることがわかりました。

新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策として実施された、49日間に及ぶ緊急事態宣言を経て、働き方をはじめ、これまでの社会の常識に囚われない考え方が提唱され始めています。そうした、ニューノーマルなWithコロナやAfterコロナに向けて、アクションを行ったり、地に足をつけた情報収集でビジネスチャンスを掴む準備が重要です。

本部も新型コロナウイルス対策を実施

新型コロナウイルス対策として、対面でなくパソコンやタブレットを利用したオンライン事業説明会を実施しているフランチャイズ本部も増えてきています。無料でFC事業担当者などから直接話しを聞くことができる『オンライン事業説明会』を特集にまとめています。

7月の新着ビジネス特集

情報収集をするなら最新情報を見逃さないようにすることも重要です。新着のフランチャイズ募集だけでなく、加盟オーナーや本部へ取材した記事などを定期的に公開していますので、こちらも情報収集としてご活用ください!

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