大阪のお節介なフランチャイズ本部が手掛ける、「大衆酒場あげもんや」強さの理由
串かつはもちろん、天ぷら、とんかつ、カラアゲの4種を中心に、さまざまな揚げ物を取り揃える「大衆酒場あげもんや」。2017年に串かつの本場・大阪で1号店がオープンすると、多くのメディアがこぞって取り上げ、瞬く間に人気店の仲間入りを果たしました。
その後、2019年にフランチャイズ展開をスタートさせると、コロナ禍でも続々と新店舗をオープン。居酒屋をはじめ外食産業に逆風が吹くいま、注目の居酒屋フランチャイズです。
「大衆酒場あげもんや」をフランチャイズ展開する「ワンズトライン」とは?
串カツの本場、大阪に本社を構えるワンズトライン株式会社。2017年に1号店となる「大衆酒場あげもんや蒲生四丁目店」を立ち上げると、わずか2年で4店舗の「大衆酒場あげもんや」をオープン。他にもラーメン店や弁当屋、豚丼店など、全7業態の飲食店を運営しています。
そして、2019年にフランチャイズ展開をスタートさせると、東京、岩手、三重と次々にオープンさせるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長中です。
そんなワンズトライン株式会社の山内代表に「大衆酒場 あげもんや」の特徴や強み、そして1000万以下で居酒屋を開業できる秘密などをお聞きしました。
“食を通じて日本を元気にする”をミッションに2017年にワンズトライン株式会社を設立。アイデアマンとして随所にこだわりを発揮。創業以前から掲げているアジア進出を達成するため、日々奮闘中。
アジア進出を目指し、他とは競合しないお店づくりをスタート
最初に飲食店を展開しようと考えた時に、目標に掲げたのがアジア進出でした。というのも、人口が1億数千人しかいない日本だと、いずれどこかのタイミングでほかのお店と競合してしまいます。なので、「あげもんや」を立ち上げる前の段階から商圏を日本だけでなく、アジア全域に設定し、まずは、ほかと競合しない、そして世界に通用するブランドを作ろうとスタートしました。
そうですね。そこで、アジア全域で受け入れてもらえる食べ物はなんなのかを考えた時に、僕たちは大阪の人間なので、大阪のソウルフードで勝負したいなって。
そして、いろいろリサーチしていたら、昔から「天下の台所」として大阪が親しまれているように、海外の方が大阪に来るのは“食”が大きな理由になっていました。であれば、串かつを「大阪のソウルフード」と打ち出せばアジアでも十分勝負できると思いました。
そうですね。ご存じの通り、串かつだけをメインにしているお店はたくさんあります。そこで勝負してしまうと、たくさんの競合と戦わないといけない。その時間はもったいないですよね。それなら串かつだけでなく、天ぷらととんかつ、カラアゲ、それ以外の揚げ物も取り揃えて「揚げ物の総合デパート」として勝負しようと考えました。
海外の方は日本の文化に興味を持って日本を訪れますが、中でも日本の居酒屋が大好きなんですね。アジア進出のためにも、日本の古典的な居酒屋をコンセプトに、赤提灯をモチーフとした大衆感のあるお店作りをしようと考えました。
とはいえ、従来の大衆酒場は常連客ばかりだったり、汚らしさがあったりと入りづらいイメージを持たれている方も多いんですよね。なので、モダンな雰囲気を残しつつオシャレさを取り入れて、女性客やファミリー層も利用しやすいお店づくりを目指しました。
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“揚げ物の総合デパート”としてのプライド
いい食材を使うのは大前提なんですが、やはりアジア進出を見据えているので、本当に誰が作っても「おいしく」調理できるような工夫が必要でした。そこでまずは串かつをはじめとする、揚げ物に使用するソースを大手のソース会社と一緒に、半年くらい掛けて、一から作ってもらいました。フルーツなどをふんだんに使い、そのまま飲めるくらい優しい味わいのソースに仕上がっています。
そしてパン粉も自社開発し、富山県の有名なパンを製造している会社に作っていただきました。1ミリ単位で何回も大きさを調整していただくなどした結果、カリッとした食感で、なおかつソースとの絡みがものすごく良い。串かつ用、とんかつ用とそれぞれの用途に分けて作っています。
ほかには、油もオリジナルで、一から作っています。詳しいことはお伝えできませんが、良い油を作るには豚脂と牛脂の比率が大事なんです。そこは、かなりこだわって作っているので、その油で揚げたらどんな串カツでもおいしくなるように仕上げています。
「あげもんや」なので、油が良くなかったら意味がありませんからね。こちらもパン粉とおなじく、串カツ用と天ぷら用でそれぞれ別に用意しています。
もちろんどれもこだわりが詰まっています。たとえばカラアゲは、カラアゲで有名な大分県中津地方で伝わる秘伝のタレに漬け込んでいます。大分県まで行かなくても、本場の中津カラアゲが「あげもんや」で食べられます。
おいしいですよ! そして、とんかつは居酒屋業態としては初めて、平田牧場さんと直接契約をさせていただいた三元豚を使用しています。平田牧場さんは山形県に本社を構え、平田牧場金華豚・三元豚などのブランド豚肉を生産している、とても有名な牧場です。
平田牧場さんが卸して運営している、とんかつ店では1枚1800円とか、高いと2500円などで提供されています。それと同じ三元豚を使ったとんかつを「あげもんや」では、500円で提供しています。
串かつはどれも自信がありますが、なかでもスイーツ串はかなりこだわっています。特に串まで食べられる「生チョコ串かつ」は、インスタなどの各種SNSやメディアからも取り上げられて話題になっています。
その他にも、チョコバナナや雪見だいふくなどといった定番のものから、バームクーヘンなどの変わり種までラインナップも豊富です。なかでもおすすめは、クリームチーズ大福とカントリーマアム。この二つは特においしいのでおすすめです。
そうだと思います(笑)。「あげもんや」はファミリーをターゲットにしているので、子どもが絶対に食べたくなるスイーツ串を取り揃えようと考えました。子どもは食べたくない気分の時はこういうお店に来ても本当になにも食べないので、食べたい気分になるような楽しいメニューを用意することで食欲を刺激して、違うものも食べていただきたいと思っています。
はい、すべてにおいて本気です。「あげもんや」は“揚げ物の総合デパート”と謳っていますが、すべて本気で自信があるからこそ“デパート”と謳えるんです。どれかひとつでも中途半端では、デパートなんて謳えませんからね。
あげもんや以外の事業を、積極的に展開するのはFCオーナーのため
自分たちが想像している以上の反響で、ものすごくたくさんのお客様に来店いただきました。今だから言えますが、正直お店がまったく回らないくらいでした(笑)。
そして「あげもんや」をオープンして手応えを感じたのが、海外のお客さまからの問い合わせが多いのと、来店いただいた方の多くが店内の写真を撮って帰られることです。日本のレトロな雰囲気を感じられる大衆酒場がウケるという狙いが、そのまま形にできているなって実感しましたね。
そうですね。「あげもんや」の店舗展開と併行して、ラーメン店や弁当店、豚丼専門店など、「あげもんや」以外の業態も積極的に展開しています。現在は「あげもんや」を含めて7業態になりました。
ワンズトラインが「あげもんや」以外の業態を積極的に展開しているのは、すべて「あげもんや」のため。厳密には、「あげもんや」に加盟いただくフランチャズオーナー様のためなんです。
というのも、今、飲食業界はトレンドの波が激しく、移り変わりが早くなっているんです。
タピオカは極端な例かもしれませんが、ひとつの業態だけで勝負するのはギャンブルみたいなものなんです。
仮に、それまで売上が良かったお店が何かをきっかけにして突然、転落することも珍しくありません。一方、仮に売上が落ちて継続が難しいと判断した場合でも、運営元であるワンズトラインが、代わりになる業態をいくつか展開していれば、業態転換の提案が可能です。
おっしゃる通りです。また、複数店舗展開を考えているオーナー様にも最適な提案ができると考えています。
たとえば、増店などで物件を探していたら、いい物件ではあるものの、「あげもんや」ではなくラーメン店の開業に適した立地に出会う、というケースがあります。その場合、無理に「あげもんや」をオープンするよりも、立地に適したラーメン店を開業するほうがいいですよね。
本部が複数の業態を展開していれば、その立地に合った最適な業態を提案できる。いわゆる保険みたいな形で先行して本部が実験しておけば、結果的にオーナー様も安心して事業に専念いただけますからね。
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本部が協力して開業コストを抑える理由は継続性
それが、ありえなくないんです(笑)。実際、2020年7月に東京にオープンした「あげもんや八王子店」は、少しオーバーしましたが初期費用1000万円でオープンしています。
それを実現できるのは、内装の工事などはすべてワンズトライン内で済ませているから。つまり、原価だけで内外装のほとんどの工事ができるんです。その理由は、社内に元工務店勤務のスタッフがいて、私も含めて社員が一丸となってお店作りにいくんです。
なので、「あげもんや八王子店」も工事だけでも通常だと600万円ほどかかるところを、社内で済ませてるので200万円以内に収めることができました。
大手のフランチャイズチェーンとかだと、指定の施工会社さんに依頼しないといけないことが多いです。この場合、1坪に対して工事代金が15万円や20万円も必要になってきます。ブランド力の高いチェーンだと30万円ってこともありえます。
仮に1坪あたり20万円だとすると、20坪のお店を作るのに400万円も必要になってきますよね。でも実際は工事費自体は100万円で、残りの300万円は本部の収益になっていたりはあるあるですね。一見加盟金が安くても、こういった工事費の仲介手数料で儲けている本部もありますよ。
そうです。というのも、開業したあとを長く運営を続けていただくためにも、初期投資をできるだけ低くして、フランチャイズオーナー様のリスクを極限まで落としたいんです。
たとえば、初期投資に3000万~4000万円もかけると、1000万円で開業するのと比べると月々の返済も3~4倍になってしまう。そうなると、店舗のキャパや、売り上げ目標もそれに準じないといけないなど、その分のリスクが積み重なります。
「あげもんや」は、お店の完成度は高いけど、費用は意外とかかってない。こんないいことはありませんよね。大阪の商売人ゆえの考えです(笑)。
開業を失敗させたくない、お節介な本部が徹底的にサポート
そうですね。まず、加盟後はオーナー様に、大阪にある直営店で1~2ヶ月の研修を受けていただきます。この開業前研修でひと通りのことを覚えていただきますが、この間に、オーナー様が開業する地域にあげもんやの本部スタッフが赴き、アルバイトと社員の面接、そして研修も全部行ないます。
いいお店作りをするには、いいスタッフが必要不可欠ですからね。とはいえ、飲食経験のないオーナー様の場合、まずどのように募集をかければいいのか、そしてどう面接をし、どういった基準で採用したら良いのか分からない。せっかくオープンしてもお店を回せないってなったら問題ですよね。そうならないように必要に応じて本部スタッフが面接をし、あげもんやに適したスタッフを採用しています。
そうですね。続いてアルバイトや社員の研修ですが、ワンズトライン内には研修のプロがいます。そのプロたちが現地に2~3週間滞在し、お店を回せるくらいまでみっちり研修をします。この分の費用は特に発生しません。
そうなります。もちろん、実際にはオーナー様とスタッフのコミュニケーションや準備期間などは必要ですが、極端な話でいえばスタッフの教育は済んでいるので、オーナー様自身の研修さえ終わってしまえば、次の日にオープンを迎えることもできるということです。
そう思います。さらに、オープン後も1ヶ月は毎日本部スタッフが店舗に入ってサポートしています。というのも、オープン直後がもっとも重要だからです。私たちも直営店で経験してきたように、オープン前から大々的にPR活動をするので、オープン当日からお客さまが殺到するんですよね。そこでお客さまが満足感を得られなかったらリピートにつながらず、最悪そのお店は潰れてしまいます。
そんな悲惨な状況を作らないためにも、本部スタッフが少なくとも1ヶ月かけて安定した状況を作り上げ、その後も頻繁に足を運んで長く続けられるお店をオーナー様と一緒に作っていきます。
その他のサポートとして、オーナー様には日々の営業に力を入れてもらえるように、契約の一括管理なども行なっています。毎月の家賃や仕入れ業者への振込は、基本的に支払日がバラバラなので、これらを本部で立替えて、オーナー様は本部へ一括支払いですむようににしています。
現在、新型コロナウイルスの影響を受けている居酒屋業態も多くありますが、こんなときだからこそ、普段巡り会えないようないい人材やいい物件がでてきています。そういったところを狙って、オープンするのはありだと思います。
実際に、「あげもんや」はコロナ禍でも3店舗のフランチャイズ店をオープンして収益をあげているので、飲食関係のフランチャイズで起業を考えている方は、ぜひ一度、ワンズトラインが運営する「あげもんや」のお話を聞いていただきたいです。
詳しい事業の説明はもちろん、実際に運営している店舗の見学や自慢の料理の試食会も行なっております。お気軽にお問い合わせください。お待ちしております!